素朴な音がするアメリカの弦楽器『バンジョー』の打ち込み方法まとめ

テクニック

今回は素朴な音色のするアメリカの弦楽器、バンジョーの打ち込みについて。

打ち込み難易度 ★★★☆☆ やや難しい

ギターによく似た楽器ですが、ギターよりも奏法やパターン、強弱、音作りや曲調の幅は少ないです。ギターを演奏したことがあれば感覚はわかりやすいはず。

パターンを把握してしまえばやることは多くないです。リズムも複雑ではなく、ダイナミクスを細かくいじる必要もないので、打ち込み向きの楽器といえます。

プレイスタイルの種類が多く、違いを把握するのが難しいので、すぐそれっぽい感じにはできるものの、きちんと本物らしく打ち込めるようになるには時間がかかりそうです。

ポイント


・アルペジオ中心のフレージング
・ダブルストップ、ハンマリングオン、プリングオフでニュアンスをつける

サステインのない楽器なので、速いテンポでかき鳴らしたり、アルペジオのように弾いたりと、どの演奏スタイルでも音を詰めるようなフレージングになります。

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バンジョーとは

アメリカにおいて、アフリカのいくつかの楽器の特徴を取り入れて生み出した撥弦楽器。

バンジョーは通常、カントリー音楽やブルーグラスで使用される。

ディキシーランド・ジャズによく使われる4弦バンジョー、ブルーグラスやオールドタイムで使われる5弦バンジョー、バンジョーウクレレ、バンジョーベース、ギターのように弾けるようにした6弦バンジョーも親しまれつつある。

親指、人差し指・中指にピックをはめ、3本の指で弦はじく。

– バンジョー | Wikipedia

5弦が最もポピュラーなようですね。こちらの記事もわかりやすくてより詳しいです。

■バンジョーの買い方、弾き方、選び方、値段等 概要まとめ

演奏は速いテンポのアルペジオが中心。オールドスタイル。

現代的な曲にも使われますね。ギターのリフ的な使い方。

テイラー・スィフトはストロークで演奏してます。

音色

同じバンジョーでも、プレイスタイルやジャンルによって使うものが変わるので、そこを把握してきちんと音作りできると、よりリアルに聴かせることができます。そういったことはギターと似ていますね。

泥臭い音色なので、編曲で他の楽器と組み合わせる時も泥臭い、ストリート感がある楽器との相性がよいです。

音色を引き立たせるため、他の楽器とのユニゾンはなるべく避けたほうがよさそうです。

和音、音使い

音色は素朴なので、和音もテンションの入らないシンプルなほうが似合います。

スケールも、ペンタトニックやブルー・ノート・スケールがよさそう。

暗い曲調よりも、明るく軽快な曲調、都会的な曲よりも田舎っぽい雰囲気、放牧的な雰囲気の曲のほうがいいですね。

ボイシング

音の並べかた。

まず、チューニングを把握するとわかりやすいです。

5弦バンジョーの場合。ギターと違って、一番上の5弦が一番高い音になってます。

5弦 G3
1弦 D3
2弦 B2
3弦 G2
4弦 D2

Banjo tuning

開放弦を鳴らすとGメジャーのコードになっています。

この音程のインターバルを意識しながらフレーズを組み立てていくとよいです。

また、DTMではどのキーでも問題ないと考えてよいです。

フレージング

コード音を分散する、アルペジオ奏法が基本です。ハンマリングオン、プリングオフ以外で同じ弦を連続して弾かないことが原則です。

開放弦を使った、インターバールの大きなフレージングも可能です。

親指を含む3本の指で演奏するので、1つのピックで弾くギターや指でのバイオリンと違い、弦飛びしたフレーズも簡単で、それを活かしたフレーズにできるとそれらしくなります。

逆に、1音、半音が連続する細かい順次進行はやりづらい。不可能ではないですが。

動画を見るとわかりやすいと思います。

5音同時に鳴らせますが、ジャカジャカ鳴らすことはあまりありません。

奏法

フレイリング(クローハンマー)奏法

中指もしくは人差し指のつめ側で弦を叩くように鳴らした後、半拍置いて再び中指もしくは人差し指のつめ側で弦を叩くように鳴らし5弦を親指ではじく。

ここからは細かい奏法について。ギターと同じなので、調べる時はギターのサイトで見ると情報が多いと思います。

ビブラート

左手でピッチを揺らす奏法。

サステインがあまりないのでそんなに使う機会はないですが、単音で伸ばす場合は使ったほうがよいです。

モジュレーションかピッチベンドで。

ハンマリングオン、プリングオフ

ハンマリングオンは弾いた音が響いている間に、違うフレットを強く叩いて音を出す奏法。プリングオフは弾いた音が響いている間に、指先で引っ掛けて音を出す奏法。両方とも音を滑らかに繋げることができます。

フレットがあるので、音程がきっちり上がります。

打ち込む時はこんな感じ。

レガートができる音源だったら繋げるだけで大丈夫です。

ピッチベンドだと不自然になりがちなので、なるべくレガートになる音源が欲しいですね。

ダブルストップ

2つの音を同時に弾く奏法です。

わざわざ書くほどでもないほど自然に入ります。

音程のインターバルは3度が一番使われますね。片方の音だけハンマリングしたりもします。

その他

こちらにも奏法が詳しく載ってますね。

■Banjo

3フィンガーも、スクラッグス奏法やメロディック奏法など、色々と種類があります。

作ってみました

ソロでイントロ、あとはバッキングです。

おわりに

軽い気持ちで調べたら、かなり情報量が多く時間がかかってしまいました。けっこうプレイスタイルが変化しているんですね。

オールドスタイルのバンジョー音源『RealiBanjo』レビュー