今回は箏(琴)、低音琴、三味線、3つの音色が入っているKONTAKT用ソフトウェア音源、IMPACT SOUNDWORKSの『Koto Nation』のレビュー。
評価 ★★★★☆
・使いやすく高音質
・音が硬め
・奏法が多い
・FXパッチは期待しなくていい
満足度が高い音源。トレモロの音が弱いところくらいしか弱点がないです。
公式の映像。
音質
3つとも、音質はクリアでカラッとしつつ、モチっとした感じもあり、さらにはすこしザラッとした感じが生々しく、粒立ちもよく、オケに混ぜた時の抜けもよいです。
ちょっと硬い感じもありますね。ゆったりとした曲を作る時は、耳につくサウンドにならないようプラグイン等で処理したい。
収録、パッチングも丁寧にしてある印象で、非常に使いやすい。
クローズとルームのパッチがありますが、ルームはナチュラルな音で使いやすそう。
箏(琴)の奏法
文字だけだとわかりにくいものがあるので補足します。
Atonal Glissando
無調のグリッサンド。普段弾く側とは逆の弦をグリッサンドしたような、チューニングが合ってない音。
Hard Pluck
バズ音が大きく、音程感があまりない音色。ちょっと間抜けな感じもする音ですね。
Harmonics
ハーモニクスですね。わりと明瞭な音で使いやすそうです。
通常、琴ではほとんど使わないので、使いどころはハープを参考にするとよさそう。
Hits
ボディを叩く音。ギター的に使っていくとよさそうです。
Mordents
音を下げて戻すピッチベンド。押し手。モジュレーションで早さを変えられます。
Phrases
フレーズ。単純でバリエーションがほとんどないので、期待しない方がよいです。
Pizzicato
指弾きですね。柔らかい音で、琴っぽさは保ちつつ、ハープっぽいニュアンスになります。
Scrapes
弦をこすった、スクラッチ音ですね。必殺仕事人みたいな音。
Tremolo
なぜかトレモロだけ音が弱いので、トレモロを多用する人は少し考えたほうがいいかもしれないです。
弾き方自体が弱いので、フィルでよく聴かれる、トレモロからのグリッサンドがいい感じになりません。
低音琴
十七絃箏。
音域はC0~G2と結構低いです。低音域で重ねても濁りが少なく、使い勝手がよさそうです。
Mutes
ブリッジミュートの音です。思いのほかリリースが長く、響きます。
Slides
下の音程からしゃくり上げる音。
Wood Hitsは箏のHitsと同じ奏法。
三味線
奏法はピッチベンドとサステインのみ。
bendはサンプル数が少なく、ちょっと不自然に聴こえる音程もあります。
FX
エフェクト等の処理がしてあるFXパッチ。
リバーブやローファイ、グラニュラーシンセンスの加工がされた音ですね。加工しすぎて琴の必要性を感じないものが多い印象。Omnisphereによくありそうな音色。
特徴的なものを2つほど。
Basskoto Ambiance
スゥ~っという、リバーブがかかったホラー系の音。
Electric FM BK
ローファイに加工された、ピチカートっぽい音色。
デモ
作ってみました。
琴と低音琴を中心にして、ストリングス、笛、打楽器を加えたものです。
音が硬かったので、INのTransient Masterでアタックを柔らかくしたり、EQで高域を削ったりしてます。
次の曲は、現代的に仕上げてみました。
前半に箏、後半は三味線を使用しています。
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