今、生楽器の録音がおもしろい。
僕は生粋のDTMerで、つい最近までほとんどすべて打ち込みで完結させていました。
DTMと録音と楽器をほぼ同時に始めたんですが、ソフトウェア音源の質が高くなってきたことにより、だんだんと録音をしなくなっていきました。
最近の音源は楽器も奏者もアウトボードなども豪華で、単純に品質の面だと個人の録音では到底かないません。しかも安い。
しかし、最近になって、自分で演奏・録音する意味があるなあと思い始めました。
ざっくり図にするとこんな感じ。
ざっくり
・作品のための表現ができる
・うまくなくてもいい
・生きた音が出せる
・早く学習できる、安く買える
・カスタマイズが可能
作品のための表現ができる
ソフトウェア音源の録音は「特定の楽曲を表現するために演奏している」という意思がないため、表情に乏しい。
プログラミングで表情を出していく、というのもかなり手間がかかるし、不可能なことも多い。
高級品をサンプリングしたものより、安い楽器を作品のために調整、演奏したもののほうが作品にハマることが多い。単純な音質より、そのほうが作品にとっては重要。
うまくなくてもいい
「うまくなくてもいい」と気がついた瞬間から楽器が楽しくなった。
映像や舞台に音をあてる場合、整っているけど表情に乏しい演奏よりも、ヘタでも人間臭い演奏のほうがハマる場面が多い。
また、技術的に難しいことを求められる仕事というのはほとんどないので、だいたいは練習すれば自分で弾ける。ノーミスで弾く必要もないので、エディットもどんどんやる。
技巧が必要だったり、高音質が求められる場面ではプレイヤーやスタジオにお願いすればいい。
演奏ノイズなどの要素も味を出す。サンプリングされたものだと、どうしても規則性が生まれてしまう。
生演奏だと、同じ演奏をしてもランダム要素が入るので、同じ音型を繰り返したり、ダブリングさせるのも効果的に響く。
カスタマイズが可能
カスタマイズの広さも魅力。作品のために楽器をカスタマイズして独自のサウンドを作ったりもできる。
通常ではありえないくらい低いチューニングにしたギターで怖い感じを出したり。
マイクの種類、位置も実験できる。
また、本来楽器でないものも試せる。鍋とドラム用のブラシを買ったりした。
早く学習できる、安く買える
なぜ「今」生楽器がアツいのか。それは楽器の習得が簡単になってきたから。それと楽器が安いから。
以前は楽器を手に入れても、効率のよい学習ができなかった。
今はYoutubeやブログでありとあらゆる楽器の学習ができる。買って数日練習すれば、売るための録音ができる楽器もある。
また、楽器や録音機材の質が高くなったり、安くなったりしている。最近はメルカリなどで安く手に入る。
ノイズの処理も簡単になりました。iZotope「RX」はDAWと同じくらい必需品。
効果的な楽器
生演奏で効果的な楽器とそうでないものがあります。
・音程変化が滑らかな楽器
・息づかいが反映されやすいもの
・電気的でないもの
が効果的だなと感じます。
まず、音程変化が滑らかな楽器。フレットがないもののほうがおもしろい。
音程変化はソフトウェア音源で再現しにくい最もたるもの。
次に、息づかいが反映されやすいもの。笛などの息を使った楽器や、弓で弾く楽器。
ダイナミクスでニュアンスを出しやすい。
あと、電気的でないもの。ピックアップではなく、マイクで収録するもののほうがおもしろい。マイクポジションでの音作りもできる。
逆に、それらがない、打楽器に近いものはあまり効果的ではないです。ソフトウェア音源で再現しやすい。
■最近買ったもの
・三味線
・神楽鈴
・バイオリン
・トランペット
・篠笛
・龍笛
・尺八
・クラリネオ
・フルート
・アコーディオン
・ピアニカ
・ウクレレ
・パンフルート
・スライドホイッスル
・鍋とブラシ
■ずっと持っているもの
・ギター 3本
・アコースティックギター
・エレキベース
・フレットレスベース
録音に再度ハマりはじめたのはギターのVariaxが最初です。
ギターは打ち込みよりも自分で弾く方がはるかにニュアンスを出しやすい。Variaxはノイズもなく、色々なサウンドが出せるのが魅力的。
自分が弾ける楽器に近いものから手を出していくと習得しやすい。
演奏の種類は鍵盤系、弦系、笛系、リード系、打楽器系のざっくり5つに分けられる
最近はアコースティックなものを買って、マイク録音をする、というのにハマってます。
うちは防音室がある、というのも要素として大きいんですが。
当たり前ですが、アコースティックな楽器は音がでかい。防音室がなくても大丈夫だなと思ったのはウクレレくらい。
おわりに
生楽器を取り入れたくなりました?
では!