今回は、ベースの音量を自然に揃えてくれるプラグイン、Wavesの「Bass Rider」について語ります。
Bass Riderは、ベースのトラックにインサートするだけで、音量を自動的に調整するプラグイン。特に、音量がバラつく生録のエレキベースにおすすめ。
同じく音量を調整するエフェクトであるコンプレッサーとの決定的な違いは、Bass Riderは1つ1つの音ごとに作用して音量を上げ下げするので、ごく自然なサウンドに仕上がること。
僕たち作曲家は、レベルの差が大きいエレキベースの処理があまり得意ではないので、これはかなり助かります。はじめて挿したときに「エンジニアの方が作ったような自然で安定した低音感だ」と感じました。
ボーカル用のVocal Riderもありますが、Bass Riderはベース楽器の周波数帯域とエンベロープの特性に最適化されてます。
録音したエレキベースにベースライダーを掛ける前の波形とかけた後の波形。上が処理前、下が処理後です。4弦から1弦を往復するフレーズになっています。
上は4弦の音が大きく、1弦の音が小さいですね。ベースを弾くときやミックスする時には、この弦による音量の違いに悩まされます。
かけた後は1つ1つの音の音量を、波形の形をある程度保ったまま揃えてくれているのがわかります。
この処理をした後は、さらにコンプレッサーで音作りをしたり、リミッターで飛び出したところを抑えたり、歪みのエフェクトを掛けたりということがやりやすくなります。
+-12dBの間で修正するので随分幅があるんですが、かなり自然な仕上がりになります。コンプレッサーだと4dBも潰せば音が明らかに変わるのに。すごい。
あと、CPUの消費は少ないです。僕の環境で1、2%ほど。
パラメーター
パッと見よくわからないパラメーターばかりなので簡単に説明します
Target
コンプレッサーでいうスレッショルド。かかり具合を調節する部分です。平均レベルくらいの場所に設定するのが基本になります。
Sensitivity
Hiにするほど、より細かい音符を拾います。
Response
リリースの早さを決めます。
Spill、Artifacts
よくわかりません。ゲートの設定のようです。
Range
レベルの変化幅を設定します。最大で+-12dBの幅があります。
Rider
実際にどれくらい音量が変化しているのか、エフェクトのかかり具合を見ることができます。Studio Oneではこのパラメーターのみオートメーションを書くことができません。
使い方
クイックスタートから。
1、ベーストラックにBassriderを挿入する。EQやコンプレッサーの前段に。
2、トラックを再生しながら、大きな音が少し外側に出る程度にTargetを設定。
3、すべての音が検出されていることを確認し、検出されていない音はSensitivity と Responseで調節し拾うようにする。
これだけ。うまく設定しないとロングトーンの時に急にフェーダーが戻ります。それを特に気をつけないとかなり不自然なサウンドになります。
おしまい
導入してから、常にエレキベースのトラックに挿すプラグインの1つになりました。
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