第一回に続き、スキャット後藤、こおろぎ対談第二回です。
今回はテレビドラマ劇伴のスケジュールについて。
ドラマ劇伴をやるにあたって、スケジュールの把握、管理に苦労しました。
どういうペース配分で制作しないといけないのか、こればっかりは実際にやってみないとわからない。
十数分の短いドラマなので、一時間のものとはまた違うようですが。
1話に向けての進め方が重要
で、初めて監督と会って。音打ちっていう、いわゆる「音楽の打ち合わせ」を監督とする時間っていうのが全然なかったので。
だからもう撮影現場に出向くしかないかなと思って。行ってお昼休みのご飯のときにちょっと時間を作ってもらって「どういうテイストでいきたいか」みたいな話はしたのかな。
スケジュールを見ると1話だけ仕上げるっていうことがあったから、1話に向けてどういうふうに進めていくかっていうことが重要なポイントかなと思ってたかなあ。
本当は、連ドラみたいに毎週やっているようなものだと、
最初に台本を見てどういう曲がいるかっていうのを書き出して、監督と話をして「こういうテーマがいるね」とか「こういうテイストでいきたいね」っていう話を普通はするんだけれども、関くんにしてもるみちゃんにしても一切なかったのね(笑)
るみちゃんなんてもっとなくて、チーフの監督やってた月川さんは、前にドラマで一緒にやったことあったけども、それでもほぼやり取りがなくて。
1回撮影場所に監督に会いにったら「まだノープランなんですよね」って言われて。でも曲を20曲ぐらい作っちゃって、で、映像につけた。
「もうちょっと真面目な曲がほしい」って言われたぐらい。それぐらいしかやり取りはしてなくて。あんまりないことやと思うけども(笑)
1話のMA(映像に音をつける作業)が終わるまでは曲数を作らないといけないし、方向性もしっかりとはわからない。最も重要な、緊張感がある期間です。
1話MA以降は作った曲をほかの話にも使えて、方向性も決まるのでぐっと楽になります。
スケジュールまとめ
6月
24日前後 依頼の電話
26日 台本受け取り
28~30日 日常曲5曲作成。
7月
1日 後藤さんの家で打ち合わせ、勉強会
絵コンテデータ 受け取り
4日 拝島で撮影を見学、監督と打ち合わせ
5日 ここからMAの日まで1話分の全曲を作成。
9日 打ち上げ(不参加)
1話オフラインデータ受け取り
13日 一日中ピアニカを吹いてメインテーマ完成
17日 関くん1話MA
以降1、2週ごとにMA
正確ではないですが、大体こういう感じです。
びっくりしたんですが、打ち上げめっちゃ早いんですよね。撮影が終わったすぐあと。
僕は制作まっただ中だったので参加できなかった…
本編集前の予備編集の映像。これを見て雰囲気やセリフ、SEの入りそうなところを確認したり尺を合わせたりします。
ツールについて
リストの話がありましたが、使用したサービスを書いておきます。
・Googleのスプレッドシートで曲名のリストを共有
・Dropboxの共有フォルダですべてのデータを共有
あとはGmail、LINEです。
やはりDropboxは勝手に送ってくれるので楽です。
関連リンク
【第一回】 テレビドラマ劇伴の仕事をもらうまでの流れ
【第三回】 「サントラを聴いているだけでは劇伴はできない」テレビドラマ劇伴のつくりかた
【第四回】 「漫才、コント、テレビを見てきたことが活きている」テレビドラマ劇伴の上達方法
【第五回】 テレビドラマ劇伴のMA、監督の違い、音楽学校について
プロフィール
スキャット後藤
へなちょこ作曲家。京都市出身。かわいくてたのしくてちょっといじわるな音楽をつくってます。TV :「となりの関くんとるみちゃんの事象」「太鼓持ちの達人」「俺のダンディズム」「殺しの女王蜂」「A-Studio」「きらきらアフロ」Game :「シバ・カーリーの伝説」「POSSESSION MAGENTA」
■ツイッター @scatgoto
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