今回はホーンセクション音源『Chris Hein Horns Pro Complete』(クリスハイン・ホーンズ・プロ・コンプリート)について。アップデート前から10年くらい使っています。
Chris Hein Horn Vol.1、2、3、4と、Compactがセットになったものです。
評価★★★★☆
・ドライで元気な音
・ビブラートが機械的
・単品で買うならVol.2。Vol.1はおすすめしない。
・ロングノートの表情がない
・同音連打が弱い
・奏法が多い
・パラメーターが追い込める
クセがあるので、追い込んで使っていくタイプの音源です。
音
音は若干粗めで元気。それが生っぽく、かなり気に入っています。
ポップ、ビッグバンドのアレンジをするときにはなかなかハマってくれます。
パンッ、としたアタック感があり、テンポの早い曲向きですね。逆に、伸ばした時の表情付けが難しいです。
■ポップなバンドアレンジ
■ビッグバンドアレンジ
ビッグバンドのような、ホーンだけのアンサンブルだとあまりよくないですね。木管やストリングスと混ぜたほうが自然に鳴ります。
基本となるサステイン音色は、驚くほどに棒で、表情が全くありません。
なので、細かい表情付けが必須で、打ち込みに手間がかかってしまうのが若干難点です。
あと、ビブラートが機械的でほとんど使える音ではないので、ソロのロングトーンを聴かせるのは苦しいです。
トロンボーンのピッチが悪い、というか、不安定な感じがするので、セクションやソロで聴かせるのがつらい時があります。
奏法は充実していて、サステイン、レガート、スタッカート、クレッシェンド、シェイク、フォール、ランアップ・ダウン、しゃくり上げ、フラッター等が収録されています。
レガートはなかなかつながりがよく、自然です。フォールは2種類あり、かなり使い勝手がよいです。
スタッカートの同音連打は不自然になりがちなので避けたほうが無難です。
収録楽器
Vol.1 各ソロ
Vol.2 金管、木管セクション、ソロ
Vol.3 ミュートセクション、ソロ
Vol.4 追加楽器
最も使用頻度が高いのが、セクションとソロが一通り入っているVol.2です。セクションもAB、CDでディヴィジしてあり、人数感を手軽にコントロールできます。
Vol.2のソロは「トランペットA、B、C、D」のようにすべてのパートがソロで収録されているので、こだわりたいときは全部わけて打ち込むのもよいですね。
逆に、Vol.1は最も使いません。ソロの音もVol.2に入っている音のほうがよいからです。
■Vol.2に入っているソロで作った曲
Vol.3 はストレート、ハーマン、カップが収録されています。
Vol.4は各クラリネット、バスサックス、フリューゲルホーン、テューバ、チンバッソ、アルプホーン等が収録。
クラリネット、フルートも入っていますが、音が固く、あまりよくはないです。
奏法は多いですが。
コルネットが入っていないのがおしい。
Chris Hein Horns Compactも収録されていますが、機能が少なすぎるので、こちらもおすすめしません。
音色によってオクターブが違っていたりするので、そこは他の音源と違いますね。ただ、そのおかげでキースイッチは常に一定の位置なので、フレーズをコピペしやすいです。
パラメーターが追い込める
キースイッチごとに細かくパラメータが設定できたり、エフェクトがついていたりと、気持ちわるいくらい追い込めます。
僕はクレッシェンドのスピード(Time)をよくいじっています。
使いこなしのコツ
覚えておきたいこの2つ。
✔Velo X fade を使う
ロングトーンを普通に伸ばすと全く表情がなので、Velocityは「Velo X fade」を使い、常にエクスプレッションで曲に合ったダイナミクスを操作します。
✔キースイッチを使い倒す
スタッカートを打ち込みたいとき、短く切ったフォールやクレッシェンドを使ったほうが合う場面があったりします。音色名にこだわらない。
同音連打の不自然さも音色を切り替えることで回避できたりします。
おわりに
悪いところも結構多いですが、基本的には好きな音源です。でももうちょっと直ると嬉しい。
そういえば、「トロンボーンのピッチが悪い~」ってずっと言ってたんですが、マイクロチューニングがかかっていました…それでも若干わるいんですが。