田中 裕一さん著、『ネガティヴ・ハーモニーをギターで攻略 』を読みました。
「ネガティヴ・ハーモニー」とは、音楽技法の1つ。
ルートと5度の中心にあるKey Centerを中心に音程を反転させる(ネガティヴ化する)、という考え方。
そうすることで明るい曲が暗くなり、暗い曲が明るいサウンドになります。わかりやすいところでは、Cを反転させるとCmになる。
ざっくり
・考え方自体はすぐ習得できる
・ギター以外の楽器でも応用できる
・慣れないと実践で使うのは難しそう
考え方自体は複雑ではないので、すぐ把握できるとは思います。ただ、実際に使うのが難しい。
ギターの演奏やスコアの内容になっているだけで、技法自体はギター以外の楽器でも成立します。
最初は「ピアノのほうが理解しやすいのでは」と思っていたんですが、ギターのほうがポジションが並行移動するので音程を反転しやすいですね。
目次
Chapter1 ネガティヴ・ハーモニーの活用で何を得られるのか!?
Chapter2 知っておくべき知識その1~スケールとコード~
Chapter3 知っておくべき知識その2~コード進行についての基礎~
Chapter4 ネガティヴ・ハーモニーの基礎
Chapter5 既存曲をまるごとネガティヴ化
Chapter6 既存曲のメロディはそのままハーモニーのみをネガティヴ化
Chapter7 アドリブ・ソロで活用する
Chapter1 はネガティヴ・ハーモニーのおおまかな説明。
Chapter2、3は基礎知識。
わかっている人は読み飛ばしていいです。ベーシックなので、この本に入れるべきかどうか悩んだんじゃないかと思います。
Chapter4から実践的なネガティヴ・ハーモニーの話。
「Key Centerを中心に音程を反転させるだけ」なのですが、毎回反転させる音程が違うので、慣れないと時間がかかってしまいそう。
ライトモティーフを扱う、複数の楽曲が必要な作品を制作するとき、ネガティブ化したメロディを裏ライトモティーフとして忍ばせておく、というのが遊びとしてはおもしろそうだなと思いました。
クラシック大家の楽曲にもよくわからないシステムが組み込まれてたりしますが、そういうアイデア・システムを入れることによって、楽曲のまとまりやつながりを保ちつつ広がりを出していったのかな、と思います。
ネガティヴ・ハーモニーは「アイデアの出し方」であって、きっちりとした技法や理論ではないのがポイントですね。
サウンドとしてはこちらのnoteのものがわかりやすかったです。
■ネガティブハーモニーのWhite Christmas|瀬尾 浩二郎(theodoorjp)|note(ノート)
White Christmasのメロディーはそのままにコードだけ反転させ、さらにメロディーとぶつかるところだけコードを調整したもの。
ネガティヴ化自体は機械的なので、MIDIノートをネガティヴ化するプログラムは書けそう。