
先日、LINEのClova搭載スマートスピーカー『WAVE』の先行体験版のレビューを書きました。
■スマートスピーカーは音楽の聴き方を変えるか。LINE『WAVE』先行体験版レビュー。
そこでサウンドがよくないと書いています。音のみのデバイスなのに、肝心の音がだめ、というのはほんとうにダメだと思うんですよね。
まだ先行体験版ということでテキトーなのかもしれませんが、僕も批判しているだけにしたくないので、修正案を出してみたいと思います。
サウンドの役割とは
まずはおさらい。
サウンドをつける時は
・状況を知らせる
・気持ちをコントロールする
・単純に聴いていて気持ちがいい
おおざっぱにこの3つを常に意識しなければいけません。
WAVEにはその基本ルールから逸脱しているものがいくつかあります。
WAVEを探すときの音

一番最初にスマホがWAVEを探し、Wifiを設定するときの音。シンセベルのアルペジオです。
ナレーションに対して音量も大きく、テンポが早いサウンドによってパスワードの入力に集中できず、せかされているような気持ちになりイライラします。
最初の部分なのに印象が悪いんですよね。
ここは、パッドのようなフワッとした、ゆっくりなサウンドでせかさない。
これからの体験を想像させる、期待感のある明るいハーモニー、音色にしたい。
こんな感じ。これよりもうちょっとふわっとさせたい。
意識がいかないようにあまり目立たせない。時間経過を感じさせないよう、決まったリズムや進行感のあるハーモニーを使わない。
かつ、はしゃぎすぎない、落ち着いたあかるめのサウンドで気分をコントロールする。というところを意識しています。
そもそも、BGM的な音が必要なのかどうか、というところから考え直してもいいかもしれません。
アラーム、タイマーの音

アラームやタイマーはなぜか琉球風のメロディのアルペジオ。
これはほんとうに適当につけたとしか思えない。
アラームやタイマーは、日常を中断し、ユーザーにはっきりと意識させるものでなければならない。
日常に溶け込むような「BGM」ではダメなんですよね。
炊飯器でお米が炊けた時のようなどうでもいいメロディを流すくらいなら、
『ピピピ、ピピピ』という平凡なアラーム音のほうが100倍ましです。
ピピピ、ピピピという規則的なデジタル音は、非日常をはっきりと意識させてくれます。
そもそも、WAVEはアラームやタイマーとして使われることをあまり想定してないのかもしれない。
物理ボタン

音量を上げるボタンと下げるボタンの音が同じ。
おまけに、ボタンを押してから鳴るまでにラグがあり、音もブツブツ途切れるので気持ちよさもありません。
ボタン自体も視覚的にわかりにくいのに、サウンドも今何をしているのかを知らせていない。
音量を上げる時と下げる時で音を変えるべきです。
音程を変更するだけで効果的なはず。
こんな感じ。
音のバリエーションが少ないのは本体の容量を節約するためでしょうか。そこまでシビアな容量じゃないと思うんですが…
水滴音

ショートカットを実行するボタンの音が水が落ちたようなサウンド。
WAVE(波)だからということで水の音だと思うんですが、他のサウンドとの整合性がとれていない感じがして違和感があります。
BGM系の音はベルっぽいシンセが中心なので。
それをやるんだったら、BGMも波感をもっと出したほうがおもしろいんじゃないかなーと。
他の名前の製品ラインナップが出たときにサウンドを流用できなくなっちゃいますが。
おわりに
WAVEに限らず、家電のサウンドってテキトーですよね。
やはり、サウンドデザインはゲームが一番進んでいるなと思います。特に任天堂のものはシンプルで最大限の効果を出していてすばらしい。
「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」はサウンドデザインが圧倒的です。