今回はPerformance Samplesのオーケストラ系金管音源『Caspian』のレビュー。
要NI kontakt。
ざっくり 評価☆☆☆☆☆
・6つのフレンチホーン、3つのトランペット、3つのベーストロンボーンの3つのパッチ
・スタッカートを織り交ぜた元気なフレーズに強い
・キースイッチなし
・特殊奏法なし
・ラフスケッチに使いやすいし、完成までそのまま使える質
・単音のディティールは甘い
・クローズ、デッカ、ワイドの3つのマイクポジションを混ぜられる
全体的にシンプルで、追い込むのが早いし、質も高い。
手早くオーケストラアレンジを形にする必要がある僕には、かなり良い音源です。
この音源はキースイッチやパッチで音色を切り替えずに、1つのパッチのみで色々なニュアンスを実現する「オールインワン・パッチ・アプローチ」という考えを採用しています。
そもそも以前の音源は、1つの音色で色々なニュアンスを再現していたんですが、それだとスタッカートのキレや強弱のニュアンスが表現できなかったんですよね。
それを表現するため、最近はどんどん奏法が細分化して、スタッカートでも音色が数種類あったりということになっています。
そうなってくると、打ち込みにめちゃくちゃ時間がかかるようにもなってくる。
逆に、それがこの音源では原点回帰して、パッチは1つのみになっています。CCもモジュレーションのみ。
単体で聴くとすこしニュアンスが甘い感じはしますが、トータルのまとまりはとってもいい。
音価の長さに応じてリリースの長さも変わるようになっていて、それがポイントみたいですね。
モデリング系の音源ってスタッカートの区別がないんですが、それを取り入れてサンプリング系を再定義したのかなとも思います。
公式デモ
僕も作ってみました。
こういった感じの、少しスタッカートが入る元気な曲にはすごく合います。
試しに同じフレーズをEastwestの「Hollywood Brass」でやろうとしたら、スタッカートとサステインの吹き方が違うからニュアンスがチグハグになるんですよね。
ただ、アタックがくっきりしているので、背景的で薄く入れるようなフレーズは苦手です。
特殊奏法もないんですが、金管の特殊奏法ってそんなに使わないですよね。そのぶん安い感じがあるので助かります。
おわりに
シンプルで実用的な音源ですね。このメーカーのファンになってしまいました。他の製品も買ってみようかなと思います。
Logicだと不具合があるため『VIENNA ENSEMBLE PRO 6』が必須になるようです。