MIDIジェネレーターを無料配布します!改変・再配布自由!Vibe Codingで音楽制作が変わる

アプリ・webサービス

こんばんは、作曲家のこおろぎです。

今回は、作曲活動の新しい可能性を広げるツールとして、Pythonで動作する5種類のMIDIジェネレーターを自作しましたので、無料で配布します!改変・再配布も自由です。

この記事では、配布するジェネレーターの紹介に加え、「なぜ今、作曲家がプログラミングを学ぶべきなのか?」というテーマについて、私自身の体験を交えながらお話ししたいと思います。

この記事が、あなたの音楽制作の新しい扉を開くきっかけになれば嬉しいです。

5つのオリジナルMIDIジェネレーター

今回配布するのは、Pythonのソースファイル形式で提供するMIDIジェネレーターです。パソコン上でプログラムを動かし、仮想MIDIポートを経由してDAWにMIDI信号を送ることで、お使いのDAW上の音源を鳴らすことができます。
ダウンロードはBOOTHの各ページからお願いします。詳しい導入方法や設定についても、各ページに記載していますので、そちらをご確認ください。

1. 落下ボールバウンドMIDIジェネレーター


ボールがバウンドする物理演算を利用したジェネレーターです。画面上でボールを落下させ、床にバウンドするたびに設定したMIDIノートが発音されます。ボールの反発係数や音程をリアルタイムで操作できます。
>>BOOTHでダウンロードする

2. 雨音MIDIジェネレーター


画面上を流れる雨粒が地面に触れると、光のエフェクトと共にMIDIノートが発音されます。まるで雨音が音楽を奏でるような体験ができます。雨粒の数、音程の範囲、ベロシティなどをリアルタイムで調整可能です。
>>BOOTHでダウンロードする

3. ボールバウンスMIDIジェネレーター


複数のボールが壁や互いに衝突するたびに、光のエフェクトと共にMIDIノートが発音されるジェネレーターです。ボールの速度、各ボールの音程、ボールが動き回る箱のサイズを自由に調整できます。
>>BOOTHでダウンロードする

4. 風MIDIジェネレーター


Perlinノイズを用いて自然な風の流れをシミュレートし、その強弱に応じてMIDIサウンドを生成します。PREMIER SOUND FACTORY社のウィンドチャイム音源「Wind Chime Premier G」にチューニングされており、この音源を使うことで制作者の意図したサウンドを得られます。
>>BOOTHでダウンロードする

5. トリル・ロールMIDIジェネレーター


指定した2つの音程間のトリルや、単一の音程でのロール(連打)を生成します。トリルの速度、ベロシティ、ランダム性をリアルタイムで調整でき、視覚的なアニメーションと共に演奏を楽しめます。
>>BOOTHでダウンロードする

なぜ今、作曲家がプログラミングを学ぶべきなのか?


さて、ここからが本題です。
今回、私が一番伝えたいことは

「今までプログラミングを全くやってこなかった作曲家でも、『自分はプログラミングができる』という意識を持つだけで、音楽の世界が劇的に広がる」

ということです。

きっかけは生成AIの進化


なぜそう思ったのか。きっかけは、月額3,000円ほどの生成AI「Gemini 2.5 Pro」を契約し、「こんなプログラムを作れないかな?」と相談したことでした。すると、AIは私の意図を完璧に理解し、一発で完璧なプログラムを書き上げてくれました。
その簡単さは衝撃的でした。「今後、音楽家が自分自身で作曲ツールを作る時代が来る」と直感しました。

「Vibe Coding(バイブコーディング)」で誰もがツール開発者になる


プログラミングの知識がなくても、AIにテキストで指示してすべてのコーディングをやってもらう。こうした手法は「Vibe Coding(バイブコーディング」と呼ばれ始めています。

実は2年ほど前にも話題になっていたChatGPT-4を使って簡単なデジタルタイマーを作ったことがあるのですが、その時は一発で完璧なコードは出てこず、何度も修正を重ねてなんとか完成させた、というレベルでした。

しかし今は次元が違います。AIがこちらの意図を深く理解し、最初から完璧なプログラムを提案してくれる時代に突入しました。

今回配布するようなプログラムは、私が配布しなくても、皆さんが手元の生成AIに一言注文すればすぐに作れてしまうものです。

なので、このようなプログラムを販売することに意味はなく、皆さんに「こんなことができるんだ」という可能性を知ってもらうために、無料で配布することにしました。

これらのソースファイルが「AIプログラミングのデモンストレーション」や「アイデアの叩き台」になれば幸いです。

自由に使って、自由に作り変えよう!

配布するプログラムは「MITライセンス」を採用しています。これは、商用利用、改変、再配布が自由にできるライセンスです。

私が配布しているフリーBGMよりも、さらに緩やかなライセンスです。

「ソースコードなんていじれない」という方も全く問題ありません。

ダウンロードしたPythonのソースファイルを生成AIに読み込ませて、「ここをこう変えてください」と日本語で指示するだけです
。AIが修正したコードをコピペして動かせば、あなただけのオリジナルツールが完成します。

ゼロから考えるのではなく、人が作ったものをAIの力を借りて自分なりに作り変えていく。これが当たり前の時代になるはず。

これからの作曲とツールの新しい関係

ツール作りも「作曲」になる

『はじめての〈脱〉音楽 やさしい現代音楽の作曲法』という本を読みました。

そこには「音列や音色を作ること自体が作曲である」「作曲方法を作ること自体が作曲である」という、作曲の概念の拡張について書かれていました。

もちろん、プログラムを作ることもまた、作曲の一部であると。

プログラミングという手法は現代音楽の世界では以前から行われてきたことですが、これまではプログラミングは、音楽家とは全く別の専門スキルでしたよね。

しかしAIの登場によって、両者の境界線は急速に曖昧になってきています。作曲活動の延長としてプログラミングを行うことが、今よりもずっと当たり前になる未来がすぐそこまで来ていると感じています。

テキストコーディング vs ビジュアルプログラミング

昔から、音楽とプログラミングを繋ぐツールとして「Cycling ’74 MAX」のようなビジュアルプログラミング環境がありました。ノードを線で繋いでいく方法は、視覚的に分かりやすいです。

しかし、Geminiに直接バイブコーディングで指示してツールを作らせてみたら、アイデアを伝えてAIが出してきたコードをコピペするだけなので、ノードを一つずつ繋いでいくよりも圧倒的に速い。

これからの時代、音楽制作のプログラミングを始めるなら、UIが整備されたソフトの中で作業するよりも、Pythonなどで直接コーディングしていく方が、結果的に簡単で速いんじゃないかと思っています。

曲作りの発想が変わる「使い捨てプログラム」


今回作ったMIDIジェネレーターも、AIに一言アイデアを伝えただけで数分でコードが完成し、微調整を含めても1時間以内で全て完成させることができました。

これが何を意味するかというと「曲を作っている最中に『こんなツールが欲しいな』と思いつき、その場でAIに作ってもらい、今作っている曲にすぐ取り入れる」というワークフローが可能になるということです。

プログラムごと”作曲”するイメージ。

しかも、その場限りで作ったプログラムは、汎用性を考える必要がないのでメンテナンスも不要。次の曲ではまた新しいプログラムを作ればいい。

まさにプログラムを「一期一会」「源泉かけ流し」で使っていく感覚です。今までの考え方とは全く違うアプローチだと思いませんか?

今回のMIDIジェネレーターのテーマ

余談ですが、今回のジェネレーターは、主に2つのテーマを設けて作りました。

1. 物理や自然現象を利用した、不確定で偶発的なサウンドの追求
2. 特定の音源に専用チューニングされたMIDIジェネレーターの作成

市販のツールは、商売として成立させるために、どうしても汎用性が求められます。多機能化したり、ビジュアルにコストをかけたり、バグを完全に取り除いたり…様々な「足かせ」があるんですよね。

でも、自作ツールならその必要がありません。自分に必要な機能だけを盛り込んだシンプルな設計にしたり、特定の音源が最も魅力的に鳴るように専用チューニングを施したりできるんです。

例えば、今回配布する「風MIDIジェネレーター」は、PREMIER SOUND FACTORY社の「Wind Chime Premier G」という音源に最適化しています。

>>Wind Chime Premier G

この音源はノートオフ(鍵盤から指を離した時)に音が鳴る特殊な仕様なので、ノートオフのタイミングを音源に合わせて調整し、音域もまんべんなく使えるようにプログラムを組んでいます。

こういうニッチな専用ツールを、AIを使えば月額数千円で作り放題になるわけです。ちなみに僕は「Gemini 2.5 Pro」のCanvas機能が、AIと対話しながらコードを書き換えていくスタイルに最高にマッチしていて、初心者の方にこそめちゃくちゃおすすめしたいです。

(ちなみに、この文章も口頭でメモしたYoutube台本をGeminiに読み込ませ、Canvasで整えています。)

もちろん、作れるものはMIDI信号を送信するプログラムに限りません。

シンセサイザーやVSTプラグインを作ったり、電子機器と連携させてハードウェアを自作したり、DAW自体をスクリプトで改造したり…

プログラムができれば、アイデアは無限に広がります。

まとめ:さあ、一緒にバイブコーディングを始めよう!

最後にもう一度言わせてください。

今までプログラミングをやってこなかった作曲家も「自分でプログラミングができる」という意識をどこかに持っておくだけで、世界はめちゃめちゃ広がる。

ぜひ、今回配布したMIDIジェネレーターを動かしてみてください。そして、AIを使ってほんの少しでもいいので、自分なりに改造してみてください。きっと、新しい創作の扉が開くはずです。
超初心者の私と一緒に、バイブコーディングの世界に足を踏み入れてみませんか?

動画

BOOTHリンク

・落下ボールバウンドMIDIジェネレーター
https://kohrogi.booth.pm/items/7012496
・雨音MIDIジェネレーター
https://kohrogi.booth.pm/items/7012226
・ボールバウンスMIDIジェネレーター
https://kohrogi.booth.pm/items/7012409
・風MIDIジェネレーター
https://kohrogi.booth.pm/items/7012496
・トリル・ロールMIDIジェネレーター
https://kohrogi.booth.pm/items/7012037