音楽を作るのに音楽理論は必要ありません!

テクニック

「音楽を作るのに音楽理論は必要ありません!」という動画を投稿しました。

その台本を加筆したものになります。


今回は音楽を作るのに音楽理論は必要かどうか。

ということを話したいと思います。結論から言うと、

必要ではないですね。

音楽は、自由に、好き勝手作ればいいと思います !

ではまた!!!!!

 

 

 
で終わると早いんで、

もうちょっと深堀りしていきます。

理論って、必要ではないんですよ。必要ではないんだけど、便利。めちゃくちゃ便利です。

便利な状況はおおまかに5つあります。

・自分の音楽を人に伝える
・音楽を分析する
・すでにある音楽を再現する
・アイデアとして活用する
・作曲中の修正箇所を見つける

1、自分の音楽を人に伝える

音楽理論は言語なんですよ。英語などと同じ。

英語がわかんなくても身振り手振りでなんとか伝えられると思うんですけど、英語が分かってればパッと言って伝えられる。

色とも似たようなものだと思うんですよ。ある色に「緑」というように名前が付けられているということですね。

「ここはCメジャーでいいんですか?」っていうのは「ここは緑でいいんですか?」っていうのと似たようなもので、

そこで「緑って何ですか?」ってなっちゃうと伝えるのが難しいじゃないですか。

共通言語があることによってコミュニケーションが簡単になる。

自分の音楽を人に演奏してもらう、なんていう時には便利です。

2、音楽を分析する

音楽理論がわかっていると、どの音がどういう役割の音なのかっていうのがだいたい分類できる。

なので自分の中に取り込むのが早い。

未知の音が出てきても、こういう意図かもなとか、こういうアプローチかもなとか、元の知識を利用して分析ができる

3、すでにある音楽を再現する

既にある音楽のスタイルがシンプルな要素に分解されてあるもの。それが音楽理論。

それを使うとすでにある音楽は簡単に再現できます。

例えばオーケストラ。

オーケストラの鳴らし方というのは何百年もいろんな天才が研究してきたんですよね。

それが短い時間で自分にインストールできる。

何も勉強していないところから自分でオーケストラの鳴らし方を開発すると何百年もかかるはずですし、一人でやってたら何百年では終わらないかもしれないです。

4、作曲中のアイデアとして活用する、

5、作曲中の修正箇所を見つける

作曲中に便利になることとしては アイデアとして活用したり修正箇所を見つけるのが早くなったりします。

例えば、構成のAとBでキーが違うってなった時に、そこをなめらかに転調させるにはどうしたらいいのかとか、この後の展開どうしよう、というときの手掛かりになったりします。

曲を作ってる中でこの音はちょっと濁ってるなとか、なんか厚ぼったいなとか何か音が足りないなとか。

そういう時にも音楽理論が手掛かりになります。

特に、連続4度とか連続5度とかはすごく濁っているわけじゃない、だけどちょっと変な感じ、くらいのものなので、理論をやってないと気づきにくいかなと思います。

作曲中には、感覚と理論をすごい速さで行き来するので、やっぱその場でパッと調べただけではうまくいかないんですよね。自分の血肉にしておかないと。

あと、理論を学ぶと、トーナリティていう感覚が身につきやすいんですよ。相対音感も結構近いんですけど。

感覚で言うと重力に近いですね。調に引っ張られる感じ。

この音を出すと調から離れていってフワフワしちゃうなとか、調に近くて安定しているな、とか。

調から離れすぎると、聞いててとっちらかった音楽になっちゃうし、調に近すぎると安定しすぎてつまらなくなっちゃうんですね。

トーナリティという感覚が身に付くと、それをうまくコントロールできる。

おまけ 未知の音楽をイメージすることができるようになるかも

音楽理論を知るって事は、過去を知るってこと。歴史なんですよ。歴史を知らないと未来はイメージできない。

自分が新しい音楽だと思って作ったものが、もうすでにずっと前に作られてるっていうこともあるわけで。

知らないと車輪の再発明的なことになってしまう。

音楽理論を学ぶと個性がなくなるのか

特に初歩だけ学んで、それをきっちり実践しているいる状態だと、いわゆる、おもしろくない音にはなりがちかなと思います。

理論は安定した部分から積み上げられていってるんです。なので、初歩のものになるほど安定して聞こえるサウンドになっています。

あとから研究されたものほど不安定なものになってますね。

初歩の理論だけきっちり使って音楽を作ると、安定していて没個性的にはなるかなと。

音楽理論って、いろんな音楽を聴いて、共通していい部分だなっていうところをシンプルにしたもので、世の中にあるサウンドのほんの一部を言語化したに過ぎないんですよ 。

そのわずかな部品だけ使って作ると、どこにでもある、平均的なものにはなりやすいですよね。

じゃあ、そこから脱却するにはどうしたらいいのかというと、

・もっと勉強する
・ルールを守りすぎない

ってことですね。

もっと勉強すればルールの適用範囲が広くなる。

あと気にしすぎない。感覚の方を優先して、ルールにはまってないけれども良いサウンドだと思ったら放置する。

ただ、音楽理論での個性がなくなることが悪いことかって言うとそうでもないような気もします 。

サウンドの音楽理論ってコード進行とかスケールだと思うんですけど、コード進行やスケールってもうかなり研究され尽くしてるし、

今はコード進行が同じでもサウンドとかニュアンスの違いでいくらでも個性って出せるので、現代においては音楽理論での個性、というのはあまり気にする必要がないかなと思います。

音楽理論を身につけるには

音楽理論をどうやって勉強していけばいいかっていうことは

興味がわいたときでいいかなと思います。

この音楽がいいなと思って、スコアとか買ってみたときに、何が書いてあるかわからない、そうなったときに理論の本を買って、そこだけ勉強したりとか。

そうやって、興味から紐づけてやっていかないと、興味のないことは身につかない。

とっちらかっててもいいんですよ。興味を絶やさないように勉強していくというのがいいのかなと思いますね。

おわりに

というわけで、

必要 ⇔ 不必要

の軸で考えるんじゃなくて

不便 ⇔ 便利

の軸で考えたほうがわかりやすいんじゃないかなと思ってます。

ではまた!

はじめて作曲を学ぶならこの本がおすすめ。