今回は2017年によく使った、ある程度どの仕事でもレギュラーで活躍したプラグインエフェクト、音源を紹介します。
普通こういう記事は年末だと思うんですが、ブラックフライデー前の方が検討候補に入っていいかな、ということで、11月に出してみます。
今年の仕事の内容としては、舞台3つと、ゲーム関係が多めだったので、短い期間で手早くいい感じに作れるプラグインをよく使いました。
音源
『Grand Rhapsody Piano』Waves
複数のマイク、マイクポジションが選べるピアノ音源。
・固い
・派手で明るい音
・マイクの種類、ポジションで音作りをしていくタイプ
・画面移動がない
・高スペックが要求される
・めちゃくちゃ安い
基本は固い音なんですが、マイクを変えたりすることで、サウンドを曲調にマッチさせることができます。
また、Formantというパラメータが独特で、これをいじると音の輪郭がぼやけたりシャープになったりします。効きがよくかなり使える。
不安定なIvoryからこちらに乗り換えました。
基本$69でセールだともっと安いですね。コストパフォーマンスが異常です。
■Grand Rhapsody Piano – Virtual Instrument | Waves
『Electric 200 Piano』Waves
Model 200をサンプリングしたウーリッツァー音源。
・ふくよかでクセのない音
・ヌケがよくフレーズが見えやすい
・音づくりの幅が広い
・動作が安定している
Wavesらしいふくよかさ、ヌケがあり、とても良いです。サウンドメイクの幅も広く、上品な音も出せるので、ローズの代わりにこっちを使うことが多くなりました。
あんまりいい参考曲がなかったけどとりあえず。
■Electric 200 Piano – Virtual Instrument | Waves
『MODO Bass』IK multimedia
フィジカルモデリング、ベース音源。
・聴ける音
・ベース実機のモデリングとしてはいまいち
・パラメータでの音色の変化が少ない
・パラメータは多いがわかりやすい
・CPU使用率は高め
「自分で弾くよりいい音」と思った初めてのベース音源。
音質だけでなく、きちんとグルーブ感があります。
■IK Multimedia MODO BASS | beatcloud
『Superior Drummer 3』Toontrack
ドラム。
・伸びやかな低域
・バリエーションが多い
・プリセットが良質
・機能が多すぎる
・2で不満だった部分はすべて解消されている
発売されたばかりなので、完全に手に馴染んではいないのですが、かなりのポテンシャルを感じています。
今後これ以上のサンプリングベースの音源が出てくる想像ができない、というレベル。
デモはMODOBASSと合わせてお聴きください。
Superior Drummer 3とModo Bassのコンビネーションを聴いてくれ pic.twitter.com/nvYddsemk0
— こおろぎ (@Kohrogi34) 2017年10月10日
■Superior Drummer 3 | Toontrack
『Omnisphere 2』Spectrasonics
大容量シンセサイザー。
・音色の数がめちゃくちゃ多い
・エフェクトがかなりかかった重厚な音が多い
・CPU負荷高め
重かったり書き出しに不具合があったり、エフェクトがつきすぎてたりして、あまりよくないなーと思って一時期使ってなかったんですが、
劇伴系で一発でいい感じにできたり、エレクトロ系の音色を再発見したりして、最近またしょっちゅう使ってます。
デモにできる曲がないですが…
■Omnisphere 2 | Rock On Line eStore
エフェクト編
『H-EQ』Waves
長いことレギュラー入りしているEQ。
EQが欲しい時にはとりあえず挿します。とにかく波形が見やすい。
最近、一番下のボタンがソロになるものだということに気が付いてしまい、かなり活用しています。
『Oxford Reverb』sonnox
自然なリバーブ。
かなり長く使っているので、今年は新しくてモダンなリバーブプラグインに乗り換えようかなと思って色々試してみたんですが、あまりいいものと出会えず、逆にかなり信頼度が増してしまった一品。
大体のリバーブってセンドがある一定の量を越えると急に聞こえ出したり、分離しすぎてとってつけたような音になったりするんですが、
Oxford Reverbは原音になじんで残響が聴こえてくる。自然な曲を作るときにとてもいいんですよね。
■Oxford Reverb Native | Rock On Line eStore
『Neutron 2』iZotope
・ゲート、EQ 、ダイナミックEQ、シングル・マルチバンドコンプレッサー 、トランジエントシェイパー 、エキサイター、リミッター等の複合エフェクト
・トラックを解析して適切な処理をしてくれるトラックアシスタント機能
・ダイナミクスの大きな曲には向いていない
一通りのエフェクトが内臓されていて、これでほとんどのトラックの処理が完結してしまう。
トラックアシスタントによってある程度までは処理してくれるので、それを微調整すればOKなことが多いです。
トラックアシスタントは強め、明るめに整えるので、ゆるいトラックには合いづらかったりしますが。
■Neutron 2 Standard | Rock On Line eStore
『Ozone 8』iZotope
2mixにかけるマスターエフェクト。
長いことFG-Xを使っていたんですが、8にアップグレードしたのを機に乗り換えました。
最も特徴的なのはマスターアシスタント。曲に合わせてパラメータを調節してくれる機能です。
これがめちゃくちゃよくて、9割くらいは理想通りにしてくれて、あとは自分で微調整するだけ、みたいな感じです。
デモをサッと通していい感じに聴かせたり、ということもやりやすい。時短と同時にクオリティアップになっています。
音自体もパラメーターが柔らかく効くので好きです。
NeutronもOzoneも、アシスタントが全然合わない、という人がいるんですが、おそらくミックスで音をガンガン作っていくタイプの方なのかなと思っています。曲調もありますが、楽器の音を素直に鳴らしたい、という人はわりと使いやすいはず。
■Ozone 8 Standard | Rock On Line eStore
『RX』iZotope
ノイズ除去プラグイン群。
RX5から使っていて、6にアップデートしました。
特にDe-clickはボーカルによく使いました。どうしようもないようなリップノイズがきれいに取れるんですよね。
地味なんですけど、これがないとどうしようもない場面も多い。
今年はかなりiZotopeにお世話になっています。
■RX7 Elements | Rock On Line eStore
『Reference』sonerworks
スピーカーから聞こえる音を矯正するキャリブレートプラグイン。
今年からサブウーファーをシステムに足していて、Referenceがないと作業できない状態になりました。
Ozoneのアシスタントとこれのおかげで、色々な環境に耐えられるミックスになってきたと思います。
■Reference 4 Studio edition with mic – boxed | Rock On Line eStore
おわりに
「LA Scoring Strings」「ORCHESTRAL ESSENTIALS」もかなり使っているんですが、そろそろもうちょっといいものが欲しいな、という感じなので、書きませんでした。
2015年に似たようなエントリを書いたんですが、全然違ってておもしろいですね。