リテイクとは成果物に対しての”やり直し”のことです。
クリエイターに発注する時の的確なリテイクのコツ、それは
1.いい所と悪い所を伝える
2.適度に具体的な指示をする
3.少ない回数に収める
4.電話で指示をしない
この4つ。非常にシンプルで基本的ですが効果的です。これは音楽以外でも共通して通用する考え方だと思います。
1.いい所と悪い所を伝える
ダメな所だけ言われる、というのはクリエイター側の精神的にもつらいんですが、それ以上に
「いい所=固定しておいてほしい所、求めていた所」
を伝えておかないと、相手側もクライアントがどういうものを求めているのか、好みなのかというのが把握出来なかったりもします。
いい所をどんどん伝えて、いい気分で仕事してもらいましょう。
僕の経験としても、ダメな所だけを伝えてくる方が非常に多いんですよね。そりゃ僕でもしょげちゃいます。ぶっちゃけちやほやされたい。
2.適度に具体的な指示をする
ちょっと難しいんですが、具体的になりすぎず、クリエイターのほうで考える余地がある指示のほうが、能力を引き出せそうな予感がします。内容や人にもよりますが。
例 ギターの音色が物足りなかった場合
「もっといい感じにしてください」
だと抽象的すぎるし
「コーラスを掛けてください」
だと、他に方法があるのに指定してしまうのは具体的すぎるかもしれない。もちろん、その音を求めているのならいいですが。
「もう少し広がりのある音に出来ませんか」
くらいだといいかもしれない。結果コーラスではなくダブリングのほうが場面に合ってたり。
僕も発注側の時はこういう事を考えながら指示するんですが、うまくいかない時も多いですね…修行が足りない…また、発注する相手側への知識もある程度必要だなと思います。
3.少ない回数に収める
これは当然だと思いますが、あえて書きます。
クリエイターは最初に提出したものがベストだと思っている、という事を頭に入れておいて欲しいです。リテイクが多くなるほど気力は落ちていきますし、考えることをやめます。
プロジェクトのはじめの段階でのコミュニケーション、お互いの知識量の把握、なるべく多く資料を提供するなど、最初の段階できちんとお互いのイメージを共有しておき、リテイクなしを目標にすること、回数を少なくする事が、作品の質のためにも望ましいです。
4.電話で指示をしない
電話でリテイク箇所を伝える事はなるべく避けたほうがよいです。
メモをしながら聴くことになるので、内容がきちんと入ってこず、さらに、そのメモも会話しながらだと要点だけしか書けないので、あとで見返した時に何を指示されたのか思い出せない事もあります。
ほとんどの場合、他の作業をしている時に電話をとっているので、すぐその作業をできるわけではないです。
テキストならば、電話での数分が数秒で済みます。見るだけなので。
僕は、電話をもらった後、正確に指示を把握するため「その内容をテキストで送ってください」と言うことも多いです。
ただし、電話のほうがニュアンスが伝わるのでいい、というクリエイターもいます。
また、双方向での意見交換の時は電話のほうが早いかなとも思います。緊急時も電話のほうが確実ではありますね。
おわりに
制作がスムーズに進行しない時は大体コミュニケーション不足なんですよね。
僕も説明不足の時があるので、気をつけて仕事に臨みたいな、と思っています。徐々に仕上がりのイメージを絞っていく、詰めていくイメージを持って指示ができるといいですよね。
お互いに工夫し、気持よくイメージ通りのものができるようにしたいものです。
ちなみに、僕はリテイクが怖いので寝る前には絶対メールを見ないようにしている事も告白しておきます。