「著作権」はいずれなくなるのかもしれない。
佐藤秀峰さんが自身の漫画「ブラックジャックによろしく」を2次利用フリーにしたことに感銘を受けました。
「ブラックジャックによろしく」が2次利用フリーに 商用・非商用問わず自由に利用可能 – ITmedia ニュースこの未来が来るというのはなんとなく予想してたんですが、なかなかクリエイターが踏み込めるものじゃないなと思っていましたが、ついに先陣を切りましたね。
某サイトでの反応は「意趣返しの嫌がらせ」など冷ややかですが、そんな小さな事じゃなくて、著作権フリーはこの先普通の事になると思います。
最近、音楽、書籍、絵など著作物のデジタルコピーが簡単に出来てしまいますよね。たとえ法律で規制されても違法ダウンロードは減らないし、むしろこれからもっと増えるでしょう。ネット利用の人や便利なツールも増えてどんどん簡単に共有できるようになっていく。(もちろん違法DLや違法コピーは今のところ禁止ですので、推奨する文章ではありませんが。)
そういうわけでデジタルデータの著作物の価値がなくなってきている。
じゃあ、逆にコンテンツ自体の値段を最初から0円として考える。みんなが自由にコピーして楽しむ事を前提に、時にはそれを利用していこうっていう発想をした方がいいよねって。そう考えれば違法コピーに頭を抱えなくて済むんじゃないかって思うんです。
最初から0円なら「売れるはずだった」機会損失は発生しない。これからは曲を直接売らないアーティストが出てきてもおかしくないと思う。
じゃあどうやって利益を出すのよっていうのはこれからみんなで考えましょう、っていうことなんですけど。
いや、それは大事な話で。大手じゃそんなこと出来ないし、もうちょっとはこれまでのシステムに頼ってても大丈夫なので、僕らのような野良クリエイターが新しいビジネスモデルを作っていかないと音楽業界に未来はない。
まあ何のヒントもないのも意地悪なので、考えつく例を出していこう
動画サイトの再生数を増やす
YouTubeは広告を出せますし、ニコニコ動画は再生数に応じてポイントがもらえます。コストが掛からないのがいいです。
OK GOがやっているのがとにかく面白いPVを作ろうっていう取り組み。
2000万回再生ですからなかなか広告収入も入ってきてると思います。しかもこれで使用したギター売っている。
Google Adsence、アフェリエイトによる収入
広告ですね。ミュージシャンがやっているのはあまり見ないですが、見た目の美しくなさも関係あるんでしょうか。自分でサイトを作って、広告を貼ってもいいかなと思ってます。商品を紹介するアフェリエイトは僕もやってます。
ライブ
新しくはないですが、ライブという体験は大事です。その人のコピーは出来ませんしね。ただ、ノルマをこなすだけ、演奏を披露するだけになるとダメです。ファンが集まって来た時に、オフ会のようにやるライブがいいなあと僕は思ってます。グッズもその場で買うのがいいんですよね。
「モノとしてのCD」の価値を高める
ジャケットだけでも欲しいなってくらい、グッズとして欲しくなるCDにする。これは結構やってる人は多いですね。きれいな印刷って自分だと出来ませんしね。
音楽と、合わせて映像をUSBメモリで売っても面白そうだけどなあ。もう光学ドライブもなくなるっていう噂だし。
しかしCDはコストが掛かっちゃうので、ある程度売れるメドがないと厳しいですね。
「その人」が発信したものじゃないと意味を持たなくする
いい音楽って探せばいくらでもあるんですよ。でも、「その人が好きだからこの歌が好き」っていうのはある。
メルマガとかは特にそうみたいですが、内容よりもその人のファンだからっていう理由で購読するみたいです。
Facebookページやニコニココミュニティ、など、自分のコミュニティに参加してる人がそれを受け取る人にあたると思います。この人数を増やす事。もちろんツール使用などは論外。
iTunesでももちろん売る
これは音楽を買うというより、便利に調達できる手間賃くらいの考えでいいんじゃないかなと。簡単に色々なデバイスで共有できるし、ファイルをなくしてもまたDL出来る。
佐藤秀峰さんの漫画 on Webで今一番売れてるのが「ブラよろ」なのにびっくりしました。フリーで見れるのに、ですよ。
その他新しい取り組み
Gumroadという売買サイト。これで仲介業者なく直接デジタルコンテンツを売れる。
Gumroadが進化—クレカ決済、サイト埋め込み、購入者の会員登録不要 | ihayato.news売るもののチョイスが難しいですけどね。
フリクルというサイトも音楽を無料で配布して収入を得るという考えで運営されています。自分でネット関係の管理が出来ない方はこういうサービスを頼ってもいいと思います。
BECKが楽譜で新譜を発表。これはシビれた。まさにさっき書いた「曲を直接売らないアーティスト」
とりあえずファンはアイテムとして買うでしょうが、この楽譜を元に演奏されたものがどうなっていくのかすごく楽しみです。
あと、企業や個人のクライアントに曲提供っていうのも当然ありますよね。まあ僕はそっちの方がメインなんですが・・・
色々紹介しましたけど、それぞれの所からちょっとずつお金をもらったほうが収入が安定していいと思います。そしてそもそも見合わないコストをかけない。そしたら音楽自体をそんなに売らなくてもなんとかなるんじゃね?っていう。
もちろん音楽自体がいいっていうこと前提で話をしてますけど。駄目なものはなにやっても駄目ですから。
あとポイントは自分の好きな事、得意な事をどんどん組み合わせるって事だと思う。結果的に新しいものが出来るみたいな。興味がある事にどんどんチャレンジする気構えが大事。
脱線してしまいましたけど、著作権フリーにする1番の問題は、アーティスト自身が自分の音楽の値段が0だって思えるかってことと、他人に使用されることを許容できるかっていう事なんですよね。
そういう心理的な問題が大きいと思うんだけど、多分それを当たり前だと思う若い世代はもうそろそろ出てくる。その時、古い考えの世代は駆逐されるだろうなっていう。
是非このお知らせの下にある日記も読んでもらいたいです。
佐藤秀峰 日記 | 漫画 on Web特に20代後半から上の世代は今までのビジネスモデルが頭から離れてなくて、ニコ動世代に圧倒されてると思う。
そしてこれからは企業に所属するより個人でやっていくのが面白そうだと思って、自分の屋台、kohrogi.comをはじめたんですけどね。まだまだコンテンツは少ないけど、どんどん増やして行こうと思ってます。曲はソフトの都合でCCの権利者表記になってますが・・・・
ではでは。僕もまだまだ未熟ですが、音楽で食べていこうという人のために参考になれば。