Z-TONE DI レビュー | インピーダンスで音作りをするDI

レビュー

IK Multimedia「Z-TONE DI」を買ってみました。

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これは「DI」と言われるもので、

ギターやベースにつないで信号を安定させるためのものです。

その中でも電源が必要なアクティブDI。

まとめ

こおろぎ
・サウンドは基本ピュア。3種類の音作り方法で音色の変化も楽しめる
・DAWに原音を録音しながらアンプで鳴らしてモニターするのに便利
・ゲインが欲しかったけど+8dbだと足りなかった

このDIの最大の特徴は、インピーダンスを変化させることでサウンドメイクができること。その他にもプリアンプの切り替えでサウンドの変化が楽しめます。

DIのパラレルで信号を出力できる機能は、DTMでレイテンシーなくアンプサウンドをモニターするのに便利です。

アクティブPUの楽器のゲインをブーストしたい、というのが僕の主目的でしたが、Z-TONE DIの+8dbではゲインが足りませんでした。

ゲインを上げるという目的であれば、さらに10dbブーストできるZ-TONE Buffer Boostのほうがよかったように思います。

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なぜ買ったのか

僕の使っているギターはLINE 6のVariax、ベースはYAMAHAのBB735A。

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どちらも基本アクティブピックアップの楽器です。

これらは内蔵したプリアンプを使って増幅した信号を送ります。

単純に考えると、本体にプリアンプが入ってるので音量も大きいんじゃないかと思ってしまいますが、実際は音量がかなり小さい。

ローインピーダンスだからオーディオインターフェイスのライン入力に入れるんですが、そのゲインをMAXにしても音量が小さい。

しかし、プリアンプのHi-Z端子などにアクティブPU(ローインピーダンス)の信号を入れてもいいのかわからない…

そこで思い出したのがこのZ-TONE DIです。

これはパッシブPUはもちろん、アクティブPUを入力するためのスイッチがあります。


Z-TONE DIにはアクティブPUのものを入力してくださいと堂々と書いてあるのが、安心して購入したポイントです。

Z-TONE DIにはインピーダンスを変化させることでトーンを変化させられるという、独自の機能がついています。

単純にそれを試したいというのもありました。

外観・機能


見た目は堅牢な感じですね。2枚の鉄板をコの字にして組んでいる。外に外に持ち運んでも平気そう。

前後に微妙な出っ張りがあることでスイッチ類が守られています。

重量は904gとずっしり重め。

正面

左から
・INPUT
・LINK
・GAIN
・Z-TONE

特に目を引くのはZ-TONEのゾーン。

左から
・PASSIVE/ACTIVEスイッチ
・SHARP↔BOLDノブ
・JFET/PUREスイッチ

PASSIVE/ACTIVEスイッチはその名の通り、パッシブとアクティブのピックアップに合わせて切り替えます。

合わせたほうがクリーンなトーンを得られるらしい。

SHARP↔BOLDノブ、ここで連続的にインピーダンスをコントロールすることによってサウンドメイクをします。

数字のような小難しいことを書いてないのがいいですね。公式ではこのように変化をすると載っています。

実際には1MΩから2.2kΩまでの変化のようです。

この部分はマニュアルには詳しく解説されています。

SHARP↔BOLDノブはパッシブピックアップのほうが変化が大きく、アクティブピックアップだとほとんど変化がないようです。

実際にアクティブピックアップで試しましたが、多少は変化があります。

SHARPのほうに回すとその名の通り音色はシャープになります。といっても細い音にはならず、いい意味で艶がありシャープという印象。

BOLDのほうに回すと、回し切ると逆に低音がスカスカになってしまいます。15時あたりだといい感じにまろやかなサウンドになります。BOLDはどちらかというと悪い意味でサウンドが古くなる印象。このあたりは楽器によっても印象が変わるんでしょう。

試しに元々アクティブのベースをパッシブモードにしてZ-TONE DIを通してみたんですが、アクティブの状態のままZ-TONEに入力したほうがよいサウンドになります。

一番右がJFETとPUREプリアンプの切り替えスイッチです。

JFET
わずかな倍音を付加するクラスAのディスクリートJFETモードです。ミッドレンジにあたたかみが加わります。

PURE
色付けのない、完全に透明で正確なサウンドです。

公式の説明のままのサウンドの変化が楽しめます。わりとはっきり切り替わるので場面で使い分けができそう。

左から9Vの電池ボックス。エフェクターと同じです。

アクティブDIなので、電源がないと動きません。

BALANCED(バランス接続)のXLRからも給電できます。

真ん中のジャックはUNBALANCED(アンバランス出力)

僕の場合はXLRからオーディオインターフェースのXLRにつないでファンタム電源をオンにして使います。

電池で動作させるとシンプルに運用がめんどくさいんですよね。

サウンド


サウンドの総評としては、基本はピュアだなという印象です。

ゲインもあげられるせいか、楽器からそのままオーディオインターフェイスに入力した場合よりもクリアに聴こえます。

全く色付けをしない、ということもできるし、インピーダンスやプリアンプを変更する事によって色を付けることもできる。

プリアンプのUniversal Audio 710と比べると、710のほうは元気なサウンドになりますが、その反面何をしても色がつきます。

なるべく原音そのままのサウンドでDAWに入力したい、という場合にはZ-TONE DIはとてもよい選択肢だと思います。

おわりに

僕の場合、Z-TONE DIの+8dbでもゲインが足りなかったので、Z-TONE Buffer Boostのほうが良かったかも、とは思いました。

まあ、オーディオIFのほうでゲインを足せばいいし、Z-TONE Buffer Boostだと機材を上に重ねられなくてかさばりそうなのでZ-TONE DIのままでいいかな、と思っています。

では。

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