さて、今回はマルチバンドコンプレッサーの使い方がほとんどWeb上にないので僕が書くことにしました。
なぜマルチバンドコンプレッサーを使うのか
複数の帯域で音量が飛び出ているオーディオファイルをコンプレッションするために使います。
特に複数のソースが混じっている2MIX。単体トラックでも必要があれば。
メリットは細かい調整ができる事、デメリットはうまく調整しないとバランスが悪くなる、のっぺりしすぎる事。
では、実際の2MIXにかけながら説明します。
帯域の設定
どの成分、どの楽器を抑えるのか、耳とアナライザーで確認しながら設定します。
これがBefore。僕はいつもwaves「H-EQ」のアナライザーを使います。動きが見やすいので。
◆4バンドの場合
低域 キック、ベース
中域 ボーカル等
中高域 アタック感
高域 金物
◆5バンドの場合
低音のほうを拡張して
超低域 キック、ベース
低域 キックのアタック、ベースライン、スネアの胴鳴り
中域 ボーカル等
中高域 ボーカル、スネアのアタック感
高域 金物
で分けます。これはおおまかな目安なので、音源によって対象にする楽器、場所は変えます。
今回はStudioOne付属のマルチバンドコンプレッサーを使い、
超低域 0~80Hz
低域 80~280Hz
中域 280Hz~2kHz
中高域 2~8kHz
高域 8~20kHz
にしました。
個別の設定
各帯域はシングルバンドの時と同じ感覚で。
アタック、リリースは高域に行くに従って速めに。レシオはマスタリングなら2:1くらい。高域のほうは高めにするといいみたい。飛び出たところだけを処理するならレシオをきつくしてリミッター的に使ってもいいでしょう。
リダクションは控えめに、飛び出た所だけをコンプレッションするイメージで。
マルチバンドコンプは変化がわかりにくいのでかけ過ぎないように。のっぺりして不自然になります。
バランスを整える
最後に各帯域のゲインを調整してEQ的にバランスを整えます。
耳とアナライザーで確認しながら周波数を整えていきます。これもバランスが崩れるのでやり過ぎないように。
Afterはこんな感じ。
デコボコが減ってなだらかになりましたね。飛び出たところを減らせば自然と音圧も出てきます。
今回はポップスなのでボーカルを出して全体的に中域に寄せています。
4kHzが気になるのでこの前の段にディエッサーをかけたいですね。
おわりに
独学の僕の使い方でしたがいかがでしょうか。参考になれば幸いです。