伸びやかな低域がすごい最強のドラム音源『Superior Drummer 3』レビュー

ソフトウェア音源

今、とっても感動しています。

ドラム音源、Toontrack『Superior Drummer 3』があまりにもすばらしかったから。

とりあえず、触ってみての第一印象を書いてみます。

評価★★★★★

・伸びやかな低域
・バリエーションが多い
・プリセットがおすすめ
・まあまあ負荷は軽い
・最低限の容量は41GB
・機能が多すぎる
・2で不満だった部分はすべて解消されている
・インストールに一切ストレスがない

SD3のコアサウンドライブラリはジョージ・マッセンバーグ (George Y. Massenburg) 氏が手掛けています。

アース・ウィンド・アンド・ファイアー、ジェームス・テイラー、ジャーニー、TOTO などに関わったレコーディングエンジニア/プロデューサー。

伸びやかな低域

音はものすごくよいです。

2から特に変わったのが低域の質感。伸びやかで迫力があります。

低域を強調しているプリセットで、低音多めに叩かせたものがこちら。

キックはこんな感じで、50~80Hzくらいに重心があるものが多いです。

この帯域の再生環境がないと、ミックスの時に処理が困っちゃうかもしれません。サブウーファーを切ると全く違った音に聴こえます。

パーツ単体で気持ちいい音ばかりで、キット全体もまとまりもよく、現時点では、サウンドに関しては文句のつけようがないです。

これ以上サウンドのいいドラム音源が今後出てくることが想像できません。

バリエーション、プリセットが多くて使える

キットなどの数が十分すぎるほど多い。

キットは

・AYOTTE CLASSIC.
・GRETSCH ROUND BADGE 1960S.
・YAMAHA BEECH CUSTOM.
・PEARL MASTERWORKS.
・PREMIER GENISTA BIRCH ORIGINAL.
・LUDWIG ’70S 3-PLY CLASSIC.
・LUDWIG ’70S 3-PLY CONCERT.

が基本になっています。

スネアが25、キックが16など、単体の数も多い。

あと、おすすめなのがプリセット。

未加工のもの、ジャンルごとに音づくりをしたもの、数人のエンジニアの独自のものなど、実践で使えるものばかりなので、音を決める時は最初にプリセットを選んでから詰めていくのがよさそうです。

先ほどのものは低音中心でウェットでしたが、ドライなプリセットも音が細くない。

エレクトリックなものも面白いです。

同じフレーズをエレクトロのキットで叩かせています。前半はごちゃっとしてますが、フィルや中盤以降はなかなかいいグルーヴになってます。

音色の幅が広く、それぞれがきちんと使える音なのがすごい。

パーツを選ぶときにフルネームなのもこだわりがすごい。

まあまあ負荷は軽い

負荷はそこまでは重くないかな。という感じ。

SD2の2倍ほどはかかっちゃうんですが。

メモリの使用は1~2GBくらい。SD2では600MBくらいだったので、これも倍くらいですね。

メモリの使用量をコントロールできる機能もいくつかあります。

オーディオファイルのスペックは44.1kHz/24bitと、意外と低め。SD2とほぼ変わってない。

こういうところはサラウンド対応ということもあって、軽さのほうを優先しているんだと思います。

44.1kHzのせいか、高域の伸びはあまり感じないですね。ハイハットの質感はSD2との違いをそんなに感じませんでした。もともとSuperior Drummerはハイハットの質感がいいというのはあるんですが。

しかし、エンジニアリングだけでこのサウンドになっていることに驚愕しますね。

最低限の容量は41GB

スペック上では235GBになっていますが、全部ダウンロードする必要はありません。

41GB程度で基本のライブラリは使えます。

下記の6つに分かれていて、必要に応じてダウンロードすればよいです。

・ソフト本体290MB
・Part1 コアライブラリ 40GB
・Part2 ルームマイク 46GB
・Part3 サラウンド 42GB
・Part4 ハイトサラウンド 52GB
・Part5 アディショナルブリード 54GB

機能が多い

機能がかなり多いです。音源を使うのに慣れてない人は混乱するかもしれないですね。

単音のエディター以外に

・35種類のエフェクトが使えるミキサー
・手弾きからMIDIループを探してくれるTap2Find 機能
・オーディオを読み込んでMIDI化する Tracker 機能
・外部のサウンドを読み込める
・ソングクリエイター
・ソングトラック編集
・ウィンドウの着脱、サイズ調節が可能
・MIDIグリッドエディター

盛り込みすぎかな、という気はしますね。

新しい機能で面白いのは「手弾きからMIDIループを探してくれるTap2Find 機能」。

あとは、「オーディオを読み込んでMIDI化する Tracker 機能」もおもしろい。

ドラムのオーディオファイルを入れると、キックやスネアなど、パーツごとに認識してくれる。マルチマイクのほうが精度が高いですが。

これ、生のドラムをそのまま打ち込みに置き換えられるってことですよね。

リハスタなどで、適当なマイク3、4本くらいでドラムを録音して、そこから全部Superior Drummer 3に置き換えれば音質もよくできるしエディットもできるし、音作りもじっくりできる。

もしかしてドラマーよりもレコーディングエンジニア殺しのソフトなのかもしれません。

だからドラムの人が使うために、キットもフルネームなんですかね。

エフェクトは1176っぽいのも入ってたり。トレモロなどの空間系も入ってます。

Superior Drummer 2を持っていたら絶対買ったほうがいい。

Superior Drummer 2を使っている人は絶対3にしたほうがいいです。

なぜか

・SD2の不満点が全部解消されている
・Toontrack関係の資産が全部使える
・アップグレードが安い

まず、SD2の不満点が全部解消されているのが気持ちいい。たとえば

・オープンリムショットが使えない音
・スプラッシュシンバルが微妙な音
・ライドの音が小さい
・プリセットがほとんど使えない

などが直っています。見た目も全く別物になっているので、慣れも必要ですが。

そして、Toontrack関係の資産が全部使える。ライブラリやMIDIが自動で全部読み込まれていて、すぐ使えます。

さらにアップグレードが安い。通常46,000円がアップグレードで23,000円くらい。半額になります。

10年前のソフトなので、さすがに限界を感じますしね。

おわりに

選択肢が多くなったぶん、音を決めるのが遅くなりそうな気もしますね。じっくり使っていきたいと思います。

Toontrackはダウンロード、インストールに一切ストレスがないのが本当に好きです。

SUPERIOR DRUMMER 3 / BOX | Rock oN eStore