生粋のDTMerが生楽器とセルフレコーディングを語る!

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『生粋のDTMerが生楽器とセルフレコーディングのよさを語る!』

という動画を投稿しました。

以下は台本に加筆修正をしたものになります。


こんばんは作曲家のこおろぎです。

僕は最近、いろんなところで「生楽器を買って録音を強化してます」って言ってるんですけど、

なぜ今、楽器をたくさん買ったり、生楽器の録音を強化しているのか、ということについて掘り下げていこうと思います。

まず僕、エレキギターから音楽を始めたんですよ。ルナシーとかのビジュアル系。

で、バンドサウンドでずっとやってたんですけど、それと並行して、打ち込みを混ぜた楽曲をオリジナルで作り始めたんですね。

それで高校、専門学校とやってきたんですけど、

その間に、ソフト音源の質がものすごく上がってきたんですよ。当時はGigasamplerみたいな、大容量の音源が出てきた時で。

自分で演奏を録音するより、自分の環境よりもきちんとしたマイクや楽器で収録されたソフト音源でいいなっていう場面も増えてきたんですね。

僕は楽器の演奏に関しても他人よりも能力がない。今でも、演奏はプロの作曲家の中で一番下手くそな部類だと思ってます。

なので、自分のメインであるギターやベースも含め、全部打ち込みにして曲を作るようになってたんですよ。

でもある時に、僕の音楽ってリズムも音色もすごく硬いな、っていうことに気付いたんですよね。

打ち込みのソフト音源の音で大丈夫だと思って、ちょっとずつ置き換えっていったら全体が硬い音楽になってしまっていたんですよ。

1つ2つだったら問題ないんだけど、全部を打ち込みでやってしまうとそうなっちゃうと。

「カエルを水の中に入れて少しずつ温度を上げたら死ぬまで気が付かない」みたいな状態。

最近、舞台の音楽をやってるというのも大きくて、打ち込みの綺麗で平たい音よりも、生で録音した息遣いを感じるゆらぎのある音楽の方が舞台にハマるんですよね。

そこで、楽器がヘタでもいいんだっていうことに気がついたんですよね。
まあ下手でもいいけどあれなんですけどうまくなくてもいいんだなっていう。

楽器が上手い下手とか、録音状態よりも、曲自体の表現とかニュアンスとかもっと重視すべきところがあるなと言うことに気がついたんですね。

そこで揺り戻して、今はほとんど生楽器にしようと思いました。そこに気づいてしまったらなんか止められないというか、どんどん生楽器が増えていく感じになってます。

僕は作曲家なので、演奏難易度が高い曲を作らなければいいし、下手くそな演奏の方がハマるような曲にしていけばいいんですよね。自分でコントロールできるんですよ。

そうすれば別に楽器が上手くなくても強みが出せていくなと思いました。

プロの演奏家に弾いてもらう時の弱点

で、レコーディングもちょこちょこやらせてもらってるんですけど、
プロの演奏家に弾いてもらう時の弱点っていうのが見えてきたんですよ。

ヘタに弾いてもらいにくい。

自転車の乗り方を覚えたら、乗れないふりをしてこけるって凄く難しいじゃないですか。

上手い人が下手に弾くってすごく難しいんですよ。でも元々楽器が下手なら下手に弾ける。

プロにお願いするってことはプライドもあるんですよね。クレジットも出ますし。僕もレコーディングの現場で、「この曲を自分が弾く意味ある?」って言われたことがあります。

ちょっとだけ弾いてもらうというのが難しい。

短い曲とか、曲の一部分だけ欲しい、みたいなところを演奏してもらう、みたいな事って難しい。

大規模なレコーディングとかならついでにやったりも出来るんでしょうけど。

レコーディングの時間も短かったりするので実験もできないですよね。ちょっと試しに入れてみよう、とかそういうこともできないし、小回りが利かない。

そんなにね大したことない曲でも、きちんとね楽譜を用意しなきゃいけないし、伝えるための文章なども用意しないといけない。その手間がかかる。

自分で弾くんだったら、DAWのピアノロール見ながら、楽譜もなしに弾くことができる。

自分の思った通りのニュアンスにならない時がある

自分のやりたいことを伝えるのってすごく難しいんですよね。
奏者とか曲のマッチングにもよるんでしょうけど。

こう弾いて欲しいっていうのが、ディレクションでも伝わらない時がありますし、人に弾いてもらうっていうのは、どこかで借りてきたような音になるんですよね。

楽譜を見て弾いてるな、っていう感じにもねなりがちです。

自分で弾いた方がやっぱり自分の曲の解釈ってのはわかってるのでしっくりくることが多いです。

以上のように、他の人にレコーディングしてもらう時の弱点って多いんですよ。

手作り感を極める

やっぱり自分自身で録音していくっていうのは、自分の表現を高めるためには必要だなと思いました。

実際やってみたら、そのやりかたがハマってる感じがして、突き詰めていくべきなんだなっていう確信を得て今めちゃくちゃ楽器を買ってますね。

この一年で10個以上は新しい楽器を買ったと思います。

作曲して、アレンジして、色んな楽器を演奏して、打ち込みもできて、ミックスまでやって納品できるプレイヤーは少ないので、ここを極めていきたい。

チームで大規模にやっているところへのカウンターとしての「手作り感」というところ。

というわけで、今回は僕が最近生楽器を買って録音しているという、自己紹介の延長でした。

器用貧乏を極めていきたいと思います。

ではまた。

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