音声AI「Clova」(クローバ)を搭載したLINEのスマートスピーカー『WAVE』の先行予約版が届きました。
先行体験版では、音楽と、タイマー、アラーム、日付や曜日、天気などを教えてくれる等、正規版とくらべ、すこしの機能だけしか使えません。
スマートスピーカーでもっと音楽が聴かれるようになる
スマートスピーカーとは
「ネットへの接続と音声操作のアシスタント機能を持つスピーカー」です。
今まで日本語に対応したものはなかったんですが、最初にこの『WAVE』がやってきました。Google、Amazonのものも2017年に発売される予定のようです。
僕はスマートスピーカーってものすごく普及すると思っていて、かつ、音楽がもっと聴かれるようになると思っています。
ラジカセやコンポって、昔はほとんどすべての家庭にあったと思うんですが、現在はかなり減ってきていると思うんですよね。その入れ替わりでスマートスピーカーが入ってくるイメージ。
このスマートスピーカーが一家に一台ある、という時代が来ても全くおかしくない。
ラジカセやコンポと違うところは色々あるんですが、常時スタンバイしているというのが特に大きいんじゃないかなと思ってます。
電源を入れたり、CDやカセットなどのメディアを入れるという手間もなく、思いついたときに話しかけるだけで音楽が聴ける。その手軽さ。
これによって、音楽が聴かれる総量そのものが多くなるんじゃないかなと。
しかも、音楽はストリーミングなので、このスピーカーで音楽を聴かれるたびにアーティストにお金が入るんですよね。スマートスピーカーの普及はミュージシャンにとってもいい事しかありません。
音楽再生機器としての『WAVE』
というわけでまずは音楽再生機器としての『WAVE』のレビューをしていきます。
LINE MUSIC 4,000万曲を聴ける
『WAVE』はネットを使ってLINE MUSIC 4,000万曲を聴くことができます。その場合、月額での契約が必要になります。
携帯ですでに契約しているならそのアカウントで使えます。ただ、他の端末と同時には使えません。
おちついた音質
スピーカーは20Wウーファー×1、ツイーター×2。
音質はまろやかめでおちついた印象。どんな曲を聴いてもリラックスしたような雰囲気になりますね。ウーファーのおかげでベースラインもよく聴こえます。
解像度はそこまでは高くないです。コンポの音を思い出します。
Bluetooth接続のスピーカーとしてスマホなどの音声をWAVEで流すこともできます。といっても、めちゃくちゃ音がいいわけではないので、あまりそういう使い方はしないんじゃないかなとは思います。
音声コマンド
音声コマンドを色々試してみました。
×早いor遅い音楽をかけて
〇静かな音楽をかけて
〇ジャズをかけて
〇ドラムンベースをかけて
×ダブステップをかけて
×マイプレイリスト、マイアーティスト等
まだ対応コマンドは少なそうです。
プレイリストは現在「SONGS TOP 10」「NEW SONGS」しかないようです。今後、他のプレイリストなどに対応するみたいです。ジャンルも限定的な対応になっているみたいですね。
また、「ポップを再生して」のようなコマンドだと、TOP 100が1位から順番に再生されるようになっているみたいです。
アーティスト名や曲名だとうまく認識されないこともありますが、
スマートスピーカーだと、特定の曲を流すよりも「静かな曲を流して」のような、雑な注文のほうがハマる感じがあります。
その点は、普段音楽を聴かない層が使うにはよさそうだなと感じました。
曲名も教えてくれる
やるやん pic.twitter.com/GeidxpbsuO
— こおろぎ (@Kohrogi34) 2017年8月27日
まだ未熟な感じはありますが、十分使えます。今後、聴き取りの精度やコマンドもアップデートされるし、リコメンドの精度も上がってくるようです。
ミュージシャンは「スマートスピーカーが聴き取りやすい曲名」を考えないといけない時代が来るかもしれないですね。
効果音等がいまいち
アラームや設定の時のサウンドがいまいちな感じはします。
こういう機器にありがちな安っぽいサウンドと言ったらわかりやすいでしょうか。シチュエーションを考えず、なんとなくつけられているだけのような。
そういうセオリーのようなものがあるんでしょうか。
上部のボタンを押した時の水滴のようなサウンドは好きですが。
※追記 こんなのを書いてみました。
■LINEのスマートスピーカー『WAVE』のサウンドデザインがよくないので作り直してみた
音楽の操作
本体の上の部分には、再生ボタンとボリュームの+-ボタンがあります。
パッと見でわかりにくいのと、物理的に感触がないので若干操作しづらいです。
アプリや音声操作でも音量を設定できますが、
基本的には音量は固定で使ったほうがよさそうですね。
『WAVE』その他
ざっくりいきます。
・重量 約1kg、高さ 約20cm
・セットアップが簡単
・アップデートが自動
・応答のタイミングが遅い
・タイマーが認識しづらい
・問題報告フォームの複雑さがゴミ
セットアップは、アプリを入れてWifiのパスワードを打ち込むだけです。アップデートも自動。パソコンは必要ありません。詳細の設定もアプリから。LINEアカウントが必要。
アプリはすっきりしていてわかりやすい。
基本はつけたり消したりせず、常時つけっぱなしで使うことになると思います。
「OK、グーグル」の代わりが「クローバ」ですね。毎回「クローバ」と呼び掛けて、緑色のランプがついてから「明日の天気は?」という風に用件を言います。
応答については遅いです。できたかどうか不安になる遅さ。
「クローバ」しか反応しないはずなんですが、それ以外の言葉に反応してしまうことも時々あります。
例えば「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」のマップを開く音。全然違うんですが。
ゼルダのマップを開くたびにWAVEが反応してしまう。 #clova #WAVE pic.twitter.com/AI2mrL2rxy
— こおろぎ (@Kohrogi34) 2017年9月6日
タイマーも認識しづらいです。アラームは大丈夫なんですけど。「タイマー」というと、たぶん「タイマン」だと思われて「暴力はいけません」とたしなめられます。
タイマーをかけようとすると、たぶん「タイマン」だと思われてしまう。 pic.twitter.com/cbMv3oH0EI
— こおろぎ (@Kohrogi34) 2017年8月29日
ここら辺はアプデに期待。
どういう言葉に反応できるかというのを確かめていくのも、スマートスピーカーの楽しみではありますね。
問題報告フォームの複雑さがゴミ
最初自動アップデートされずにWAVEが一切反応しなかったのでお問い合わせをしてみようかなと思ったんですが、
「問題報告フォーム」の入力欄が多すぎるし、自動で取得できるような情報も手動で入力しないといけないし、どう考えても送らせる気がない。
この倍以上の情報を入力しないといけない。
ここだけは擁護できないです。
おわりに
WAVEはまだ使える範囲は狭いんですが、これから相当期待できる製品だなと思います。
実際に使ってみて、やっぱりスマートスピーカーはめちゃくちゃ普及するポテンシャルがあるなと改めて感じました。
手で操作する必要がないからスマホより簡単だし、新しく覚えることもほとんどない。たぶんうちの親でも使えると思う。
料理中などの手が離せないときにタイマーとして使う、みたいな実際に使われているシチュエーションもすぐ思い浮かぶんですよね。
真っ暗な時に使えるのもいいですね。寝れない時にスマホを見ずに時間を確かめたり、ということもできる。
僕自身、すでにアラームやタイマーとして普通に使っています。
しかもわりと安い。今から出るものはどれも1万5千円くらいなんですよね。Amazonはもっと下げてくる可能性もあるし。親へのプレゼントとして買う人も多そう。
というわけで、ミュージシャンはスマートスピーカーを一台くらい持っておいてもいいんじゃないのかなと思います!
WAVE、高齢者も使えそうなプロダクトだと思うんだけど、致命的な欠点がある。高齢者は呼びかける名前を忘れちゃうかもしれないということ。そこで、パーフェクトな修正案をご用意しましたのでご精査ください。 #clova #WAVE pic.twitter.com/2ZhFmRhipN
— こおろぎ (@Kohrogi34) 2017年9月2日