作曲家のための自動作曲ソフト『ORB COMPOSER Pro』レビュー

ソフトウェア音源

2018年4月2日に発売された、作曲家のための自動作曲ソフトHexachordsの『ORB COMPOSER』のPro版を買ってみました。

とりあえず、ザクっと触った感じをレビューしてみます。

ざっくり

・海外っぽい音使い
・わりと使いやすい
・すぐ鳴らせて、細かくいじれる
・MIDIエクスポート、インポートができる
・作曲の知識が必要
・不安定
・StudioOneだと連携がめんどくさい

スタンドアロンでソフトを立ち上げ、DAWにMIDIデータを送って音を出します。このソフト自体には音源は内蔵していません。

ラフはORB COMPOSERで作って、MIDIを書き出し、DAWに読み込んで仕上げることになります。

海外っぽい音使い

海外のサウンドトラックのような感じの音使いになります。

日本っぽい歌モノとか、BGMを作るのは無理そう。

ノリのよい曲は苦手で、フワッとした感じが得意な印象。生成されるフレーズは不自然さをほとんど感じません。

舞台のための音楽を作る時なんかはハマりそうです。長尺で展開がない音楽を短い期間で作りたい、という場面。

アンビエントもよさそうです。

オーケストラはなかなかよさそう。

作れるジャンルは、オーケストラやアンビエントのほかに、Pop/RockやElectroもありますが、あまりよくはないですね。

ピアノソロはベロシティもほとんど一定でリズムの揺れもないので、とても機械的になります。

一応強弱はつきますが、表情付けは完全に人間の仕事です。

すぐ鳴らせて、細かくいじれる

立ち上げたら、最初にざっくりテンプレートを選びます。

そして、Blocks Item(イントロ、エンディングなど)を選ぶ→小節数を選ぶ→生成ボタンを押す

で、とりあえずは音が鳴ります。

ドラッグ&ドロップで大体できるので楽ですね。パラメーターもリアルタイムで反映してくれたり。なかなか使いやすい。

4つのボタンがあるんですが、左から

・楽器とメロディを生成
・コードを生成
・メロディを生成
・すべてを生成

になっています。ボタンを押してから変更するまでがかなり早い。押した瞬間に変わります。

また、コードは1か所だけを変えられたり、強さも1拍づつ変えられたリ、各パートの詳細を変更できたりと、細かくいじることができます。

作曲の知識が必要

最初にコード/モードやキー、拍子を指定するので、それらの知識がないといけません。

また、すでにある程度曲調を思いついてないといけない。

ここらへん、もうちょっとざっくり指定できたり、拍子やテンポまで含めて生成してくれるとよかったです。

不安定

頻繁に落ちたり、セーブされてなかったり、パラメーターが反映されなかったりと、動作が不安定です。

アップデートを待ってもいいかもしれません。

リリースノートv1.0.0 Proに書いてあるのはこちらで、これから改善されるようです。

・私たちが現在取り組んでいる既知のバグ:

– 3/8および1/4拍子記号が無効
– 個々のバーの拍子記号を無効にする
– 入力ユーザーのリズムを無効にする
– 倍音メロディーが標準的な倍音を作り出しています

・ すぐに追加される予定の機能:

– コードの反転
– ユーザーのMIDIメロディファイルをインポートすると、コード進行が提案されます

・改善し続ける機能

– 一般的なAIエンジン
– ドラム

Studio Oneでの設定がめんどくさい

色々なDAWと連携できるんですが、StudioOneでの連携設定がめちゃくちゃめんどくさいです。

Cubase等だとやり方が違うようです。

同期で鳴らすのはざっくりの確認だけにして、曲が決まったらMIDIエクスポートして詰めたほうがいいですね。

オプション→外部デバイスから、

左下の「追加」で新規キーボードを追加する。

ORB COMPOSERのほうのEdit→Instruments PreferencesにそれぞれのPortとChannelが書いてあるので、それを見ながら楽器ごとに新規キーボードを追加。

ピアノならこんな感じ。

途中だけどこんな感じになります。大変…

おわりに

とりあえず、ざっくりのレビューでした。

仕事に組み込めるのかどうか、まだ未知数のところが多いです。

きちんと編曲、ミックスをして力を引き出してあげたいなと思っています。

曲を作ったら追記しますね。

デモも試せます。英語のみ。

■ORB COMPOSER: Artificial intelligence for music composers

作曲家が自動作曲ソフトを使うのはあたりまえになる。