トラックを解析し自動で適切なコンプとEQをかけてくれるプラグインエフェクト、iZotope『Neutron 3』(ニュートロン)のレビューです。
Neutronについては、以前こう書きました。
今までは、プラグインエフェクトという「モノ」を買っていたので、いくら質がよいコンプレッサーであっても、「このトラックにはどれくらいのアタック、リリース、レシオで、どれくらいのスレッショルドが適切なのか」を判断するスキルがなければ使いこなせなかった。 ニュートロンは「このトラックにはこういうエフェクトの使い方をするのがよさそうですよ」というスキルを提供してくれる。それが、確実にミックスの質を底上げしてくれるのです。
■トラックを解析し自動で適切なコンプとEQをかけてくれるプラグインエフェクト「Neutron」でミキシング2.0の時代がはじまる
今回3になって、大きく進化しました。
ざっくり
・音の存在感を調節する新モジュール『Sculptor』
・自動ミックス機能『Mix Assistant』
・1、2とは音が全く違う
・王道アレンジに効く
Neutronは王道のバンド、クラシック、EDMアレンジを追い込むのに向いてます。
2からの大きなアップデートは2つ。『Sculptor』と『Mix Assistant』。この2つを主にレビューします。
Sculptor
新しく追加されたモジュール『Sculptor』。他のエフェクトと並行して使用されます。
オートEQとして話題になったSoundtheory「Gullfoss」の各トラック版。
と考えるとわかりやすい。
それぞれの楽器に最適なオートEQがかかります。
これはすばらしい。さらに1歩先をいったな、という感じがあります。
ただ、トラックによってはノイズが上がってくるので気を付けたい。
サウンドも1、2とは大きく違う。
それぞれのバージョンをベースのトラックにかけたものがこちら↓。
Neutron 1
Neutron 2
Neutron 3
1、2はコンプレッサーで激しく叩く感じがあったんですが、
3は『Sculptor』で一旦整えてから各処理をする感じで、1、2よりもコンプのかかりがゆるいです。
3の音は重心が低く、安定感があります。GUIも見やすくなっている。
前回、2のレビューで
「Neutronを持っている人は3まで待ってもいいかもしれない」と書いたんですが、まさに3は2をスルーして正解、みたいな大幅アップデート。
自動ミキシング機能『Mix Assistant』
自動で各トラックの音量バランスを整えてくれる機能『Mix Assistant』。
各トラックにNeutronか、Releyという解析用のプラグインを挟み、NeutronかVisual Mixerで処理をすると自動で音量を整えます。
使ってみると、精度が高く、おもしろい。「あ、このくらいのバランスでいいんだ」みたいな気づきもある。
しかし、ぶっちゃけ各トラックにエフェクトを挟むのがめんどくさいうえに、音量がトラックのフェーダーじゃないところでコントロールされているのが混乱しますね。
悩んだ時に使うといいかな、という感じ。
その他
CPU負荷が低くなった、という話ですが、うちはどのバージョンも変わらないです。
あと、プラグイン画面のサイズ変更も可能になっているようです。
おわりに
今の時点で他のメーカーよりも先進的なプラグインなんだけれども、ここからまだまだアップデートの余地があると感じます。
将来性込みで楽しむプラグイン、という感じですね。新しもの好きにおすすめ。
Ozoneの次期バージョンでどう連携してくるのかも気になります。
こんな情報もあり、楽しみです。
「iZotopeの開発者の方にこの方法は少々面倒ではとぶっちゃけた質問をしたところ、将来はDAW側と連携してDAWのフェーダー、パンなどを直接制御できるよう検討しているそうですが、それには各種DAWメーカーの共同開発が必要となり容易には実現できないため、今のところは全てのDAWで使用できることを優先してこのような形をとっているとのことでした。」
■iZotope Neutron 3 最速製品レビュー!「ミキシングは、新しい時代へ!」 by PD安田
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■Neutron 3 Advanced | Rock On Line eStore
■Neutron 3 Standard | Rock On Line eStore
■Neutron 3 Elements | Rock On Line eStore
1、2アドバンスから3アドバンスへのアップデートはこちら
Neutron 3 ADV UPG from Neutron 1-2 ADV | Rock On Line eStore
他にもクロスグレードやバンドルなどがあります