「こおろぎさんっていろいろ買ってレビューしてるけど、実際はどれ使ってるんだよ」
って思われているような気がしたので、2015年によく使っていたプラグイン・エフェクトを書いてみます。
実際に使っているものを書くと、レビューで褒めてるだけのものよりも、本当に使えるものがわかりそうな気もしますしね。
エンジニアじゃなく、作・編曲家が選ぶプラグインというのもポイントですかね。エンジニアさんが選ぶものよりも、ざっくり使っても効果が得やすいものになってるはず。あとは、曲作りの中でソフト音源と平行して使うので、軽いものが多い。
DAW内で使えるようにしてあるプラグインが166。その中でも、頻繁に使っているプラグインとなります。
ダイナミクス
レベルを揃えたり音作りしたり。ということで目的別で数種類使います。
VC 76 | Native Instruments
Softube製。1176LN | UNIVERSAL AUDIO のシミュレート。
ドラムなど、パンチの効いた音が欲しい時に使います。しかもめっちゃ軽い。
VC 2A | Native Instruments
LA-2A | Teletronix のシミュレート。
生音をナチュラルに整えたい時に使います。軽いしパラメータもざっくりなので使いやすい。
Supercharger GT | Native Instruments
真空管をシミュレートしたコンプレッサー。
コンプをかけつつ、サチュレーションやキャラクターのパラメータで音作りもできる。レシオが決められず、ソフトニーな感じの効き具合も面白い。
ちょっと重いので重要度が高めのトラックに使います。
Solid bus comp | Native Instruments
SSLのバスコンプのシミュレート。
バストラックにはとりあえずこれかけとけっていう。実際まとまりがいいし軽い。
Vocal Rider | Waves
ボーカルのフェーダーワークを自動でやってくれるプラグイン。
自然な感じでボーカルの音量を揃えてくれます。また、ボーカロイドにかけると生歌のダイナミクスに近づけることができます。
J-popだったら感度とレンジをかなり高めにして使うのがおすすめ。
Bass Rider | Waves
ベースのフェーダーワークを自動でやってくれるプラグイン。
生ベースのトラックに使います。
レベルを1音づつ自然に揃えてくれるので、演奏がそんなにうまくない僕はすごく助かってます。
ヘタなコンプよりも低音の音量感がしっかりと揃って「あ、これエンジニアさんが作るような低音感だ」ってなります。
Oneknob Louder | Waves
マキシマイザー。
音圧を出したい曲のトラックに1つづつ挟んで少しずつかけます。
全然音が破綻しないのがすごいし動作も軽い。
Oxford SuperEsser | Sonnox
ディエッサー。
周波数を見ながら処理できるのでわかりやすい。
ボーカルはもちろん、他の楽器にも使えます。
C6 | Waves
マルチバンドコンプレッサー。
自分の音源以外のマスタリングの時、各トラックに挟みます。
あまり積極的な使い方じゃなくて、問題のある周波数を整える感じ。かなり自然な効き方。
コンプだけじゃなくて、EQのようにも使えるのが気に入ってます。
FG-X | Slate Digital
マキシマイザー/コンプレッサー。
楽曲の絶対的守護神。最終段に絶対挟みます。Ceilingやディザリングもここで決めちゃう。
コンプレッサーの効きもいいし、マキシマイザーもものすごくいい。数年愛用してますね。
イコライザー
EQは極力使わないようにしてます。周波数バランスはアレンジと音色で整えるので。音作りとしてのEQもあまり使わないかな。
あと、自分の耳はあまり信用ならんのでアナライザーはなるべく欲しい。
Pro EQ | PreSonus
StudioOne付属のEQ。
ピークやざっくりローをカットをするときはこれ。Qを鋭くできるから。あと軽い。
H-EQ | Waves
MS処理などにも対応した、アナログコンソールをシミュレートしたEQ。
Pro EQ以外はこれしか使ってないんじゃないかっていうくらい使います。
まあまあ軽いしとにかくアナライザーが見やすい。
モジュレーション
あまり使わないんですが。
BT Dual-Analog Chorus CH-2S | Nomad Factory
コーラス。
BT Analog Phaser APH-25 | Nomad Factory
フェイザー。
モジュレーション系はあまり持ってないのですが、Nomad Factoryのはアナログっぽい質感が好きでよく使います。
ディレイ
最近ディレイを使う機会が増えている気がします。奥深いですよね。
Replika | Native Instruments
色々とエフェクトをかけることができるので、遊びたい時にも、普通のディレイをかける時にも使える。
Vintage Digital、Phaserの効きはかなり好き。
ECHOES | Nomad Factory
テープエコーのシミュレート。
ギターソロなどによく馴染みます。
リバーブ
正直リバーブは良し悪しがわかりません。下の2つに不満を感じないからいいんでしょう。
オーケストラなど、ナチュラルでウェットな曲にはOpen AIR、その他はOxford Reverbを使います。
Open AIR | Presonus
StudioOne付属のIRリバーブ。
DAW付属でIRリバーブがついてるっていい時代です。
そこまで重くないし、プリセットは多いし、自然な響きです。
Oxford Reverb | sonnox
わりと普通のリバーブ。設定項目が多い。
その他
ARC 2 | IK Multimedia
音場補正プラグイン。
スピーカーや部屋のクセをなくし、出音をフラットにしてくれます。
一番最後にはさんで作業し、ミックスダウンの時には外します。
自宅の出音のクセを考えながら作業しなくてもよいので、ミックスがかなり楽。
COSMOS | Nomad Factory
エンハンサー。
金物系の高音やボーカルをエンハンスするのによく使う。STEREO IMAGINGでパンを広げたりも。
挟んだだけでちょっと音が変わるし、かけすぎるとのっぺりするので気をつけたい。
MAGNETIC II | Nomad Factory
オープンリール・テープのシミュレート。
曲の雰囲気がこういう方向で決定したらマスタートラックに最初に挟んで、そのまま作業していく、という使い方をします。
そこまで使うわけじゃないですが、1つ持っておくとなにかと便利ですね。
終わりに
WAVESとNative InstrumentsとNomad Factoryが多いですね。
特にNative Instruments推しです。
だってわりと音いいし軽いし機能的だし使いやすいんだもん。
書いてて、EQは全然気にしないのに、 コンプは色々使い分けてるんだなーっていうのがわかって面白かったです。
今回紹介しなかったトランジェント系なんかは、アタック感が気に入らなかったら音色自体を変えちゃうので、実はほとんど使わないんですよね。
元音が良ければ使わなくていい系のプラグインはあまり使わないのかも。
あと、プラグインは現在のものでわりと満足してるので最近はあまり買い足してません。同じ金額なら音源を買ったほうが楽曲の質は上がるので。
AmpliTube 4やCLA Vocals、CLA Bass、MV2は最近買ったんですが、2016年にどこまで活躍するのかなーっていう感じですね。また来年書こうかな。
プラグインでもハードでもそうですが、僕が重要だと思っているのは「いつも使うもの」
頻繁に使うものが良くなると、制作スピードや質が全体的にアップデートされるわけです。
よさそうなものがあれば、いつも使うプラグインをより良いものにできるといいなあとは常に思ってます。
では。
関連リンク
・Native Instruments
・Nomad Factory | Media Integration, Inc.
・Waves