口笛を生っぽく打ち込むための方法まとめ

テクニック

今回は生っぽい口笛の打ち込み方法について。

最近はCMでよく使われている印象があります。爽やかな雰囲気、清潔感、人間味が出せる音色ですね。

1960年~のマカロニ・ウエスタンにもよく登場しました。

打ち込み難易度 ☆☆ やや難しい

ポイント

・常に少しピッチを揺らす
・口笛同士を重ねて厚みを出す
・違う楽器と重ねる
・速い、複雑なフレージングを避ける
・ビブラートやしゃくり上げを使ってニュアンスをつける

フレーズはシンプルになりやすいですが、ナチュラルな曲調で使う場面が多く、ごまかしがききづらいので、生っぽく聴かせるのがやや難しいです。

ピッチの揺らし方も、少しでも変だとすぐ機械っぽくなってしまうので注意が必要ですね。

口笛とは

mouth

呼気を口から吐き出す際につぼめた唇などの口腔の器官に強く息の空気の束を当てることにより乱気流を発生させ、空気の振動、すなわちノイズを発生させる。原理はフルートの発音原理と同じであり、エアーリードの一種である。

音域は高く、B4~B7周辺

– 口笛 | Wikipedia 

打ち込んでみました。

こちらの曲を使って解説します。

音色

ごまかしが効かないので、なるべくよい音色を使いたいです。といってもあまり選択肢はないのですが。

僕はT.D. Samplesの『The Little Whistler』をよく使っています。

■The Little Whistler | T.D. Samples

オーケストラ音源で有名なVIENNAのものもあります。

■Vienna Whistler | Vienna

倍音が少なく、ピーキーな音なので音作りが若干難しいです。また、オケに対してのボリュームが大きいと歪みやすくなります。

常に少しピッチを揺らす

音源だとピッチが合いすぎているので、ピッチベンドでゆるやかに、常にピッチを揺らすようにすると人間味が出ます。

こんな感じ。

口笛1

これをやっておくと、同じ音を重ねた時、コーラス効果の厚みも出ます。また、重ねるトラックは別のピッチ曲線を使います。

口笛同士を重ねて厚みを出す

重ねると、厚みと柔らかさが出てよい結果になることが多いです。

同じタイミングだとフランジングが起こってしまうので、片方を20msほど遅らせましょう。

また、重ねすぎてしまうと、芯がぼやけ、ピークが強調され、人工的な音に聴こえる場合もあります。

作った曲では、同じ音源2つを同じ音量で混ぜています。複数の音源を混ぜるのもよさそうです。

違う楽器と重ねる

マリンバやピアノなど、アタックがある楽器を重ねると、アタックを補完してよく響きます。

重ねる音が派手すぎるとかき消されるので注意。

作った曲ではマリンバの他、トランペットとも重ねています。

速い、複雑なフレージングを避ける

現実的ではない、速い、または複雑なフレージングは避けたほうがよいです。

また、そういったフレーズに重ねる時はある程度間引きます。

黄=トランペット、赤=口笛
口笛2

4番目のFの音を抜いてもよかったですね。

ここらへんは、不自然に感じなければ神経質にならなくてもよいのかなとは思います。

ビブラートやしゃくり上げを使ってニュアンスをつける

ピッチを揺らすビブラート、下の音程からのしゃくり上げなどを使ってニュアンスをつけられます。

2つともやり過ぎると嘘っぽくなるので、丁寧に打ち込みましょう。

ロングトーンの時は切れ際などでボリュームを書くのもよいかなと思います。

おわりに

僕も含め、自分で吹けない方は多いと思うので、打ち込みでなんとか頑張りましょう。

口笛音源『Whistler』と『The Little Whistler』を同時レビュー【デモあり】