Cubaseから乗り換えたいけど最初に使ったDAWの呪縛から逃れられないでいる
— ラカ (@MelodealeRaka) 2015, 4月 5
ラカさんがこんな事を仰っていたので、何としてでもStudio Oneに乗り換えてもらえるように書いてみます。
CubaseよりStudio Oneのほうが好きだ
7、8年くらい使っていたCubaseから、3年くらい前にStudio Oneに乗り換えたんですが、Studio OneのMIDI機能に不満が溜まり、Cubaseも使うことにしました。
Studio One3.5とCubase Pro 8.0.5、です。
両方のDAWで並行して曲を作っていて思ったんですが、Cubaseがめちゃくちゃ使いづらい。
Cubaseは、ファイルや操作の互換性を保つため、いらない機能を削れないまま新しい機能を盛り込んでいるので、どんどん複雑になってきている印象です。
一方StudioOneは、元Cubaseのエンジニアが作ったという経緯もあって、Cubaseの不便な所が積極的に解消されています。作られて時間がたっていないので、余計な機能もすくない。
そのため、Studio Oneのシンプルさ、使いやすさが際立っているのを感じます。
というわけで、今回はCubaseに比べてStudio Oneの良い所を書いていきます。
乗り換えようと思っている方は参考にしてください。むしろ乗り換える気がなくても乗り換えたくなるように書いていきます。
CubaseよりもStudio Oneの良い所
【目次】
✓早く操作できる
✓落ちづらい
✓プロジェクト管理が楽
✓フリーズ機能、瞬時にMIDIからオーディオへ書き出せる機能が便利
✓マスタリング機能、その他
✓StudioOneよりもCubaseのほうがいい所
早く操作できる
Studio Oneは曲を早く作りたい人に優しい。
Studio Oneでインストゥルメントの読み込み、エフェクトの読み込み、オーディオの読み込みをした所。
右側からインストゥルメント、エフェクト、音声ファイルを選んで何もない所にドラッグするだけです。新しいウィンドウやメニューを開いたりすることなく行えます。
これをCubaseでやろうとすると、インストゥルメントだけでもこんな感じ。
何クリックかかってるんだっていう。これだけでなく、それぞれの動作にクリックが余計にかかるんですよ。
ショートカットの設定をすればいいって言われますけど、そんなにたくさん覚えられないです(逆ギレ
DAWを開いたところですでに差がついてるんですよね。
Studio Oneのメインのウィンドウは、ボリューム、パンなどに加えて、インサート、センドエフェクト、インストゥルメント、エフェクト、プールやすべてのフォルダからの音声読み込み、さらにオーディオの書き出しまで一つの画面内であれこれできます。
ミキサーウィンドウも折りたたんでいるメニューがなく、スッキリとしています。
こちらがCubaseのプロジェクトウィンドウです。ボリュームやパンなど、この画面だけだと少ししかいじれません。
ミキサーウィンドウもメニューが全部折りたたまれているので、ルーティングやセンド、エフェクトが遠い。
左側のメニューを開くのも、チャンネル設定ウィンドウを開くのにも1手かかってしまいます。何をするにも目的に辿り着くまでが遠いです。
たかが1クリックのように思えますが、何度も繰り返される動作となると、少しづつ時間的な差がついてきます。
落ちづらい
Studio Oneはパソコンのスペックが低い人に優しい。
落ちる、クラッシュすることがCubaseに比べて少ないです。
また、インストゥルメントやエフェクト毎にどのくらいCPUを使用しているか、というのも見れるので、負荷が大きい物がすぐわかります。
ただ、Cubaseのほうがエフェクトを多く使ってもCPU使用率は上がらない気がします。
プロジェクト管理が楽
Studio Oneは多くの曲を並行して作っている人に優しい。
作りかけの曲はピンをしていればわかりやすいし、一度に表示される曲数が多い。
Studio Oneはプロジェクトを作ったら自動的にプロジェクトのファイルをまとめたフォルダを作ってくれます。曲名もDAWを開いたまま変えられます。
Cubaseは曲を開いたまま曲名を変えることができないんですけど、これの何が悪いかというと、後で変えればいいや、と思っててそのままになってしまい、長い時間が経った後でそのプロジェクトを探そうとするとみつけられなくて苦労する所なんですよね。
また、Cubaseはプロジェクトフォルダを作る場所をあらかじめ分けないと、複数の曲のオーディオファイルがごちゃまぜになってしまい危険です。
フリーズ機能、瞬時にMIDIからオーディオへ書き出せる機能が便利
Studio Oneはパソコンのスペックが低い人に優しい(2回目)
Studio Oneはフリーズさせたトラックをオーディオファイルのようにエディットできます。切り貼りはもちろん、Melodyneでのピッチ修正までできます。
フリーズ機能とは別に、MIDIをオーディオにしてDAW内に書き出せる機能もあります。
新規オーディオファイルを作成、のコマンドだけですぐ下のトラックに書き出したファイルを作ってくれます。さらに、この動画ではその音声ファイルをDAWの外に書き出してます。
ループを作った時や、シンバルロールなど、よく使う素材を書き出しておきたい時にめっちゃ早いです。
Cubaseだと、フリーズさせた後は何もいじれません。
DAW内でオーディオにして読み込むのにも、ミックスダウンと同じ手順が必要です。
マスタリング機能、その他
✓マスタリングに強い
まずはマスタリング専用に買ってもいいかもしれません。マスタリング専用のプロジェクトがあったり、DDP書き出しに対応していたりします。
✓サンプルレートの違いを気にしなくていい
Cubaseだと、44.1kHzのプロジェクトで48kHzのオーディオファイルを読み込ませるとピッチやテンポが変わっちゃうんですよね。
これでファイルのピッチが変わったまま作業を進めてしまって失敗したという方も多いんじゃないでしょうか。
StudioOneだと、プロジェクトと読み込ませるファイルのサンプリングレートが違っていてもきちんと読み込み、再生されます。
あまり違いを意識しなくてもいい。
✓ドングルがいらない
CubaseはPCに挿し続けるUSBのドングルが必要ですが、Studio Oneはオンラインでアクティベートするだけです。しかも5台まで同時に入れられる。ドングルが壊れる、なくすリスクがないです。
✓サンプルの試聴をするとき、リズムに合わせてループしてくれる。
DAW内に読み込まなくても、音を選ぶ段階で同期して再生してくれます。ループを多用する人はめっちゃ助かると思う。
右下のボタンで音を出してみてください。途中からでもループがクリックに同期されてます。
✓タイムストレッチが楽
Alt+クリックだけでタイムストレッチができますし、タイムストレッチしている途中の波形も見えるので目的のリズムに合わせやすい。
✓クオンタイズせずにタイミングとベロシティをバラけさせることができる「ヒューマナイズ」が便利
Cubaseではクオンタイズにランダマイズを適用することで、打ち込みで人間っぽい揺れを表現していると思います。
StudioOneだと「ヒューマナイズ」というものがあり、クオンタイズせずにタイミングとベロシティをバラけさせることができます。
これの良さは、クオンタイズから外れている連符などの部分もそのままヒューマナイズできるという事なんですね。
ショートカットボタンに設定しておけばボタン1つでできますし、長押しすると連続して適用され続けてどんどんバラバラになっていきます。
✓単機能サンプラー「SampleOne」が音色差し替えに便利
付属のサンプラー「SampleOne」で、キックを後で差し替える、ということが簡単にできます。
他のサンプラーでも同じことは出来るんですが、1つの音だけならこれのほうが圧倒的に早い。
✓上下にコピー&ペーストした時に位置がズレない
グリッドに合ってないMIDI、オーディオを上下にコピー&ペーストした時にタイミングがズレないんです。
効果音みたいにグリッドにきちんと合ってないものをコピペする時など、地味にめっちゃ助かります。
✓サードパーティ製のサイドチェインが使える
Cubaseはサードパーティ製のサイドチェインが使えたり使えなかったりするんですが、StudioOneは使えます
✓付属サウンドがいい
ダンス系に強いデベロッパー、Vengeanceのライブラリなどがついてくるんですがクオリティめちゃめちゃ高いです。
✓mp3にメタ情報を埋め込んでくれる
mp3に書き出す際、名前、サムネイル、サイトなどのメタ情報を決めておけば自動で入れてくれます。
mp3で配布しているほぼすべてのファイルにメタ情報が埋め込んであるので、僕の曲を使ってる人にはこのアイコンが刷り込まれていることでしょう。
✓安い
Cubaseはアップデートがくる度に数万円かかりますが、StudioOneではほとんどかかりません。というか大幅アップデートが少ないんですが…
StudioOneよりもCubaseのほうがいい所
逆に、StudioOneに比べてCubaseが得意な事を書いてみます。
✓機能が多い
Cubaseの方が圧倒的に機能が多いです。
Studio Oneではステップ入力ができない、譜面がない、など、Cubaseにあるものが色々とないので、乗り換える際には、自分が絶対必要な機能がStudio Oneにあるのか調べて買いましょう。
✓オーディオのクオンタイズができる
Studio Oneでもオーディオクオンタイズはできるのですが、アタックを検出したタイムストレッチになってしまうんですよね。ほとんどの場合、音質が劣化してしまいます。
Cubaseだと、オーディオをMIDIと同じようにグリッドに合わせるクオンタイズができます。
✓映像に強い
StudioOneは映像を扱うのが苦手です。必ずプロジェクトの頭に読み込まれます。時間指定で調整はできますが。
Cubaseだとどこにでも読み込めるし、サムネイルもトラック上に出ます。
✓小節数のオフセットができる
StudioOneでは小節数のオフセットができないので、小節数で指示をもらうプロジェクトがつらい…
✓トラックのロックができる
間違っていじっちゃわないように、トラックにロックをかけれます。
StudioOneって、オーディオの後にMIDIを録音すると、両方のRECボタンがオンになっててオーディオが上書きされる、という事故が結構起こるので、この機能は欲しかったりします。
✓ノートのレガートができる
ノート間の隙間を埋める、レガートができます。
✓色がカラフル
彩度が高いので、DTMブログを書く時に映えます。Studio Oneは全体的に地味で波形も見づらい。
あと、前にStudio Oneはクオンタイズがひどいと書きましたが、Cubaseも変な時があるので気にならなくなりました。
おしまい
とにかく曲を作るのが早くなるので、フルタイムで仕事をしながら3ヶ月で100曲作れたのもStudio Oneのおかげだなあと、今になっては思います。
操作がシンプルで安いので、中、上級者だけでなく初心者にもおすすめです。とにかく全員におすすめです。
まずはフリー版を試してみるとよいかもしれません。
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買い替えはクロスグレード版がお得。Cubaseのアップデートより少し高いくらいの値段で買えます。
CubaseをアップデートするならStudio Oneにクロスグレードしたほうがいいんじゃないかな!!!全部の機能が使えるProfessionalがおすすめ。
■Studio One 4 Crossgrade 日本語版 | Rock oN eStore
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まだ悩んでいる方はこちらもどうぞ。こちらも基本はCubaseより便利な部分、ダメな部分を書いてます。
付属エフェクトもなかなかいいんですよねー。