作業している部屋の音響特性を測定し、周波数と位相をプラグインで補正する音場補正ソフトウェアIK Multimedia ARC System (Advanced Room Correction) を前のバージョンから2にアップグレードしました。
64bitにしたかったのと、ローエンドの解像度が4倍になったということで、気になってしょうがなかったのです。アップグレードなのでマイクは付属せずソフトのダウンロードのみ。
ざっくりレビュー
・マストなプラグイン
・測定箇所が少なくなって設定が早くなった
・前のバージョンと比べて低音が出る
・他のスピーカーをシュミレート出来る新機能「バーチャル・モニタリング」が便利
・読み込みがちょっと遅い
・スピーカーなど機器自体の性能が上がるわけではない
・ミックスダウンの時に外さないといけないのがめんどい
やはり僕にとって無くてはならないプラグインの1つ。周波数がフラットになるので、安心してミックス出来るんですよ。ARC2は前のバージョンより低音が出る、というか分離よく聴こえる感じ。前バージョンから引き続き、ARCのおすすめなところは低音なんですよね。ローエンドがきちんと整えられて、スピーカーの性能を使い切る感じが素敵です。
測定箇所が12箇所から7箇所に。少なくなりました。
他のスピーカーをシュミレート出来る新機能「バーチャル・モニタリング」もいいですね。ずっとiPhoneのスピーカーで製作中の曲を鳴らせないかなって言ってたんですが、プリセットの「Multimedia Speakers」でそれっぽくなりますね。他のプリセットはカーステレオ、TV、クラブなど。自分でもカーブをいじれます。
読み込みが時々遅いんですけど、まあ許容範囲内でしょう。
あと、ミックスダウンの時に外さないといけないんですが、設定でわざとレベルオーバーさせることにより、プラグイン入れたままの書き出しを出来なくするという技を使ってミスを回避しております。
専用のマイクを耳の高さで天井に向けて、複数のポイントを測定します。慣れると30分もかからないです。
測定後、プラグインを最終段に挿します。
うちのセッティング。オレンジが修正前、白が修正後、緑が目標のカーブです。低音が大幅に補正され、フラットに近づいてます。ちなみにスピーカーはFOSTEX NF-01A。
サブモニターにしているSONYのPCスピーカーでやってみました。元がかなりグニャグニャなカーブなんですが、ほとんどフラットになってて凄い。
これね。
しかしスピーカーの限界はもちろん超えられないので、120Hzあたりから急激にロールオフしてますね。フラットになってるだけで解像度なども変わらない印象。やはりそれなりのスピーカーじゃないと効果は薄いですね。
バージョン2からの新機能。カーブを変える事ができます。これでカーブを追い込んでiPhoneやMBAのスピーカーっぽくしちゃおう。
ボリュームコントロール。スピーカーコントローラーっぽいですね。
ボリューム設定のコツはちょっとだけレベルオーバーするようにしておくこと。そうすると、ARCを外し忘れてミックスダウンした時にした時にレベルオーバーの表示が出るので、わかりやすいんですよね。あ、StudioOneの場合ですが。
こんなエラー出ます。
という感じで自宅をチューニングされたスタジオに近いレベルの環境にしてくれるプラグイン、かなり費用対効果は高いんじゃないでしょうか。めっちゃおすすめです。
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■前回のブログ
・【プラグイン】低音のモニター環境改善におすすめな音場補正ソフト Ik Multimedia ARC System レビュー