今回は「Youtuberのマイクの選び方」について。
1年前にYouTubeへの投稿を始めて、今もいろいろと研究中なんですが、とりあえず備忘録代わりに書いておきます。
音楽制作で使うマイクと映像を撮る時に使うマイクは全然違うんですよね。
いつも、声や楽器のレコーディングはしているんですが、映像と一緒に撮るときのマイクの選び方となると全く分からない。
でも、一応音楽家としてやっているので、動画の音声が悪いというのは気持ちが良くないんですよね。なので音声をきちんとしよう、ということで色々調べました。
今回はYoutubeの映像のために、どういう種類のマイクを選んだらいいのか、という内容を書いていきます。
・一人で撮影する
・カメラはミラーレス一眼を使う
・カメラに直接、音声を入力する
という状況で考えていきたいと思います。
今回紹介するのは
・ガンマイク
・ラべリアマイク
・ボーカル、楽器用マイク
・本体のマイク
・XY方式(AB方式)のステレオマイク
です。というわけでマイク別に考察していきたいと思います
ガンマイク
まずはガンマイク。
基本カメラにのボディに直接つけるタイプのマイクです。
これはXLRなんですが、通常はミニプラグで接続します。
■メリット
・指向性が強いので本体のマイクよりノイズが少なくなる
・セッティングが楽
■デメリット
・カメラの正面を向いて話さないと音質がかなり変わってしまう
・カメラからの距離が遠すぎると音がぼやける
まず音を拾う範囲が狭いのでノイズが少なくなります。
大体つけただけで本体で音を拾うよりもノイズが少なくなります。
次にセッティングが楽ということ。
カメラにつけたままでいいので、カメラの移動も楽だし、マイクの位置を調整する手間もないです。
デメリットとしては、
きちんとカメラの正面を向いて話さないと音質がかなり変わります。
正面以外を向いて音を出すようなシチュエーションには向きません。
距離の影響も受けやすいです。カメラからの距離が遠くなっちゃうと音がぼやける。
カメラから近い距離で、一人で正面で喋るという状況が一番いいですね。
例えば僕みたいに、正面を向かって喋るだけの動画だったらガンマイクがいいです。
あとは、本体のマイクで拾うよりはマシにはなりますが、部屋鳴りや環境のノイズもすこし入ります。
ラべリアマイク
ピンマイクと言われたりしますが、ほとんどの場合ラベリアマイクと言われるものです。
ピンマイクはピンで止めるようなものです。(写真がなかった)
■メリット
・動き回れる、他の方向を向いても大丈夫
・対象の声以外の音が入りにくい
■デメリット
・音質的に不利
・大きなノイズが入る可能性がある
・ワイヤレスだと電池を気にしないといけない
・無線は遅延がある
他のマイクだと、動きながら収録すると音の響きが変わっちゃって聞きにくくなっちゃったり、遮蔽物があるだけで全然音が変わっちゃったりするんですが、
ラベリアマイクだと動き回っても、後ろを向いたり遮蔽物があっても常に同じサウンドで録音できます。
あと雑音が多い外での収録や、複数人のでの収録で一人の声を録りたい時に余計な音を拾いにくいです。
デメリットとしては、
音質的に不利です。これは形状など、仕様上どうしようもないです。
後はガサガサしたノイズが入りやすいということ。
環境音などは入りにくいんですが、服がこすれたりするときの音が入るときがあります。
多少の環境音よりもそのガサガサの方が不快に感じることが多いです。後処理が必要になることもあります。
なので、必要がない限りはラベリアマイクを使わない方がいいと思っています。
無線だったりすると、電池を気にしないといけないというのもありますね。あと、映像に対して音声が遅延します。
僕は電池を使わないものを持っているんですが、電池を使わない有線のものは動ける範囲が限られてくるのと、長距離のケーブルがあるぶん、ガサガサというノイズが入りやすいです。
ボーカル、楽器用マイク(XLR)
コンデンサーマイクやダイナミックマイクなどのXLR端子で出力するマイクです。
総称でなんと呼んでいいのか悩みました。
■メリット
・スペック上の音質は最高クラス
・他の用途のものを流用しやすい
・距離のコントロールがしやすい
・楽器の音をキャプチャしやすい
■デメリット
・マイクをいちいち立てるのがめんどくさい
・入力するために追加で周辺機器が必要
・周辺機器の選択肢がほぼない
スペック上の音質は最高クラスです。
値段もピンキリで色んな種類があります。
いいものを使えばサウンドは相当よいものになります。
ナレーション用や、ライブ配信用、ボーカルや楽器のレコーディング用のものを持っている方も多いと思います。
そういった、今持っているものがそのままカメラにも使えるというのもポイント。
マイクが流用できるというのは音楽家にとってはいいですね。
あと、距離のコントロールがしやすい。
口の近くにマイクを立てると、環境ノイズや部屋鳴りが少なくなり、クリーンに録音できます。いいマイクを使えて、さらにサウンドもよくできる、ということですね。
デメリットとしては
セッティングがめんどくさいこと。
スタンドがもう1本必要なので、その位置を決めたり、他の場所で撮影するときにスタンドごと一緒にもっていかないといけない。
カメラを移動させる時は照明も一緒に持っていかなきゃいけなかったりするので、そうやってスタンドを何本も立てる感じになると場所も時間もとってしまう。
あとは、 XLRで繋ぐようなマイクだとまずカメラとの入力の規格が合わないので、周辺機器を買い足さないといけません。
僕が使っているSONYのXLRアダプターキット XLR-K3Mは定価5万6千円ですね。結構高い。
この周辺機器の種類が少なくて、ソニーのこれか、パナソニックのものくらいしか出てこなかったです。
単純に端子を変換するようなものもあったんですが、インピーダンスや電源も含め、きちんと変換されるのか謎でした。
逆に、こういう周辺機器があればかなり応用が効いた使い方ができます。
(僕は最初買ったカメラがZOOM Q8だったのでXLRが標準装備されていました。
でも画質がよくないので、この装備のままSONY ZV-1くらい画質がいいものが出たらマジで神だと思います。ZOOMさんお願いします)
本体マイク
■メリット
・身軽
・ステレオで録れる
・後ろで話しても声が入る
■デメリット
・雑音が多くなる
一応本体マイクのことについても触れておこうと思うんですが、メリットとしては、マイクをつけてないのでコンパクトということですね。
そとで気軽に撮る、みたいなシーンではいいですね。
あと、機種にもよるんですが、ステレオで録れる場合が多いということですね。
臨場感を出したい、という場面ではこちらのほうがよかったりもするかもしれません。
ただ、喋る動画でステレオだと、声が左右に揺れちゃって聴きにくいという時もあります。
これも機種によるんですが、後ろから声を出しても入りやすい時があります。ガンマイクだと指向性が強いので、手持ちで録りながらだと自分の声が入りにくいです。
デメリットは
音を拾いすぎるのでノイズが多くなりやすいし、音質的にも不利なことが多いこと。
あと、カメラのマイクを買う前にチェックしておいてもらいたいのは、本体そのものからノイズが発生してないかということですね。
本体の入力レベルを0にしてノイズがあるかどうか確かめてみてください。
もしかしたら、マイクのせいじゃなくて本体のせいだったりするので、そういうときはマイクを買ってもノイズが減らないです。
僕はFUJIFILM X-A7というカメラを持っているんですが、本体のノイズがかなり多くてマイクを変えても効果がなかったんですよね。
そういった、動画用には作られてなさそうなカメラは気を付けた方がいいです。
XY方式(AB方式)のステレオマイク
(写真はZOOM Q8付属のもの)
マイクをクロスするXY方式のステレオマイクについて。
ステレオで取れるので映像と一緒に環境の音を取りたいというときに使うマイクですね
トークがメインではなくて、街や自然を撮るときに一緒にサウンドをキャプチャしておく、という感じです。
マイクを正面に二つ並べるAB方式もあります。XYよりサウンドの広がりがあります。
SONYのECM-XYST1Mだと角度を変えられるようです。
まとめ
・一人で動かずに喋るなら「ガンマイク」
・雑音が多い場所や動きが多い場合は「ラべリアマイク」
・最高の音質を目指すなら「ボーカル、楽器用マイク」
・コンパクトさ、臨場感を重視するなら「本体マイク」
・環境の音をキャプチャするなら「XY方式のマイク」
ということですね。参考になると嬉しいです。
コンビネーション
おまけの話です。
XLRアダプターキット XLR-K3Mだと、
モノラルで収録すればLRで2ch使えるので、種類の違うマイクで同時に収録できます。
外部レコーダーなどで別に録音するよりも、カメラに直接入力したほうが、あとで映像と音声を合わせる必要がなくて非常に楽です。
話しながらエレキギターを演奏した動画を撮るときに
・Lチャンネルはガンマイクで声
・Rはラインでエレキギターを録る
とか
・Lチャンネルはガンマイクで声
・Rはコンデンサーマイクでアコースティックギターを狙う
とか
・ちょこちょこ動き回るのなら、ガンマイクとピンマイク同時にとっておく
など、いろんなコンビネーションを試せますね。
二つの音声を同時に使うと聴きづらくなってしまったり、ということがあるので、なるべく撮った音声を同時に流さない方がよいです。
おわりに
というわけで、今回はYoutuberのマイクを種類別に考えてみました。
とりあえず今のところの理解はこれくらいなんですけれども、これからも色々と研究はしたいと思います。
この本がめちゃくちゃよさそうだったので買います。
動画
実際に収録した音声が聴けます。