営業を一切しないフリーランス作曲家の収入の内訳を教えます

音楽でメシ

作曲家のこおろぎです。

2021年の3月でフリーランスを始めてから9年目になります。

確定申告も終わったということで、今回は、去年の収入の内訳を解説してみたいと思います。

新型コロナの影響で多少状況は変わりつつあるんですけれども、基本的な部分はここ数年変わっていません。

仕事の内容

僕の仕事の内容としては、大きく3つ。

音楽制作、文章の執筆、あとは去年からこのYoutubeをはじめました。

音楽制作の内容としては、

TVやWebのCM、スマホやコンシューマーなどのゲーム、映像作品、アトラクションの音楽、ドラマや舞台などの音楽、Youtuberの方の専用の音楽や、あとは、音楽素材を登録して販売する、ストックミュージックというものなどを制作をしています。

わりと色々なジャンルの仕事をしています。

基本は楽器だけの音楽です。BGMとか、劇伴とかインストゥルメンタルと言われるものを作ってます。

舞台の音楽を作る中での歌モノ、というのは作ったりするんですが、純粋な歌モノはほとんど作ってません。

アーティストが歌って、ライブとか販売するための楽曲。そうものはほとんど作っていません。

基本的には小規模から中規模くらいの予算規模のお仕事で、ほとんどの場合、僕一人だけで完結させるものが多いです。

執筆はWordpressの自分のブログでレビューや制作事例を書いたり、Webサービスのnoteのほうで日記や戦略の事を書いています。

Youtubeはレビューをしたり、おすすめのものを語ったりしてます。

全体の収入の額

まず全体の収入の額としては、

よく比較される対象として、会社員の給料とくらべてどうか、ということが言われると思うんですけど、

フリーランスだと、売り上げと所得とか、税金や経費があるので単純には比べられないんですけど、まあ、普通の会社員くらいなんじゃないかなと思います。

ごく一般的に、余裕をもって生活ができる程度の収入ですね。

一応、年々少しずつは収入が上がってます。

今年は新型コロナの影響で広告費などが削減されてくる、という風に言われているので、今後はどうなるのか分からないんですけれども。

今のところはそんな感じです。

2020年の収入の割合

ここからは僕がどういうところから収入を得ているのかというのを、分解してお話ししていこうと思います。

2020年の収入の割合はこんな感じです。

・クライアントワーク 57%
・Audiostock 32%
・執筆 8%
・その他の音楽のストック収入 3%

収入の割合が大きいところから1つづつ解説していきます。

クライアントワーク 57%

まずはクライアントワーク。

これは57%ですね。これが全体の収入の半分以上。

クライアントの方からお話をいただいて作るという仕事で

ほとんどが請負契約で納品する、という仕事です。

さらに、これをさらにおおざっぱに分解します。

このグラフが2020年の直接依頼された仕事の金額の内訳です。

・リピート92%
・新規8%

金額が大きいのがリピート。一度以上仕事をした方からの再度のご依頼ですね。92%。圧倒的。

何度もお仕事を振ってくださる方の金額の割合が多くなってきてて、この金額が年々増えています。

2017年にもこの割合を出したんですけど、その時はリピートの方が60%だったんですよね。

2020年は92%になって、全体の金額自体も増えている。

収入全体で見てもリピートのクライアントのかたからの収入が一番多い。

やはり、目の前の仕事をきちんとやる、丁寧にやって、次に繋げるというのが一番大事だなと思います。

僕自体もだんだん値上げをしてるんですけど、何度も仕事をしていくうちに、大きな予算とかたくさん仕事を任せていただけるということが多くなってきてますね。

やっぱり頼んだことのない人にいきなり大きかったり、たくさん仕事は任せられないと思うんですよね。

納期は死んでも守る、というのは当たり前なんですけど、もらった金額なりの仕事じゃなくて 、金額以上の仕事をするにはどうしたらいいか、ということはいつも考えてます。

仕事はどこから来るか

その一方で、新規のお話もいただきます。

それが2020年、金額の割合としては2%でした。

仕事の数自体はそこそこありました。

今は営業は一切していません。さらに、Youtubeとか、自分自身のコンテンツを作りたい時期なので、積極的には仕事の募集をしていません。それでも継続的に新規の方からの仕事のお話が来ます。

新しい仕事がどこから来るのかというと、一か所じゃないんですよね。

羅列すると

・無料で音楽を配布している DOVA-SYNDROME
・音楽のストック販売サービスのAudioStock
・音楽関係、同業者から
・ブログや各SNSから

色々なルートでお話が来ます。

その中でも、楽曲の無料配布サイトDOVA-SYNDROME経由が多いです。

DOVA-SYNDROMEには現在240曲が登録してあって、

それを「作品や商品に自由に使っていいですよ」「使用料も無料で」っていうことをしていて、例えば YouTubeの動画とかスマホのアプリとかに使われるわけです。

そこで僕を知ってくれた方から、新しい曲を作ってほしい、というご依頼があります。

具体的な例としては、企業のかたがスマホアプリを作るときに、仮で無料の僕の音楽を当てておいて、そのあとに、きちんとしたものに差し替えようっていう時に、作曲家が見つからないとか、仮のイメージがぴったりだったからそのまま僕に作って欲しい。ということで連絡をしていただく、ということがあります。

有料で販売しているAudioStock経由でもまれにご連絡いただきます。

あとは、ブログやTwitterも10年くらいやっているので、そこからお話をいただく事もまあまああります。

音楽関係のかたからお話をいただくこともあるんですけど、それはかなり少ないですね。ただその場合は仕事自体が結構大きかったりはします。

Audiostock 32%

収入の割合に戻ると、Audiostockが32%

Audiostockというのは、日本最大級の投稿型ロイヤリティフリーBGM・効果音のストック販売サービスです。

自分の作った音楽を登録して、その音楽を使用する権利を販売します。

購入したり、サブスクリプションに登録した人はその音楽を使える、というサービスです。

写真だと、ゲッティーイメージズみたいなサイトですね。

僕はAudiostockの専属クリエイターとして登録させていただいてます。

そこに600曲程度登録してます。

そこで音楽を買われたり、使われたりすると、その都度僕にお金が入っていきます。

で一曲につき色々な人に何度も買ってもらえるので、楽曲を置いておけば継続して収入が発生します。

このAudiostockからの収入も年々増えてます。

クライアントワークがないときは、このオーディオストックの音楽を作ってます。

Audiostockに新規登録される際は、招待コード

CamdZ1PuFRYA

を使用して登録していただけると、

クリエイターの場合、お互いに300円が進呈されます。

音源の購入者の場合、会員登録後30日以内の合計購入金額20%分のAmazonギフト券、またはAmazonギフト券300円分が進呈されます。

■Audiostock

執筆 8%

10年ほど「こおろぎさんち」という名前のWordpressのブログを書いています。ここです。

内容としては機材のレビューだったり、オピニオンだったり、制作の実績を載せたりしています。

そのブログからはGoogleアドセンスやアフィリエイトでの収入があります。

それが880記事。

noteというサービスでも有料のnoteや月額のマガジンを書いています。

そっちは220記事くらい。

最近はブログよりもYoutubeのほうに力を入れ始めてます。

今70本くらい。

ブログのほうは、最近はYoutubeの台本や書き起こしをそのまま載せているという場合が増えてきました。

そういうふうに、今後はブログはおまけのポジションになっていくと思います。

なぜYoutubeのほうに力を入れてきたのかというと、映像にすることで伝えることができる情報量が多いからというのが一つと、単純に楽しいから、というのがもう一つ、あとは、もう一つの収入の柱にしたい、というのがあります。

その他の音楽のストック収入 2%

ほとんどが印税と言われるものですね。

仕事で作曲をしたものをいくつかの出版社を通してJASRACやNex Toneに委託していて、使われると印税が入ってきます。

多分、僕はプロの作曲家の中では印税はかなり少ない方だと思います。

なぜかというと、請負の仕事は買い取りの契約がほとんどというのが要因の一つですね。

ゲーム、舞台、CMなんかも基本買い取りでやってます。

あとは、自分の作品としての音楽を発表してないからです。

印税って、色々な出版社と契約してると、ひとつの出版社から何十円みたいな明細書がよく来るんですよ。

それでたまに Twitterなんかで、ネタで、今回1円だったとか明細をアップしてたりするんですけど、

それはネタなので他の出版社からはたくさんもらってるっていう事があったりするので、

SNSに上がった明細書を見て作曲家って大変なんだなって、JASRACが悪いとか、ちょっとあまり思いすぎないで欲しいなと思います。

おわりに

というわけで、営業を全くしていないフリーランス作曲家の収入の内訳でした。

リスクを少なく

請負の仕事だったり、ストックでの収入だったり、文章、映像だったり、

基本的にはいろんな方向から収入を得るようにしていて、何かあった時のリスクが少なくなるようにしてます。

例えば、今、病気とか怪我をしてしばらく演奏とか制作ができない、となっても、

Audiostockとか、文章のストックの収入があるのでしばらくはもう生活に問題ない、とか、

今新型コロナの世界になった色々できないことが増えたんですけれども 、

一個のことができなくても他のことをやればいいって言う状況ができてます。

あとはYoutubeも育てていこう、とか。

なるべく一つの収入源に依存しすぎないようにバランスをとってます。

そうやって、ポートフォリオを組む感じですね。

フリーランスってそのポートフォリオの組み方が自由にカスタマイズできるのがいいんですよね。

多分、作曲家以外でも、フリーランスでやってる人って、みんな動き方とか収入の得かたがバラバラだと思うので、今回みたいな個人の収入のバランスっていうのは全く参考にならないとは思います。

なぜ営業しないのか

そもそもなんで営業してないのかというと、単純に営業が苦手だからですね。

結局苦手なことを頑張ってやろうとしてもそれが得意で、好きでやっている人には絶対叶わない。

あと、音楽という仕事を選んだのは、自分が好きなことをやるためにやってるわけなので
そこでわざわざ嫌いなことや苦手なことをする意味が分からない

そこでわざわざ苦手なことをするくらいなら他の仕事をやった方がましですね。

そうやって、なるべく自分がやりたいこととか苦にならないことだけをやってお金に変換するようにしています。

色々な事をやってきたんですけれどもそれだけはずっと変わってないです。

ここを掘り下げて「営業を一切せずに仕事が来るためにやっていること」についても今後お話できたらなと思います。

ではまた。

2017年バージョンはこちら

■『営業ナシでクリエイティブな仕事でごはんを食べる方法』(2018年3月高知講演)

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