今回は「ボーカリストはKontakt音源を作ろう」という話です。
ボーカリストの方にはkontakt音源を作ってください、ということをずーーーーと言ってるんですけれども、誰も作らないんですよね。
というわけでこのブログでは、なぜkontakt音源を作った方がいいのかを説明します。
Kontakt音源とは何か
そもそもKontakt音源とは何か。
NativeInstrumentsという会社が販売しているKONTAKTというソフト上で動作するサンプリング音源です。
■Kontakt 6 – Native Instruments
DAWに読み込んだり、スタンドアロンで使えます。
音楽制作の場面ではかなり使われていて、リアルなオーケストラの音が収録されているような高級な音源もKontaktを使って鳴らされていたりします。
Kontaktでは録音したサンプルをプログラミングすることで、その音を鍵盤に割り当てて演奏したりするといったことができます。
なので、パソコンで作曲していて、それを仕事にしている人が持っていない、ということはほとんどないです。
ボーカリストがKontakt音源を作るメリット
・声と名前の宣伝になる
・欲しい人がいる
・ストック収入になる
声と名前の宣伝になる
Kontakt音源はボーカリストとしての宣伝に使えるんです。
今回、ボーカリストの未知琉さん(@michicle0909 )に協力して頂いて音源を制作したんですけれども、その際に未知琉さんに以下の画像を作っていただきました。
アイコン、連絡先、収録環境がわかる写真です。
Kontakt音源を立ち上げたたら常に表示される画像なので、広告のバナーのようなイメージ。
「誰々が歌っています」「連絡はここにしてください」「収録環境はこうなってますよ」
そういう情報があることで、何かあった時に思い出して連絡してもらえるかもしれないし、
いつも見てる人には親近感が湧くし、思い出しやすいのでじわじわと効くと思います 。
Kontakt音源は売って終わりじゃなくて、その先を考えて設計していけます。
欲しい人がいる
2つめ。単純に僕が欲しいので作って下さい。
kontakt音源がどこに需要があるのかと言うと音楽制作者です。
パソコンで音楽を作っている人はKontakt音源をめっちゃ買います。
音楽を聴くっていうのも一つの楽しみなんですけれども 現代は音楽を作ること自体も楽しみなんですよね。
カメラでいうレンズみたいなものなんですよね。絵だとブラシツールとか。とにかく道具を買っちゃう。
で、外国のライブラリはめちゃくちゃあるんですが、日本語圏のライブラリはほとんどないんですよね。
僕の場合だと、CMとか劇伴とかジングルとか、短い音楽を作ることが多いんですけど、一箇所だけスポットで女性コーラスが欲しいなっていうことがあるんです。
そういうときに使えるような日本っぽい、ナチュラルで素直な声のkontakt音源ってほぼないんですよね。
大体は海外っぽい発音の仕方だったり、壮大すぎたりとか、表情が出過ぎてたりとか、あと整いすぎてたりとかして使いにくい。
ナチュラルで素直な声のkontakt音源ってBGMにも使えるでしょうし、歌物を作っている方も欲しいという方が結構います。
王道なものも足りてないんですけれども、アイデアで差別化もかなりできる領域だと思ってるので、色々面白いライブラリがあるといいなと思ってます。
音声のライブラリとしてはUTAUという、自分で作れるボーカロイドみたいなものがあるんですけれども、UTAUは癖があるので用途が限られてくるんですよね。
歌詞がついてる歌だとそっちの方がいいのかもしれないんですけれども、コーラスやインストに使う場合はコンタクト音源の方が手早いし、素直なサウンドで使いやすいです。
逆に、楽器に関しては今は音源が死ぬほどあるんですよ。
最高の演奏者、最高の機材、最高のマイキング、最高のプログラミングをされているものが売られてます。
なので個人の楽器演奏者がKontakt音源を作って売ろうと思うのは、斬新なアイデアを出していかないとかなり厳しいですね。
でも、ボーカルは人によって声も違うし、バリエーションもないし、まだまだ隙間があると思います。
ストック収入になる
3つめはストック収入になるということ。
ストックの収入というのは放っておいても収入になる商品です。印税みたいな。
ボーカリストで作曲をしてなくて、かつストックの収入がある人って少ないと思うんですよね。先日紹介した、MPNに登録するというのも1つあるんですが。
ボーカリストって一件ごとにお金をもらうっていう働き方の人が多いと思うんですよ。
あと、歌った曲も、自分の商品じゃないからどういうふうに売るのか、というコントロールができなかったり。
Kontakt音源なら、自分の商品を作って、自分でコントロールできて、放っておいても収入になる商品が作れる。
デジタル商品なので一回作ってしまえば置いておけばいいだけなので、管理が楽なんすよね。自分の代わりに勝手に働いてくれる。
あと、オンラインなので現場に行かなくてもいい。今の時期、現場の仕事が減ってる方は特に今のうちにKontakt音源を作っておいた方がいいと思います。
楽曲に比べると制作コストも少ないし、アーティスト的な能力があまりなくても 声そのものが良かったり収録環境が良かったりとか、需要があるところをついていけば売れる。
ボーカリストとしての能力とか、楽曲そのもののよさとは別のところで勝負できる 。
僕も以前太鼓の音源を作りましたが、完全に放置してるんですけどかなりそれでも数千円は入ってきてます
役に立つ、ということ
僕は文章でも動画でも音楽でも気をつけてる事があって、
それはまず、他人の役に立つものを作ることなんですよね。役に立つって安定感があるんですよ。
文章も動画も音楽も役に立たないものが今はいいと言われてるんですけれども、
そういう、役に立たないもの、要するにエンターテイメントとかアートみたいな興味深さで見せていくものは、
人気がある人とない人の差がものすごく大きくなるんですね。本来は見なくていいものなので。
でも、役に立つを軸に組み立てていって、今までにないような役に立つというものを作れれば売れる。 それって自分が本来持ってる能力に依存しにくいので安定すると思ってます。
コツとしては、作れば作るほど元からあるものも売れるので、たくさん作った方がいいですね。これは楽曲も一緒なんですけど 。
おわり
というわけで今回はなぜボーカリストはコンタクト音源を作るべきなのかというのを書きました。
動画では実際のKontakt音源の作り方についてなるべく簡単に解説しました。