今回はUTAUをフェイクさせた歌いまわしにする方法について。
フェイクとは、本来のメロディから崩して歌う事です。R&Bの歌手がよくやりますね。
この曲1:19~ではくあっぽいどが歌っている所はフェイクさせています。真ん中あたり。喋ってるような感じにしてます。
ざっくり言うと、自分で歌を録音して、それをUTAUエディターでトレースしています。冒頭の掛け合いもそれで作っています。
今回はその手順を書いてみたいと思います。もしかしてUTAU界隈では常識なのかもしれないけど調声初心者なので許してください。
▼目次
1.歌を録音し、Melodyneに読み込む
2.Melodyne内で歌詞に沿って切り分ける。MIDIに変換
3.修正、MIDIファイルを書き出す
4.UTAUエディターに読み込む、言葉を入れる
5.ピッチ曲線を真似する
6.完成
出来る限り連続音を使いたい所です。ソフトはStudioOneと付属のMelodyne(メロダイン)を使っています。
1.歌を録音し、Melodyneに読み込む
まず、UTAUに歌わせたい、フェイクした歌い方を録音。もちろん自分で歌います…大変アレなので僕の歌声はお聴かせ出来ませんが。
それをMelodyneに読み込む。
2.Melodyne内で歌詞に沿って切り分ける。MIDIに変換
メロディを1語1語切り分けます。UTAUに歌詞を乗せるためです。
今回は「うっかりするとおなべがこげちゃう」といった非常に緊迫感のある歌詞。これに沿って音を切り分けます。
この時点で歌のピッチを曲に合わせてもいいかもしれません。今回は不明瞭なのでやめました。
そしてメロダインからMIDIに変換します。StudioOneならドロップするだけ。今回のものとは違いますがこんな感じ。
3.修正、MIDIファイルを書き出す
MIDI変換したものを、曲のハーモニー、スケールに合わせる。「っ」の音符は休符にするので抜きます。
これをMIDIファイルに書き出します。StudioOneだと、このパートだけ書き出せますね。
できました。
4.UTAUエディターに読み込む、言葉を入れる
UTAUエディターを立ち上げて、MIDIファイルを読み込みます。んで、歌詞までいれたのがこちら。
ここまではデフォ子で、歌詞がきちんと入ってるか確認。
歌詞が入ったら音源をはくあっぽいど連続音にして、プラグイン→連続音一括設定。
5.ピッチ曲線を真似
元の歌のMelodyneの画面を見ながら、各音を繋ぐポルタメントと、ビブラートを駆使して、元の歌のピッチ曲線を真似します。場合によっては音程も変える。
そうやって、ピッチの曲線を合わせて、加えて音楽的に調節したものがこちらになります。
各音が滑らかに繋がってますね。
ピッチが落ち着かないほうが喋ってるように聴こえます。常識なのかなこれ。
完成
WAVにエクスポートして、オケと合わせて完成。こちらは動画版です。
おまけ
一番最初の櫻花ミコの喋りっぽい調声。もちろんこれも同じやり方で自分の声を最初に録音したわけですが…
最後に
フェイクじゃない、普通の歌でも応用できますねこれ。
むしろもう知られたテクニックだと思いますが、自分で出来て嬉しかったので書きました。自己満足記事です。
関連
ちなみに、イントロは3次元空間での音の定位をコントロールするPanorama 5 というプラグインを使って声に空間をつけてます。記事も書いてます。
・音を3Dに配置できるプラグイン Panorama 5 レビュー【デモあり】
基本はUTAUスターターパックが図入りでわかりやすかったので、そちらをおすすめ。