作曲家のこおろぎです。
防音室の大改造をしました。
前回まではこの3つが終わりました。
今回はこの防音室改造の目玉、
「換気扇」
の改造をしていきたいと思います。
施工前
まずは施工前の状態を見ていきます。
防音室内の換気扇の穴
開けると
排気口と吸気口が隣り合っています。
防音室の外側は、
壁に換気扇がついています。
この換気扇は熱交換式と言われるもので、換気はするが中の熱が外に出ていかないタイプ。
普通の住宅だったら暖房の効率がよくなるので、その方がいいんですけれども、防音室の場合は、熱が出て行かないとめちゃくちゃ暑い。
さらに、狭い防音室は中にエアコンをつけることができません。
今回は熱交換式の換気扇をとって、新しい換気扇をつけて熱を外に出すシステムを作ります。
今まではサーキュレーターでも空気を入れていました。
一瞬は涼しくなるんですが、入り口を閉めた瞬間から暑くなります。
また、これだと換気時に入り口を開けなければいけない。
・入り口を開けずに
・涼しく
・換気もして
・長時間快適に過ごせる
空間を作りたい!
構想
どういう風に改造するか説明をします。
防音室と部屋。
給気口と排気口を対角線上に配置することで、
冷たい空気を下から上に、防音室全体を通って空気が流れるようにします。
排気口にはダクトホース、その先の離れたところに換気扇を取り付けます。
換気扇からあたたかい空気をエアコンに送り出し、エアコンから出た冷たい空気は部屋の下にたまるので、下の給気口から吸い込む、という空気の流れ。
排気を機械でおこない、吸気は自然に任せるという
『第三種換気』
といわれる換気方法です。
元の換気扇を取り外して穴を拡張し、新しい換気扇をつけます。
開いた穴から右側の方にダクトホースを通して
このあたりにダクトファンを設置します
右側のエアコンに暖かい空気を送るイメージ。
買ったもの
追加で買ったものを合わせて…
合計 19,036円
丸型レジスター
防音室の下の給気口に使います。
手で回すことで開閉もできます。
外側用と内側用の二つ。
長すぎるので後で切ろうと思います
直径75mm。
中が詰まってなくて切れるものを買いました。
角形プッシュ式レジスター
防音室側の排気口に設置します。
前面を押すことで開閉ができます。
直径100mm
ダクトホース
アルミのフレキシブルダクト。
2Mだけど届いた状態の時は短い。
ダクトファン
これで空気を排出して換気をします
最初は「換気扇」というワードで探したんですけれども
空気を外に排出するようなものは、部屋の内側につけるタイプしかなかった。
防音室内では音を鳴らしたくないので、外側につけるものを探したところ、
ダクトに取り付けるダクトファンというものに行き着きました。
ダクトファンの羽の位置がすぐ近くに感じたので、保護用にガラリというものも買いました(画面中央)
風の向きも変になっちゃうし、これはいらなかった。
アルミワイヤー
100均のもの。ぶら下げたり固定したりに使います。
突っ張り棚(右)
防音室と部屋の壁の間を突っ張って、この上にダクトホースやダクトファンを載せます。
左側のつっぱり棒は前から持っていたものです。
木材で棚を作るよりも、突っ張り棚の方が簡単で安いと思い、こちらにしました。
乗せるものの重量も軽いので問題ないはず。
ダクトテープ
この後作業するときに何度も助けられてダクトテープ信者になりました。
ダクトテープを巻いておけば何とかなります。
パーツ加工、塗装
まずは取り付ける前にパーツを加工。
丸型レジスターを壁の長さに合わせて切っていきます。
壁の厚さを正確に測れてないんですが、多めに3cmほど切っていこうと思います。
短すぎて後で継ぎ足さなきゃいけなくなっちゃったので、何らかの方法で正確に測っておけばよかった…
筒状のものを固定して切るのはどうしたらいいか考えたときに、
ダンボールに穴を開けて、そこに筒を固定して切ればいいのではと思いつきました。天才です。
これで壁の厚さよりも短くなったはずです。
白いものをつや消し黒で塗っていきます。
構造が複雑なのでラッカースプレーで。
シールなどは剥がして綺麗にします。
1回目。
部屋中を養生シートで養生したんですが、
黒い塗料が壁側の養生シートについてました。養生大事。
しっかりと養生しておいてよかったです。換気も忘れないようにしましょう。
裏なども。
きれいに塗れました。
つや消しなのでマットな質感になりました。
次はダクトファンを土台に取り付けて、突っ張り棚の上に設置できるようにします。
こういう風に置く予定。
この間に板を挟みます。
使わない本棚の木材が余ってたので加工していきます。
寸法を測って切る。
取り付け用の金具が付いてたので、ネジ止めしていきます。
と、その前に
ダクトファンにダクトホースを取り付け
ダクトファンにダクトホースをかぶせてダクトテープを巻き、改めて土台に取り付けます。
ダクトファンの土台と突っ張り棚の固定方法を考えたんですが
穴を開けて針金で固定するのが一番いいはず。
ということで穴を開ける
塗った後に穴を開ける事になってしまうので
先に考えておくべき部分でした。
今回はこういった計画性のなさが色々出てきてます(反省)
取り付け後に針金で固定していく予定
家に余っていた木材で突っ張り棒の支えを作ります。
薄いので接着剤で重ねて厚みを出します。
ドリルでネジの下穴を開ける
塗って完成。
ケーブル類の穴
給・排気口の前に、ケーブル類を通す穴を作っていきます。
すでに穴は開いているんですが 汚くて小さいです。
もともと防音室の表と裏にXLRのウォールパネルが設置してあったんですが、
ウォールパネルを挟むよりも、ケーブルを直接引き込んだ方が音質的には100%有利だろうということで、
ウォールパネルを外したり、雑に拡張してたりしたら、こんなに汚くなってしまいました。
左側が電源ケーブル用、右側が音声ケーブル用の穴にしていきます。
きれいに穴を開けていきたい。
穴を開けたら、もともと付いていた換気扇の塩ビパイプを差し込みたいと思います。
ホールソーの65mmで。
一度合わせておくとミスがない。
ここで問題発生。
ホールソーがインパクトドライバーに取り付けられません。
ドリルチャックがないと取り付けられないんですね。
知りませんでした…
ドリルチャックが届きました。
いよいよ穴を開けていきます
しかし、うまく穴が開けられません…
ホールソーは真ん中のドリルで軸を固定して掘り進めていきます。
なので、すでに穴が開いていると軸が固定できないので切ることができないんですね。
厚みはないので大変ではないのですが、見た目は汚くなってしまいます。
何とか穴を開けました。
先ほどの穴は電源用にして、
オーディオ用に新しく穴を開けていきます。
きちんとホールソーを使う時がきました。
予想していたより100倍うるさい!!!!!!!
ほぼ工事の音。
賃貸住宅だとかなりヒヤヒヤする音量です。
防音のために改造をしているのに、逆に騒音を出してしまうという…
綺麗な穴を開けることができました。
中の吸音材をほじくっていきます
吸音材に触ったら死ぬので、慎重に。
吸音材がある程度ほじくれたら、壁の向かい側に目印になる穴を開けます。
内側も切れました。
やっと1つ目の穴がきちんと開きました
下の穴は裏側が拡張できなかったので、パイプは上の穴に使います
ぴったり。
裏はダクトテープで隙間を塞ぎました。
下に入れる塩ビパイプを探したんですが、届くのが遅いので、
円柱に1番近いペットボトルを加工して使っていきます。
空にして、
切って
円筒形にして
ダクトテープで壁に貼り付けていきます
オーディオケーブル用(上)と、電源ケーブル用(下)の穴が完成。
配線後(外側)
オーディオケーブル(上)電源その他ケーブル(下)
この黒い革のようなものはトレーニング用マットです。皮っぽい素材でそこそこ強度もあり、加工しやすく、DIYで愛用しています。
吸気口
この辺りになるイメージ
ホールソーで穴を開けます
が、レジスターが入りません…?
75mmの穴のはずが、さきほどと同じ65mmで開けてしまいました…
確認は本当に大事(大事)
ペンチとノミで穴を広げていきます
今度はちゃんと入ります
向かい側に目印の穴を開けて、外側もくりぬいていきます。
レジスターを取り付けて、吸気口が完成しました!
こちらが防音室側。
こちらが室内側。
レジスターの奥行きを短く切りすぎてしまい、壁の中に空間ができてしまったのが気になりました。
ペットボトルで継ぎ足します
今度こそ完成!
排気口
最後は排気口。
換気扇の本体を取り外しました。
ダクトを取り外しました。
周りを養生
ついでに黒で塗ります
内側も外して
壁の向こう側が見えました
この穴を利用して新しい換気扇を取り付ける予定だったんですが…
すでに穴が開いているところにはホールソーが使えない、ということで、別の場所に穴を開けることにしました。
新たな穴の場所はどこがいいか考えると、
吸気口から遠い位置、対角線上の
入って正面左上の位置に穴を開けるとよさそう。
吸音材をはがして穴を開けていきます
内側が開きました。
右側の、もともとあった穴を塞いでいきます
余っていたグラスウールを詰めます
グラスウールは素手で触ると死ぬので、捨てる予定のゴム手袋を着用。慎重に。
給気口を開けた時に出た丸い木材を詰めて、ダクトテープで塞ぎました(ダクトテープ最強)
裏側もホールソーで切った時に出た丸い木材を詰めて塞ぎました
ここで問題発生。
ホールソーとダクトパイプの直径を確認したところ、
ホールソーがちょっとちっちゃい。
ホールソーで開けた穴に直接ダクトパイプを入れようと思っていたので、
このままでは穴が小さくてダクトパイプが入らない。
というわけで115mmのホールソーを注文しました
今回、直径でかなりミスったので、どういうふうに取り付けるのかを
具体的にシュミレーションしておけば良かった。
作業前の脳内イメージ
各パーツを具体的にどうやってくっつけていくかというのを、曖昧にしたまま作業を進めていました。
主従関係や寸法をしっかり把握しておかなかったのが良くなかった。
元々はレジスターとダクトパイプを直接防音室の中でつないで、壁のほうに入れるという考えでした。
実際は100mmの穴だとダクトパイプは通りません
防音室側に100mmの穴を開けた状態での修正案を考えます
具体的に修正したイラスト
これでOKなはず。
というわけで、内径100mmの塩ビパイプが届きました
取り付けイメージはこんな感じ。大丈夫そう。
115mmのホールソーで穴を開けていきます。きちんとパイプも通ります。
それでは穴を開けていきます。
が、力が入らなくて全然進んでいきません
直径が大きくなるほど力も必要になるみたいです。
時間をかければ開きそうですが、数十分クソうるさい音を出さなければいけないと考えるとつらい。
場所的に踏ん張りも利かないのでホールソーは諦めました。
またしてもドリルとペンチで穴を開けていきます。
なんとか穴が開きました
プッシュ式レジスターを取り付けます
ピッタリとハマりました。
押すことで開閉ができるようになっています。
結構隙間があるので防音効果や気密性は微妙です。
正直、見た目がかっこいいというのが選んだ理由です。
ダクトファンを乗せる突っ張り棚を設置。
突っ張りの力だけだと不安なので 右側は窓枠に乗せています
左側も支えをつけました
これでいきなり落ちてくるようなことはないはず。
奥の突っ張り棚は、窓枠の高さがちょうど穴(排気口)の高さと一緒だったので
棒だけの部分がある突っ張り棚でよかった。
塩ビパイプとダクトホースをダクトテープでくっつけます
内径が同じなので 口をぴったりくっつける形
いよいよダクトを取り付けます
無事取り付けられました。
それではスイッチを入れます!
排気口から空気が出ています。
給気口からもきちんと空気が入ってきています
換気システム完成!!!!!
パーツを付け足したり色を塗ったりして
より完成させました。
ダクトファンの出口は風の指向性があまり無いように感じたので
余った塩ビパイプを取り付けてまっすぐに風を送れるようにしました
暖かい空気がダクトファンからエアコンに送られます
完璧です。
改造自体は終了です!
次回はこの排気口、給気口の防音効果、温度への影響の検証編!
→【5.検証、まとめ】0.5畳の防音室の換気扇を替えた結果!【DIY】