『Orchestral Percussion SDX』レビュー。120以上のオーケストラパーカッションを収録した音源

プラグイン

ドラム音源「Superior Drummer 3」専用拡張音源シリーズ、オーケストラパーカッションの『Orchestral Percussion SDX』のレビュー。

タイコ、シンバル類中心のVOLUME Iとラテン系、小物中心のVOLUME IIの2つのセットになっています。

ざっくり

・120以上のパーカッション、約65GB
・たっぷり残響を含んだ素直なサウンド
・サラウンド対応
・Superior Drummer 3コアサウンドライブラリとの相性がいい
・割り当てられているキーがわかりづらい
・ティンパニが使いづらい
・付属MIDIフレーズが便利

パーカッションは以前からSuperior Drummer 2のpercussionistを使っていて、好きなサウンドだったんですが、新作が出たということで買いました。

ドライな2のものとはハマる場面が違うので、結局2も継続して使いそうです。

マッピングにクセがあるので、慣れないと使いづらそう。

たっぷり残響を含んだ素直なサウンド

サウンドは、マイクはメインとアンビエント、カブり、3つのバランスで音を作ります。

響きが多いけど、音の輪郭がぼやけていない。オーディオは無加工で収録されているということです。

コンガなどのラテン系の楽器の音源ってドライなものが多く、オーケストラに混ぜにくいんですが、これは響きが多いので混ぜやすくてよいです。

逆に、最高にドライにしてもスタジオの響きが入っているので、ルーム系のドライな曲には合わないかもしれません。

あくまでオーケストラ内のパーカッション、という立ち位置。

コンガのみの動画。残響が多いことがわかる。

Superior Drummer 3コアサウンドライブラリとの相性がいい

Superior Drummer 3に標準で付属している、コアサウンドライブラリと同じGalaxy Studiosで録音されているので、混ぜて使うとなじみがよいです。

ちょうどオーケストラとバンドが混ざったミュージカルの編曲をやったのですが、よくなじんで一体感がありました。

楽器の種類

120種類以上の楽器が収録されています

・ボリューム1
バスドラム、スネアドラム、タム、ティンパニ、太鼓、クラッシュシンバル、チューブラーベル、サンダープレート、タムタム、チャイニーズゴング、スピニングムーンゴング、リーフコング、インドネシアンゴング

・ボリューム2
コンガ、ボンゴ、バーチャイム、ウィンドチャイム、ベルツリー、トライアングル、ウッドブロック、カウベル、テンプルブロック、カスタネット、ギロ、スリーベル、シェルズ、シェイカー、カバサ、ストンプ、クラップ、スナップ、ウィップ、ブーバン、タンボリン、ビブラスラップ、フレクサトーン、オーシャンドラム、マラカス、アゴゴ、カリンバ、フィンガーシンバル、スパイラルシンバル、スモールシンバル、トラディショナルカウベル、アンビル、レインスティック、びんざさら、ラチェット

スネアはスティックが選べたり、タイコ類はビーターが選べたり、アーティキュレーションもなかなか豊富。

14×5″ Lazer Classical Concertなど、モデル名が具体的なのもいいです。

SD3共通の仕様として、ロール奏法は収録されていません。連打すればロールになるよ、ということらしいです。

ラテン系楽器、サンダープレート、ストンプ、クラップ、スナップ、びんざさら、ラチェットなど、あまりオーケストラ音源に含まれないものが収録されているのはよいですね。

太鼓も3種類あって、丁寧に太鼓の音だし、シンバルの種類が多いのもうれしい。

割り当てられているキーがわかりづらい

これはわりと致命的で、使い慣れないとめんどくさい。

2つのインストゥルメントにすべてが詰め込んであるので、88鍵でも足りてないんですよね。

こんな感じでマッピングされています。

使えるキーをほぼすべて使ってある、という感じ。さすがに詰め込みすぎ。

ティンパニやチューブラーベルのような音程があるものも1つのインストゥルメントにまとめて詰め込んである。また、同じ楽器でもキーが離れてたりする。

しかも、マッピングはデフォルトで表示されてないので「Show MIDI Mapping Keys」で表示させないといけない。


(画像では表示後なのでHideになってる)

ティンパニだけ、シンバルだけなど、楽器ごとにプリセットを作るとちょっとは使いやすくなります。

ティンパニが使いづらい

ティンパニは実際のオーケストラのように4台しか同時に使えないので、
キーに合わせて音程をセットします。

どの音程も自在に出せる最近の音源に慣れているとめんどくさい。

ビーターが3種類から選べるのはなかなかいいんですが。

付属MIDIフレーズが便利

MIDIループがついていて、Superior Drummer 3内で探せます。
そのまま楽曲にも組み込めるし、楽器の使い方やフレーズの参考になります。

おわりに

Superior Drummer 3を所持しているならコスパの良いライブラリになっています。

Superior Drummer 3自体もめちゃくちゃおすすめなので、セットで買ってもよいですね。

・単体

■SDX – ORCHESTRAL PERCUSSION | Rock On Line eStore

・Superior Drummer 3本体とのセット

■SUPERIOR DRUMMER 3 ORCHESTRAL EDITION | Rock On Line eStore

■Orchestral Percussion SDX | toontrack

伸びやかな低域がすごい最強のドラム音源『Superior Drummer 3』レビュー