ProjectSAMの「Animator」は、カートゥーンのアニメで使われるようなフレーズや楽器が収録されたKONTAKT用音源。
特に『トムとジェリー』の作曲家、スコット・ブラッドリー(Scott Bradley)が使いそうな、効果音的なフレーズが中心になっています。
評価★★★★☆
・いくつかの楽器が重なっているのが基本
・情けない音やコミカルな音など、独特な音が多数
・フレーズのスピードを自由に調節できる
・3つのマイキングポジションを自由にブレンド可能
・効果音的で目立つので曲中で使うのが難しい
・昔っぽいアニメや、ゲームのジングル制作にいい
ドラム、パーカッションは単音ですが、ほとんどがフレーズなので、元々音源を一通り持っている方が「奏法、フレーズの拡張パック」のように導入する音源ですね。
フレーズが振り切れててなかなか使いづらいんですが、パーカッション、ドラムはドライで使いやすいので、ちょこちょこ使ってます。
フレクサトーン、スライドホイッスル、笑いスティック?もコミカルな曲で使いますね。
デモなど
公式デモ
公式トレイラー
トムとジェリー
実際のアニメ。この中の効果音的な音が収録されてます。
公式っぽいんですが、埋め込み禁止になっているので、こちらからどうぞ。
・Tom and Jerry, 42 Episode – Heavenly Puss (1949)
使用曲
曲の中で使用したものがこちら。ほぼドラム、パーカッションだけですが。ドライで歯切れのよいドラムです。
2回目のAメロのバスがこの音源だったりもしますね。わかりにくい。
収録奏法
一覧。ほとんどが楽器ではなく、奏法のプリセットになってます。
収録楽器は、クラリネット、ファゴット、トランペット、トロンボーン、バイオリン、コントラバス、ピアノ、ハープ&パーカッション。
フレーズは、ウィンクのような木琴のトレモロ、笑うようなクラリネットやトロンボーンのスライド、鳥の鳴き声のような笛、忍び足のようなクロマチック・ラン。
音で動きを表現したものですね。
UI
3つのマイク位置をブレンドできます。Close-Stageのスライドだけで簡単に比率を変えられるので便利。かなりドライにできるので、近めにしたい曲に使いやすい。
「Speed」でフレーズのスピードを変えられます。これはかなり自然です。「Oct Shift」はキーの配列を変えるだけで出音は変化しません。「Pitch」でピッチが変化します。「Velocity」はカーブの変化です。
あとは見た目通り。
おわりに
たまにしか使わないんだけど、あると助かる、そんな音源です。
音源の元になっている作曲家、スコット・ブラッドリーはあらゆる編曲の技法を習得していて、「Animator」に収録されているような効果音的な技法は、ストラヴィンスキーやバルトークの影響を受けていると言われてます。
聴くほどに奥深い『トムとジェリー』の音楽は1つのジャンルの完成系だと思うんですよね。
DVDを買ったりしてしばらく研究してました。隙あらば取り入れていきたいなあ。と思ってます。
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