こんばんは。作曲家のこおろぎです。
DIYで各種スタンド類を収納できる移動式収納ボックスを作ってみました。
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思いつきで上部にサイドテーブルも追加。
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サイズは収納ボックス+キャスターで高さ68cm幅30cm奥行き33.6cm
サイドテーブルは高さ90~160cmの間で調節可能。
キャスターで移動できます。
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普段は各種スタンドの収納として使え、撮影時などは引っ張り出してモノを置くサイドテーブルとして使えます。
これにより、収納を確保しつつ、あまり頻繁に使わない機能どうしを一体化することによりスペースを圧縮することに成功しました。
今回は、この収納スタンドの制作過程について書いていきたいと思います。
勢い余ってサイドテーブルを追加してしまいましたが、基礎となる収納ボックス部分は簡単に作ることができますので、ぜひ参考にしてみてください。
制作のきっかけ
音楽とカメラ、両方をやっていると、スタンド類が増えて収納場所に困ることはありませんか?
ギタースタンド、ギターの立奏スタンド、マイクのブームスタンドのショート・ロング、カメラの三脚、照明用スタンドなど。とにかく多くのスタンドが必要になります。
今まではそれらをスタジオの端、キャビネットとブースの隙間に立てかけて配置していました。
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ただ、これには問題があり、
1,奥にも収納があるので、奥から物を取る時に一旦スタンドをどけないと取り出せない。めんどくさい。
2,スタンドが倒れてきそう。安全性の問題。
この2つの問題を解決するため、このスペースにピッタリのスタンドを作り、すべてのスタンドを一気に移動でき、安全性の高い移動式の収納ボックスを制作することにしました。
収納ボックスをシミュレート
まずは出来上がりをソフト上でシミュレートします。
いつも3Dプリンターで作るものの設計に使っている「Plasticity(プラスティシティ)」を使用。
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イメージなので細かい部分はモデリングせず、プリミティブな形のままです。
同じサイズの4枚の板をネジで貼り合わせるだけのシンプルなボックスとしました。
幅は収納スペースに収まる30cm+厚さ。
高さは60cm。スタンドが倒れて来ず、取り出しもしやすい高さのはず。
厚みは1.8cmある板を使います。薄いベニヤでもよいかなと考えたんですが、ネジをとめるために別途材料が必要そうなので、板どうしを直接接合できる厚みにしました。
取っ手は穴を開けずにハンドルにします。加工がめんどくさいので。
下部にはキャスターを取り付け。大きすぎて重心バランスが悪くならないようにしたい。
イメージができたところで発注し、実際に届いた材料を見ていきます。
材料の発注・製作
パイン集成材
幅300mm×高さ600mm厚さ18mm重さ2.2kg 4枚
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側面の板となるパイン集成材。
モノタロウで発注。1枚約1300円。
https://www.monotaro.com/p/6843/9008/
厚みがありしっかりしているので、機材をぶつけたりと、ハードな使い方をしても壊れないはず。
切らずにこのまま囲う形にします。
仮置き。サイズは問題なさそうです。
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底面はIKEAのIVAR/イーヴァルの棚を作ったときに余ったものを使用。幅300mm。
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奥行きは厚みを加えた336mmに切ります。
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ペンキを塗っていきます。
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今回は素人のDIYということで、塗装は
・いきなりペンキを塗る→ヤスリがけ→2回目のペンキを塗る
これだけにしたいと思います。自分で使うぶんには十分な仕上がりになります。
色はツヤ消しの黒。黒なら擦ってスタンドに色移りをしたときにも目立たない。奇抜なカラーにすると目立つ。
固い機材に触れるものをDIYするときは黒にしています。
今回は平たい面積が多いので電動サンダーを買ってみました。
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N95マスクも購入し、保護メガネもつけ、しっかり粉塵対策をしました。
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内側のみヤスリをかけ、2度目の塗装をしてネジで止めます。
ネジは余っていた呼び径3.8m 長さ38mmのもの。そしていつものインパクトドライバ。下穴もしっかり開ける。
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ネジで止めたあと、外側もヤスリがけをして接合部の段差をなめらかにします。
その後2回目の塗装をし、ボックス部分が完成しました。
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キャスター
・手前 固定車
許容荷重38kg 取付高 66mm 取付座 60×42mm
・奥 自在車
許容荷重 37.27daN 取付高 66mm 取付座 60×48mm
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手前を前後にしか動かない「固定車」奥を自由な方向に動かせる「自在車」にしてみました。
なぜこの配置にしたのかというと、
今回は”狭い場所から収納ボックスを引き出し、その後、部屋のどこかに移動して置いておきたい”という動き。なので、
まず、手で引っ張る手前の部分を固定車にすることで、 手首がブレずにまっすぐスムーズに取り出せます。
逆に手前を自在車にしてしまうと、引き出す部分の手首がぶれて力を入れにくい。
そして、奥を自由に動く自在車にすることによって部屋の色々な場所に移動しやすくするという 狙いです。
実際確認したところ、この配置で問題なさそうです。
https://www.monovate.co.jp/blog/blog/b-column-caster-position/
キャスター耐荷重は37.27daN(デカニュートン)のものにしました。
1個あたり約37kgを支えられるもの。
今回、キャスターを選ぶにあたって色々調べてみたんですが
キャスターを選ぶ際は、まずは耐荷重が重要だそうです。
使用目的に合った耐荷重のキャスターを選び、その上で、できるだけ小さいものを選ぶと、重心のバランスが良くなり安定します。
パイン材1枚で2.2kg+底面で×4.5枚=ボックス本体の重さ10kg
ボックスに入れる最大重量は40kgを想定
10kg+40kg=全体合計50kg
2倍の重量を見積もると安全 50×2=100kg
100を4個のキャスターで支えるので100÷4=25kg
ということで耐荷重25kg以上のキャスターを選べばいい。
ややオーバースペックで大きいかなと思ったんですが、手頃なものが37.27daNのものだったのでこちらを選びました。
パッと見た感じは重心のバランスは悪くないと思います。
モノタロウでそれぞれ200円程度でした。
https://www.monotaro.com/p/7015/1847/
ハンドル
真鍮ハンドル 色:金色 外幅117mm×高さ30mm×厚さ7mm 内幅110mm
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外付けのハンドルにした理由は先ほども言いましたが 、以下の4つの理由があります。
・板に穴を開ける加工がめんどくさい
・機材を出す時の穴に引っかかってイライラしそう
・中の機材に手が当たってイライラしそう
・穴よりもハンドルのほうが高級感が出そう
色はスタジオのカラーに合わせてゴールド。幅は普通の引き出しより少し広めの内径110mm
持ちやすいかなということで広めにしてみました。
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モノタロウで約1600円
https://www.monotaro.com/g/04594998/?monotaroNo=54309143
付属のネジを適切な長さに切り、穴を開け、ドライバで留めます。
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移動式収納ボックス完成!
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各種スタンドの移動式収納ボックスが完成しました。
容量もちょうどいいですね。私のスタジオのスペースにちょうどいいということでこのサイズにしましたが、この大きさがベストな気がします。
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中での引っかかりもなく快適です。
スタンドのサイズが同じなら仕切りを入れてもいいかもしれません。うちはサイズがバラバラなので一旦やめておきました。
と、ここで
「もしかしてサイドテーブルも一体化できないか?」と思いつきました。
今までは部屋の中央で写真を撮影したい時や、動画で製品を紹介する時に折りたたみのサイドテーブルを使っていました。
写真がわかりにくくてすいませんが…
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折り畳めますがけっこう邪魔です。
収納ボックスの上にテーブルをつけて、移動式のサイドテーブルとして機能すればこのサイドテーブルのスペースも圧縮できるはず。
ということで作っていきます。
サイドテーブル シミュレート
収納ボックスと同じくソフト上でシミュレート。
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やや見た目が悪いかもしれない…
ただ、円形のテーブルのほうが写真を撮るときにいい感じになりそうなのでとりあえず円形のものを採用。
テーブルは取り外し可能なので別のものを取り付けられる。
シミュレーションしてみるとピッタリすぎて、このためにボックスがあるのでは?と思ってきました。
というわけで、実際に届いた材料を見ていきます。
天板
パイン集成材 直径300mm × 厚み18mm
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天板は収納ボックスと同じパイン集成材。
スタンド
キクタニ マイクスタンド ストレートタイプ
高さ827~1,500mm MS-150B ブラック
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天板には円形のマイクスタンドを接続します。
マイクスタンドはそこまで耐荷重はないと思いますので、重いものを乗せたりするハードな使用は避けたほうがよいと思います。
固定プレート
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天板とマイクスタンドをつなぐ固定プレートです。
天板とマイクスタンドは変換やアタッチメントを噛まして接続。
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Ulanzi Claw クイックリリースクランプでワンタッチで取り外しも可能。
これにより下部のスタンドもスムーズに取り出せます。
このアタッチメントの影響で天板下部の中央が盛り上がるので、天板を外した時にそのまま地面に置くとガタガタする。
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このガタガタを防止するために余っていた100均の木材で足をつけます。釜の蓋みたい。
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こうすると、天板を他の場所においてもぐらつかず、上に物を置いたり、物を置いたまま他の場所に移動したりと、使いやすくなります。
サイドテーブル制作
天板はグリーンに塗ります。
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私のスタジオのデスクの天板はすべてグリーンにしてあります。
こおろぎの個人事業主としての屋号は「Verde Studio」で、Verde(緑)がイメージカラーとなっています。
加えて、天板の色を特徴的にすることにより、こおろぎが撮影した写真だということがパッと見でわかるようにするという狙いがあります。他人も転載して使いにくい。
ボックスと同じようにペンキを塗ったあと、アタッチメントをつけて天板の完成!
マイクスタンドをスタンドボックスに入れ、天板をつけてすべてが完成!
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スペースへの収まりもいい感じ。
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この天板の上で撮影した写真がこちら。
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距離がとれるので狭い部屋でもボケを出しやすくなりました。
丸形にしたのもいい感じですね。次回から機材の写真はこのサイドテーブルで撮影することにします。
以前のもよりもグラつきもなくなりました。
サイドテーブルを想定していなかったのでキャスターはロックがかけられるものにしなかったんですが、総重量が重いので転がっていかず、問題なさそうです。
おわりに
今回は移動式の収納スタンド+ サイドテーブルを作ってみたという話でした。
キャスター選びを丁寧にやること以外は、ミスるポイントは少ないかなと思います。
材料費は木材、キャスター、ハンドル計1万円以内、サイドテーブル、スタンド計1万円以内、合計2万円以内で収まりますので、気になった方はトライしてみてください。
ではまた!