ゴードン・ヤコブ著の「管弦楽技法」読みました。
この本の特徴まとめ
・初心者用
・ピアノスケッチからのオーケストレーションが中心で楽器自体の説明は少ない
・文体が古くて読みづらい
と、こんなところです。
もくじは
第一章 緒言
第二章 弦楽合奏
第三章 木管楽器およびホルン
第四章 木管楽器およびホルン(続)
第五章 小編成管弦楽
第六章 金管楽器
第七章 打楽器
第八章 Harp,Glockenspiel,Xylophone,およびCelesta
第九章 全管弦楽 トゥッティ
第十章 一般的な注意事項
じゃあ詳しく。
初心者用
基礎が詳細に書いてあります。楽器の音色、性能や使い方、重ね方。特に木管とホルンの重ね方は力が入ってる印象です。あとは打楽器の記述がかなり少ない。著者の好みだよねこれ。
全体では、音量と音色の均一さに注意を置かれて書かれてるなあという感じ。なので、この本通りにオーケストレーションすると聴いていて面白くは感じないかもなあと。ザ・無難。
これを基礎にしつつ、他の教則本やスコアで面白いアプローチを研究していったほうがいいですね。
ピアノスケッチからのオーケストレーションが中心
全てピアノスケッチから管弦楽に置き換えてます。課題も「古典からオーケストレーションせよ」という感じ。
僕はピアノスケッチから作らないんですけど、スコアを読む時に元のスケッチが想像出来ないと分析できない場面はあるので勉強になりました。
楽器自体の解説は少しだけですけど、たまに著者の好きな楽器の解説に力が入る所が面白いです。チェレスタなんか急に説明が長くなってべた褒めし始めたり。
文体が古くて読みづらい
1940年に出た本ということもあって、とにかく読みづらい。何を言いたいのか理解するまで時間がかかる言い回しが多い。
翻訳者の技量もあるのかもしれない。初心者用なのに文章として理解しにくいとかどうなのよ。
管弦楽をはじめるにあたって、最初の一歩としてまあまあの本です。文章の古さで挫折するかも。あとはつまんないオーケストレーションにならないように気をつけたい所ですね。
ウォルター・ピストンの管弦楽法は、楽器そのものの説明が詳細。技法自体は大雑把な印象です。こちらの方が近代の曲だったりして、内容が結構違うので両方読むのも面白いかも。こちらは文章が多少読みやすいです。