中・上級者向けアレンジ教本、
ドン・セベスキー(Don Sebesky)著「コンテンポラリー・アレンジャー」(The Comtemporary Arrenger)のレビュー。
ざっくり
・ジャズスタイルのポップス系アレンジ
・1973年に書かれたものなので曲調が古い
・参考曲がかっこいい
・CDが生演奏
基本的なジャズのハーモニーを習得した、中・上級者向け。
内容はジャズスタイルのポップス系アレンジですが、現代で使う場面はある程度限られてますね。
著者、ドン・セベスキーさんのアレンジはこんな感じ。
バンドにオーケストラの楽器を加え、ジャズの和音でハーモナイズされたリッチなサウンド。「CTIサウンド」というらしいです。
実際にこういった曲を参考曲として、楽譜と共に解説していく形です。
楽譜を参照しながら、どういう考えかたでこの音にしたのか、ということが書いてあり、かなり参考になります。
こういった教本って参考曲がダサかったり、演奏がざっくりとした打ち込みだったりして、いまいち気持ちが入らないんですが、この本は参考曲がかっこいいし、演奏も 一流ミュージシャンだったりして素晴らしい。
また、よくない例も書いてあったりして、よいものだけ書いてあるよりも理解できるかもしれない。
楽器についての説明もあるんですが、ハーモニカやオカリナなど、クラシック系の本では出てこないような楽器が解説されているのもうれしい。
目次
どこにもないようなので書いておきます。
CHAPTER 1 Basics : 基本的な要素
CHAPTER 2 Wind Instruments : 吹奏楽器
CHAPTER 3 Strings : 弦楽器
CHAPTER 4 The Rhythm Section : リズムセクション
CHAPTER 5 Voices : 人声
CHAPTER 6 Melodic Considerations : メロディーに関する考察
CHAPTER 7 The Importance of the Lyric : 歌詞の重要さについて
CHAPTER 8 The Recording Studio : レコーディング・スタジオ
CHAPTER 9 General Advice : 一般的なアドバイス
楽器ごとにアレンジ方法を掘り下げていくという流れです。
歌詞にも言及しているのが歌モノのアレンジャーという感じですね。
レコーディング・スタジオについては、テープについてなど、さすがにちょっと古いのであまり参考にならないかもしれない。
全体的に内容が濃く、充実しているので、このジャンルを作る予定のない人にもおすすめです。