ビッグバンドの作曲、編曲、打ち込みができるようになりたい【第一回】ざっくりと全体を把握する

テクニック

Big R's Big Band - Colston Hall (6)

ストリングス、ブラス、コーラスのアレンジができれば一人前のアレンジャーと言われています。

今回からそのうちの1つ、大編成ブラスセクションによる「ビッグバンド(Bigband)」の作曲、編曲、打ち込みができるようになり、一人前のアレンジャーに近づいていこう、という連載を始めます。僕と一緒に勉強していきましょう。

学習の手順

ビッグバンドの作曲、編曲を覚える時って、どこから手をつけていけばいいかよくわからないですよね。

僕が考える最強の学習手順をまとめてみました。

1、ビッグバンドとは何かを知る
2、スタンダード、それ以外の曲を聴く
3、使用されている楽器の事を知る
4、スコアを分析する
5、実際に作ってみる

早速この流れで勉強していきます。

第一回のもくじ

1、ビッグバンドとは何か、を知る
2、スタンダード、それ以外の曲を聴く

今回はこの2つ。ざっくりと全体を把握して、色々聴きます。

1、ビッグバンドとは何か

Tokyo Aug 2010 - Big Band Beat

ビッグバンドとは、大人数編成で演奏されるジャズ

ビッグバンドはポピュラー音楽、特にジャズにおけるバンド形式の一つ。一般には大人数編成によるアンサンブル形態のバンド、あるいはこの形態で演奏されるジャズのジャンルのことを指す。前者はジャズ・オーケストラ、後者はビッグバンド・ジャズと表現をすることもある。

アンサンブルの形態としては、高度なアレンジとソロパートの組み合わせにより演奏されるため、即興演奏を主とするジャズ・コンボとは対極を成すといえる。 – Wikipedia

あまり生演奏を聴く機会がないと思いますが、日本国内で最も聴かれているビッグバンドの演奏は、ディズニーシーのショー、「ビッグバンドビート(通称BBB)」だと思います。遊びに行った時にでも聴きましょう。音響も素晴らしいのでおすすめ。

ググってみた

ビッグバンド 打ち込み 編曲 などのキーワードでググってみました。記事も写真もあまり出てこないですね。

なんとか出てきたこのサイトは実際に仕事をしている方が書いているようで、とても実践的な内容です。

・優’s Music Website

現場によってパートの人数が違うので、減らしても大丈夫なように書いておく

ここも役に立ちました。

・ビッグバンドアレンジ、コード先か旋律先か – 音楽 – 教えて!goo

>普段はメロと当たらないようにユニゾンや1,3,5,7あたりの主要なノートを使って管楽器に振っていますが

ビッグバンドアレンジのアレンジではベースと重複する1とか5は使わないのが鉄則です。
3.7及びテンションを担当します。

>1.先にピアノやなにかでコードを作っているのか

普通はピアノなどシンプルな状態でメロディーにテンションを含んだコード付された状態を先に作ります。

確かに、ポップスと違ってベース音とトップ音が協和してないことが多いので、旋律とコード、どっちを先に作ればいいか悩みますよね。

メロとコードを同時に作っていくといいみたい。

スタンダードを知る

サウンドを体に入れて、イメージできるようにする。

ビッグバンドもジャズの1形態、ということでスタンダードがよく演奏されます。

Take the ‘A’ Train(A列車で行こう)

「A列車」とは、ニューヨークの、ブルックリン東地区からハーレムを経てマンハッタン北部を結ぶニューヨーク市地下鉄A線 (別名「8番街急行」) の名称である。

1939年にデューク・エリントンが楽団のピアニスト兼作編曲者であったビリー・ストレイホーンに作詞・作曲をオーダーして作られた作品である。エリントン楽団のテーマ曲として広く知られている。 – wiki

印象的なイントロのピアノとリフですね。昔の鉄道系ゲーム音楽でよく聴いた気がします。

Moonlight Serenade(ムーンライト・セレナーデ)

1939年にトロンボーン奏者のグレン・ミラーにより作曲されたスウィング・ジャズの代表曲のひとつであり、グレン・ミラー楽団のバンドテーマとなっている。 – wiki

スローナンバーのスタンダード。ミュートトランペットの雰囲気がいいですね。

In The Mood(イン・ザ・ムード)

ジョー・ガーランドが作曲したジャズの楽曲。1939年にグレン・ミラー楽団の演奏によりヒットしたことでも知られ、グレン・ミラー楽団の代表曲ともなっている。 – wiki

サックスのリフとトランペット、トロンボーンでのバッキングで編曲がわかりやすい曲ですね。

SING, SING, SING(シング・シング・シング)

https://www.youtube.com/watch?v=79vtRZSLvfw

トロンボーンとトランペットの掛け合いによる躍動感あるイントロ、サクソフォーンとトランペットが奏でるマイナーコードにもかかわらずダンサブルで華やかなメロディ、延々と続くドラムソロが印象的な楽曲であり、スウィング・ジャズの特徴を余すところ無く盛り込んだ一曲である。

日本映画『スウィングガールズ』でも特徴的に取り上げられている – wiki

埋め込み無効みたいなのでリンク先に飛んで聴いてください。わかりやすいメロディでクラリネットが印象的。


4曲だけピックアップしてみましたが、スタンダードだけでも結構ありますね。元々ビッグバンドの曲として作曲されたものはもちろん、小編成のジャズの曲や映画の曲もスタンダードとして演奏されてます。

楽譜のネットショップ、ミュージックストア・ジェイ・ピー(MSJP)にて、スタンダードのコーナーがありました。試聴もできます。

・ジャズ・スタンダード・シリーズ | ミュージックストア・ジェイ・ピー

また、主な楽団はグレン・ミラー、ベニー・グッドマン、デューク・エリントン、カウント・ベイシーなどです。

スタンダード以外の曲

見つけた曲をピックアップしてみました。

Nintendo Special Big Band

任天堂のゲームをビッグバンドでカバーしている、ニコニコ超音楽祭でのステージ。アレンジはスピッツやコブクロのプロデュースで知られる笹路正徳さん。まじか…

曲調も幅広く、面白いです。こちらも埋め込み無効。

https://www.youtube.com/watch?v=-GF3JYa0ql4

Maceo Parker – A Tribute to Ray Charles

メイシオ・パーカーのレイチャールズトリビュート。

Lalo Schifrin & BBC Bigband – Jazzwoche Burghausen 2006

作曲家ラロ・シフリンとBBCのビッグバンド。なかなかの再生数。

Youtubeだと高音質で動画まであるものはあまりないですね。編曲については現代も大きなトレンドの変化はない感じです。

さて、色々聴いた所で今回はここまで。次回はそれぞれの楽器についてです。

ビッグバンドの作曲、編曲、打ち込みができるようになりたい【第二回】使用されている楽器の事を知る