作曲家が自動作曲ソフトを使うのはあたりまえになる。

その他

僕はなるべく早いうちに自動作曲を取り入れていきたいと思っています。

自動作曲を使うことはあたりまえになる

そのうち、自動作曲を作曲作業に組み込んでいくのはあたりまえになっていくはずです。

今もよく使われている、サンプルやプリセットの延長のようなイメージ。すでにAvengerやThe Orchestraなど、一歩踏み込んだプリセットも出てきています。

ある程度のシチュエーションであればパターンが決まっていて、人間がゼロから考える必要がない場面があるのも確か。

そういう時は自動作曲をアイデア出しに使うということになってくるはずです。

自動作曲を組み込んだワークフローの見直しをする

今、僕が作曲をするときは、最初から最終的に使う音色で、最終的に使うフレーズ、ボイシングで打ち込み、ミックスを平行してやり、最後まで仕上げます、楽譜も書きません。

完成系が頭で想像できているので、下書きなしで色を塗っていく、みたいなことをしているんですね。作業時間は短いと思います。

それを一旦分解し、そのワークフローに自動作曲を組み込んでみようと思っています。

おそらく、作業スピードは一時的に落ちる。

なぜわざわざそんなことをするのかというと、つぎの世代の音楽制作はそのほうが早く、質も高められると思っているから。

例えば、現在において、パソコンを使わないで作曲をしている人と使っている人の差って、徒歩と自動車くらい開いてきている。

パソコンの操作を覚えるにはある程度の時間的なコストがかかるが、覚えると圧倒的に早く、質の高いものが作りやすい。ということが自動作曲でもおこるのかなと。

実際のところ、自動作曲をプレオーダーしてから思考自体が変わりました。

テレビなどの音楽を聴いて、「ここまでは自動で作れるな」のような分解のしかたになりましたね。

人間がやること

自動着色をみるとわかりやすいけれど、自動作曲も同じように、フワッとしたものしか作れない。今のところ。

ディティールを詰めていくというのが人間の仕事になってきます。

あとは、方向性を提示するということ。

また、理論を何も知らずに使うよりも、google翻訳された英語と同じで、どういう構造になっているのかを把握し、ブラッシュアップする力もあるとよりいい。

・編曲家
・選曲家
・デザイナー
・エンジニア
・ディレクター
・プロデューサー
・オーケストレーター
・演奏家

など、作曲家以外の役割も重要になってくる。

最近、ハイクオリティな自動作曲が出てきていますが、編曲やミックスは人間がやっています。

■ビートルズ風のポップソング

職業作曲家用の自動作曲ソフトはどうあるべきか

・素材であること
・コントロール可能なこと

今までも自動作曲というものはたくさん出てきていたんですが、この2つを満たしていて、職業作曲家がツールとして使えるものはほとんどなかった。

2018年4月2日発売の自動作曲ソフト「Orb Composer」は既存のDAWと連携し、MIDIに対応していて、手を加えられるようになっている点がこれまでのものとは大きく違っている。

ただ、日本っぽい歌モノとか、メロディが主体の曲調は弱いだろうなとは思っています。

日本のメーカーも出していたりしますが、こちらは操作が難しいらしい。

Band-in-a-Box は有名ですね。ジャズに強いイメージ。

自動作曲の弱点は間違いがないこと

鍵盤で曲を作っていると、弾き間違えたりして、そこからおもしろい音が出たりするんですが、自動作曲はそういった予定外の音は出てきづらくなる。

☆Taku Takahashiさんも言っていますね。

■m-floの☆Taku Takahashiが語る、人工知能が音楽にもたらすものとは?:人間らしさって、「間違える」こと

といっても、自動作曲ならではの、別の種類の「間違い」の活用も出てくると思っていて、

例えば、ゲームの物理演算が変な挙動をして、それが人間の作る笑いよりもおもしろかったりする。

そういうふうに、新しい表現が出てくる可能性もある。

精度が高いほどきれいな音になるので、サンプラーのE-MUのSP-1200みたいに、古い自動作曲のほうが味があるからこっちを使う、みたいなことになってくるかもしれない。

おわりに

作曲家のための自動作曲ソフト「Orb Composer」をプレオーダーしてみたんですが、おそらく、僕が期待したものではないとは思います。

なので発売前に、こうだったらいいな、みたいなことを書いてみました。では。

■ORB COMPOSER: Artificial intelligence for music composers