今回はラヴェルの高雅で感傷的なワルツ(Joseph-Maurice Ravel Valses nobles et sentimentales)のアナライズです。優雅で感傷的なワルツとか高貴で感傷的なワルツとも言うらしいですね。とりあえずツンシュンっていうことですね(違
「ボレロ」でも有名なラヴェルは管弦楽法の大家の一人。アナライズしないわけにはいかないよね。というわけでこの曲がなかなか面白そうなのでやってみることにしました。ちょうど2管編成だし。
では、この動画を元に分析します。
1 Modéré
めずらしく最初からトゥッティ。この物量なのに力強さより優雅さが伝わってくる。パーカッションの使い方、重ね方にも注目。
最初の詰み方。聴いてるだけだと単純な和音に聴こえるけど、かなり複雑。ベース音から5度インターバルで3つ詰んである。コードで言うとGadd9,11。
トップのB(3度)をフルート、オーボエ、コール・アングレ、クラリネット、トランペット、1stVinで重複。その次にD(5度)を強く。
画像は各パートを横にずらしてます。和音のみでの考察。
赤:強い〜青:弱い
1小節目3拍目の和音は正直意味がわからない(泣)3つの半音がぶつかってる。ベースが5度進行、上に詰んである和音が次の和音への経過音なのかな。
00:04〜 ああ、普通だw弦の割り振り方も参考になる。バス音をあまり重複してない。
00:13〜 5音音階っぽいアプローチ。ラヴェルらしい音。コードはEm7/Aかな。
00:15〜 かなり腰高な和音。キレイに詰んである印象。
00:18〜 ここの和音を徹底研究してみよう。コードはDdim9、9の音であるEがトップ。フルート、オーボエ、ハープ、1st、2ndVinで重複してある。バスのDはほとんど重複されてない。
金管がB、Fを強調してるのに対して、他の伴奏はA♭が強め。いや、金管と木管合わせるとバランスがいいかも。で、弦とハープで重複してるだけかな。ホルンの重複の仕方気になる。
音の強さはこんな感じかな。ffだったらハープはほとんど聴こえないと思う。
00:22〜 際どい和音だけど重ね方で自然に聴かせてる。
00:35〜 一回盛り上げてオクターブ上のフルートに繋いでる。うまいなあ。ここのハープのハーモニクス、弦のハーモニクス、トレモロの幻想的な効果を取り入れたい。
00:41〜 わりと単純に詰んである。
00:55〜 最初の部分の繰り返し。大体は同じ感じ。
とりあえず第一楽章はここまでですけど、めっちゃ時間掛かった・・・・2週かかった・・・・
しかし、和音の構成音が多い時、編成をフルに使った和弦はものすごく勉強になりました。響きやルールを頭に叩き込んでおきたいです。
ではではまた第二楽章で(吐血)
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