iZotopeの『Ozone 8』と『Neutron 2』、略して「O8N2」を入手しました。
・Neutron 2は、自動でプリセットの適用と、パラメーターの調整をやってくれる「トラックアシスタント」機能付きの複合エフェクトプラグイン。
・Ozone 8は、マスタートラック用複合エフェクトプラグインで、今回のアップデートでプリセットの適用と、パラメーターの調整をやってくれる「マスターアシスタント」機能と、リファレンスの読み込みが追加されました。
アップデート価値が高いのはOzone 8
Neutron 2とOzone 8、旧版をもっていて両方のアップデートを考えている方のための感想としては、
Ozone 8はアップグレード推奨で、Neutronを持っている人は3まで待ってもいいかもしれない。という感じです。
Ozone 8のマスターアシスタント、リファレンス読み込みは強力で、かなり価値があります。
Neutronはアプデ感を出していますが、そんなに変わってないです。旧版でも十分かなと。
また、それぞれ歩み寄ってはいるものの、まだ完全統合という感じではないですね。
僕はRX6も欲しかったので、Music Production Suiteにアップグレードしました。
では、それぞれレビューします。
Neutron 2
何が変わったのか
・ビジュアルミキサー (Visual Mixer)追加
・トーナルバランスコントロール (Tonal Balance Control)追加
・ミックスタップ (MIX TAP)追加
・ゲートスロット追加
・UIの変更
・トラックアシスタントのやり方の変更
音そのものはほぼ変わっておらず、見た目の変更と、いくつかの機能やプラグインが追加されただけです。
ゲートや位相反転スイッチも追加されていて「1つのトラックにNeutronだけを挿せば全部できる」というのを目指しているのかなという感じ。
負荷は高めなので、ある程度挿すトラックを選ばないといけないんですが。
ビジュアルミキサー、トーナルバランスコントロールともに別プラグインとして付属します。この2つのプラグインで操作したパラメーターは各プラグインに反映されます。
この2つは手動でいじっていくことになるんですが、ここも自動化が入るとさらに面白くなりそうだなと思いました。
ビジュアルミキサー (Visual Mixer)
Neutron 2を挿した各トラックのバランスを視覚的に変更できるプラグイン。
変更できるのはボリュームとパンだけです。リセットボタンは欲しいです。
今の時点で使えるかどうかはかなり微妙なところで、とりあえず出してみた、という感は強いですね。
直接音は通らず、どのスロットに挿しても動作するようです。マスターに挿しておいた方がわかりやすいですが。
トーナルバランスコントロール (Tonal Balance Control)
OzoneとNeutron、両方のEQを直接いじることができるプラグインです。マスターの最終スロットに挿して使います。
画面にはターゲットが表示され、そのターゲットに合わせて各プラグインのEQを直接いじって理想に近づける、という使い方です。
ターゲットはプリセット以外にも、既存のオーディオファイルを読み込むこともできます。
このプラグイン自体にマスキングメーターやアシスタント機能がつくとよいなと思ったんですが、それは次回に期待です。
ミックスタップ (MIX TAP )
Neutronのフェーダーだけを取り出したプラグインです。位相反転やローカットのスイッチもあります。
このプラグインを挿したトラックはNeutronを挿してなくてもビジュアルミキサーに読み込まれます。負荷がほぼ0なのがうれしい。
アドバンスだけに付属しています。
アシスタントのやり方が変わった
従来のオート以外にも、ボーカル、ピアノ、ベース、ギター、パーカッション、その他を指定することができるようになりました。
今までは音とプリセットが一致しないことも多かったので助かります。
相変わらずコンプレッサーが深めにかかるのでハラハラしますが。
ゲートエフェクト追加
スロットが一つ増えて、そのぶんゲートが追加されています。なんと3バンドです。
効き具合が見えるのがいいですね。
Ozone 8
何が変わったのか
・マスターアシスタント(MASTER ASSISTANT)追加
・トーナルバランスコントロール(Tonal Balance Control)追加
・スペクトルシェイパー(SPECTRAL SHAPER)追加
・トラックリファレンシング( TRACK REFERENCING)追加
ビジュアルはNeutronに寄りましたね。お互い操作感が変わらなくてよい感じです。
あとはなんといってもアシスタント機能の追加。このためだけにアップデートしてもいいと思います。
マスターアシスタント(MASTER ASSISTANT)
要するに「自動マスタリング機能」です。
ストリーミング向けか、CD向けか、読み込んだリファレンスに合わせるのか、音圧も3段階で選べます。
数曲で試してみたんですが、めちゃくちゃいいです。
デモにも使えるし、提案されたパラメータを追い込むことで早く目的のサウンドにたどり着けそうです。
トラックリファレンシング( TRACK REFERENCING)
リファレンス(参照)となる楽曲のファイルを読み込んでマスターアシスタント機能を使うと、楽曲の音圧やバランスをそれに寄せて処理してくれます。
画像のように、自動で展開が切り分けられ、どこを参照するのか指定できます。
試してみたんですが、笑っちゃうくらいリファレンスに似たサウンドになりました。
スペクトルシェイパー(SPECTRAL SHAPER)
問題となる耳障りな周波数の平滑化をするプラグイン、らしい。
説明を読んでいると、以前紹介したsootheのような感じでしょうか。
■ディエッサーの上位互換かもしれない。周波数追従型のカット専用ダイナミックEQ『soothe』レビュー
細かく効くディエッサー、のような。
おわりに
Neutronまわりは色々と追加プラグインが増えて、ちょっと複雑になりすぎてしまった印象を受けました。
おそらく、次回のバージョンではもうちょっとシンプルになり、さらにOzoneとNeutronの連携は強まるはず。
まだ融合したばかりなので、発展途上という感じを強く受けました。
改めて、Ozone 8は買いで、Neutronを持っている人は3まで待ってもいいかもしれない。という感じでした。では。
■OZONE 8 Standard – RockoN Line eStore
■Neutron 2 Standard – RockoN Line eStore
本家サイトだと、自分がどのアップグレードをしたらいいか表示されるのでわかりやすい。