音楽制作で活躍したプラグインエフェクト2025年【DTM】

プラグイン

こんばんは。作曲家のこおろぎです。

2025年は舞台を中心に、アトラクション、PV、TVCM、BGM、ストックミュージックなどの音楽を200曲ほど制作しました。

今回はそれらの制作スピードとクオリティの両立が求められる現場において活躍したプラグインエフェクトをザクっと書いていきます。

新規導入部門

2025年に買って、いきなり主力になったもの。

CURVES AQ | Waves

今年最高のプラグイン。ゲームチェンジャー。すべてのプロジェクトで必ず使用しました。

トラックを読み込んで最適なアダプティブなEQカーブを提案してくれるEQ。

音色そのものが大胆に変化するような印象のサウンド。さらにサイドチェインもかかるし視認性もいい、細かいエディットにも対応。という隙のないEQ。

これで他のいくつかのプラグインがいらなくなってしまいました。特にサイドチェインでマスキングを解消するようなものはすべてクビです。

音量もある程度整うのでコンプレッサーも不要になる場面があります。

初心者から上級者まですべての作曲家におすすめ。

Plugin Boutiqueで購入→CURVES AQ | Waves

Vast | IMPULSE ENGINE

クリエイティブ・コンボリューション・リバーブ・プラグイン。

深くて長い、密度の高いリバーブをかけたいときにとてもよい効果になります。
こういった用途ではNIのRaumを使っていたんですが、よりシネマティックにかかるのでこちらも愛用するようになりました。

■Plugin Boutiqueで購入→Vast | IMPULSE ENGINE

Dee mute | Dotec-Audio

MIDIノートをトリガーにオーディオをミュートするプラグイン。無料。

ブレイクなどで音源のドラムの余韻を切りたいな、というとき、普通にミュートにするとノイズが出たり、ゲイン調整系だとボリュームが下がりきらなかったりと、なかなかいいものがなかったのですが、

Dee muteならきれいに自然で完全にミュートすることが可能。

アタックやリリースも調整できるので、自然な余韻を残してからのミュート、ということもできる。

数年前に登場していたらしいんですが、なぜか見つけられてなかった。

外部からMIDIノートを入れないといけないのでそこは少し面倒だけれど、そのおかげでスタッターなどの表現も簡単に可能になっている。

Dotec-AudioはDee gainやDee panpotも愛用しています。

■Dee mute | Dotec-Audio

Ozone12 | iZotope

言わずと知れたマスタリングプラグイン。

AIによるアシスタント機能や、マスタリングに必要な多様なエフェクトモジュールを統合しています。

サブスクのNative Instruments 360 proにはiZotopeも含まれているので自動でアップデートされました。

AIアシスタントの精度が高くなり、曲調に合わせたサウンドメイクもしやすくなりました。マスタートラックの最終段は必ずこれです。

迷ったらElements。

■Plugin Boutiqueで購入→Ozone 12 Elements | iZotope

■Plugin Boutiqueで購入→Ozone 12 Standard | iZotope

■Plugin Boutiqueで購入→Ozone 12 Advanced | iZotope

継続使用部門

NeoVerb | iZotope

AIでマスキングを処理してくれるリバーブプラグイン。
私のテンプレートで最初から挿さっているのがこれ。

マスキング処理によって、リバーブ成分を馴染ませてくれるのが特徴。

ドライめの短い余韻で、ナチュラルで目立たないリバーブをつけたいときに最適。

ちょっと長めに、主張のないリバーブをつけたいときにも最適。

■Plugin Boutiqueで購入→NeoVerb | iZotope

ShaperBox 3 | Cableguys

時間、周波数、ダイナミクスなど、様々なエフェクトをLFOベースでコントロールできるマルチエフェクトプラグイン。

サイドチェイン、グリッチ、スタッター、フィルター、ディストーションなど、複雑なリズミカル・エフェクトを手軽に作成できます。GUIがわかりやすい。

エフェクトプラグインというよりも”ユーティリティツール”という印象。
だからこそ、地味ながらも欠かせないものになっています。

例えば、LFOの周期をHzにして、グリッドに沿わせずにパンを振ったり、ローパスフィルターでゆったり変化をつけたり。それを同時にかけたり。

ドラムループにエンベロープでローパスフィルターをかけて鳴りすぎなハットを抑えたり。

外部MIDI入力でダッキングをしたり。

これらをStudio Oneのオートメーションでやろうとすると、いちいちそれぞれのオートメーショントラックを作ってコピペや調整をしないといけない。

このプラグインならコピペするだけでいいので他のトラックに適応させるのが簡単です。

色々なことが1つのプラグインで済む&組み合わせることでシナジーがあるので、バンドルがおすすめです。

■Plugin Boutiqueで購入→ShaperBox 3 Bundle | Cableguys

Waves Ultimate -Waves Creative Access | Waves Audio

Wavesの全部入りサブスクリプション。
昔ながらのものから最新の攻めたものまで。

先に紹介したCURVES AQもこのサブスクに含まれています。

また、Wavesにはあらゆるサラウンド・イマーシブ制作のためのツールが揃っています。
去年から今年にかけて音楽制作をした大阪・関西万博「ガスパビリオン おばけワンダーランド」はサラウンドで納品しましたが、Studio OneとWavesですぐさま対応でき、大活躍しました。

このプロジェクトのために専用のエフェクトを買いそろえずに完遂することができました。

■Waves Ultimate -Waves Creative Access | Waves Audio

新規購入したが使わなかった部門

T-RackS 6 MAX | IK Multimedia

60種類のミキシング&マスタリングエフェクトのバンドル。

GUIのビジュアルがいいなと思って買ってみたんですが、実際に制作しているときに忘れていて全然使っていません。

空間系を中心に、もう少し手触りを確認したいと思ってはいます。

この中に含まれているSunset Sound Studio Reverbは以前単品で購入して以降ずっと使用しています。

■Plugin Boutiqueで購入→T-RackS 6 MAX | IK Multimedia

■beatcloudで購入→T-RackS 6 MAX | IK Multimedia

おわりに 近年のワークフローの変化

もう一つT-RackS 6 MAXを使っていない大きな要因として、ハードウェアシミュ的なプラグインエフェクトを使う場面が極端に減った、ということがあります。

近年は音源そのもので音作りを追い込んで、コンプ、リミッター、EQなどはおまけで整える程度、というワークフローになっています。

そういったことから、どんどんソフトウェア音源の購入量は多く、プラグインエフェクトは少なくなっていっています。

コンプやEQの機種を変更しても、音色そのものを変更することに対しては微量な変化でしかない。そこに凝りだすと制作時間も無駄に伸びる。

また、プラグインエフェクトはAIやオート系を多めにすることで制作時間を短縮しています。

そういったことにより、ハードウェアのシミュレート系のプラグインは作曲家でなくエンジニアさんのツールだな、と思うわけです。

なので、音色そのものを変化させるような印象があるCURVES AQは神、という最初の話に戻ってきます。

では。

↓ソフトウェア音源編も書きました。

音楽制作で実際に活躍したソフトウェア音源2025年【DTM】