『1つ3000円のガトーショコラが飛ぶように売れるワケ 4倍値上げしても売れる仕組みの作り方 』に、個人事業主としてやっていくうえでの色々なヒントがありました。
こういった本は、読みながら自分に当てはめて考えてみる、すぐ行動に移してみる、ということが大事。
というわけで、本を読んで色々考えてみました。
スペシャリテ
この本を読んで特に感じたのは”スペシャリテ”の重要性。
スペシャリテとは、レストランの看板料理のこと。
この看板料理をどう作っていくか。
1品で勝負する
著者、氏家 健治さんの経営するケンズカフェ東京が扱う商品は「3000円のガトーショコラ」1つだけ。
特化したほうが、そのことばかり考え、そればかり作るようになるので、質も上がりやすいし、頼む側もわかりやすい。
他の職業でもそうですが、音楽業界でも、1つの分野に特化して突き抜けたほうがよいですね。
今日、東京駅で業務用音楽を制作している会社の社長さんとお話ししてきたのですが、印象に残ったこととしては、1曲70〜80点で仕上げてくる様々なジャンルがかける作家さんより、1つのジャンルで90点以上だす100点だす人のが選ばれる傾向にあるということです。最近の流行りかもしれません。
— Mogu (@mogumogy) August 24, 2017
ただ、1品で勝負するには圧倒的な質が必要。
1品ビジネスを成功させるには、その商品が他にはないダントツの魅力を持つスペシャリテ(看板商品)である必要があります
スペシャリテは祭り立ててはじめて勝負できる
僕はわりとなんでもできてしまうし、これだ!と集中して取り組んでいるものもないんですよね。
1つに絞ったほうが強いということはわかっているんですが、今までできなかった。
しかし、ヒントになったのはこの言葉。
スペシャリテは祭りたててはじめて勝負できるという側面もあります。
たとえば、ある居酒屋で、来店する多くのお客様がから揚げを注文する人気メニューになっていたとしましょう。
そうなればメニューに「ご来店なさるお客様の9割以上が注文してくださる鉄板メニュー。500円でボリューム満点の一品です」と書き添えるだけでも、ぐっとスペシャリテ感が出てきます。
色々なメニューの中から、人気のあるものを祭りたてればいいということ。
僕がよく頼まれる、という点から考えるとストリングスアレンジかな。
と思うんですが、これは編曲家のほうの、ミュージシャン向けのメニューですね。
映像やゲームを作っている、BGM等のインストを頼みたい人にはピンとこないはず。
僕は編曲家と、インスト作曲家の2店舗持っているようなものなので、インスト作曲家としてのスペシャリテも持っておきたい。
実はそっちのほうももう考えてあって、準備中です。
そうなると大切になってくるのが、やはり商品力。スペシャリテは必ずしも高い材料を使ったり、手間をかけたりする必要はないのですが、わかりやすい上質感が必要です。
スペシャリテを決めたら、コピーで上質感を出す。
メニューは少なく
「あれもあります、これもあります」と軸をブラさず、シンプルに1本勝負で行ったほうが明快
メニューは数を絞り、わかりやすく。
表には少なく出しておいて、ヒアリングの中で「こんなこともできますよ」ということを提案していく。
また、これからは完全に請けない仕事をどんどん決めていこうと思います。
今のところ、楽器演奏単体、ミックスダウン単体、コピー、楽譜制作、ライブのサポートは請けないことにしました。
現物がある商売とデータの商売の違い
1品だけで、価格帯も1つしかない理由が書かれているのですが、
商品の箱の置き場所の問題や、廃棄ロスなど、物理的な理由なんですよね。
DTMの場合は在庫がないし、廃棄ロスもないし取り違えのミスもない、箱や材料などの物理的な制限もない。
言われればあれもあるよこれもあるよ、という。商品数を無限に持つことができる。
デジタル商品ならではの、ロングテールで商売できる。
しかし、やはり”スペシャリテ”である、大きいヘッドが必要です。
おわりに
ガトーショコラは、最初は1つだけではなかったし、高くもなかった。
それがだんだんブランド化していく過程が書いてあり、面白かったし、参考になりました。
ガトーショコラ1本にしたとサラッと書かれてますが、本場で勉強したシェフなのに、ガトーショコラ以外の料理を切る、ということは相当勇気のいる決断だったんじゃないでしょうか。
ぶつかっているなら勇気をもって確変の一歩を踏み出さないと、何もはじまりませんし、なにも変わりません。
走りながら頭をフル回転させて考えて、走りながら修正する人だけが、チャンスをものにして”化ける”ことができる。
うーんいい言葉。ではでは。