シネマティックで重厚なブラス 音源ProjectSAM『ORCHSTRAL BRASS CLASSIC』 のレビューと全音色解説やるよ その1

ソフトウェア音源

オーケストラ用のブラス音源が欲しくなったので『ORCHSTRAL BRASS CLASSIC』を買っちゃいました。特にフォルテシモの音色に野獣のようなワイルドさが欲しいと思って。

音質

暗くて重い音ですね。ちょっとカサカサした感じもありつつ、金属的な響きは少ないです。

音が丸いので、ジョン・ウィリアムスのような華やかなブラスの曲には使えないような気もします。逆に暗くて遅い曲には栄えそうです。

音色がやたらと多いので、それなりにブラスの勉強してないと選ぶのが辛いかも。もうちょっとお手軽に使いたいなっていう方にはOrchestral Essentialsの方を薦めます。

あとクレッシェンドは出来がいいので重宝すると思います。音量いじっただけだとあんまり迫力出ないですもんね。

使い勝手とか

キースイッチと個別のパッチがあって便利です。立ち上げた時にEQと残響がついてるので、すぐ使えるのも嬉しい。

あと、スタッカートにランダマイズがついてないので連打が不安なのと、レガートが繋げただけなので、早いフレーズなどは厳しいかもです。
 

音色

ホルンソロ、ホルンセクション、B♭のトランペット、ピッコロトランペット、B♭トランペットセクション、テナートロンボーンソロ、バストロンボーンソロ、テナートロンボーンセクション、テューバ、チンバッソが入ってます。なぜB♭のトランペットとCのチューバなんだろう。そしてチンバッソが入ってるのも不思議。重い音重視で作ってるからなのかな。

 

Orchestral Essentialsの時に全音色解説やってみたんですが、自分で隅々まで音色が把握出来てると作業が早い事に気づいたので今回もやってみます。今回その1ではホルンソロ、ホルンセクション、B♭のトランペット、ピッコロトランペット、B♭トランペットセクションまでをやります。続きはその2で。

マイクポジション

StageCloseのマイクポジションが選べます。

Stageはたっぷりとしたホールの響きで、さっと作る時には他の楽器の余韻をこっちに合わせて最終テイクまでそのままいっちゃいます。

Closeは近いマイクポジションっていう意味なんでしょうけど、残響が少ないだけで音は遠いです。Chris Hein Hornsのようなポップに使える音とは全然違う、あくまでオーケストラのブラスっていう感じですね。

1 French Horn solo

The Angel of Resurrection

僕が一番使うであろうホルンのソロ音色。柔らかい音で他の楽器となじみがいいです。深みも十分にあるのでこの音色単体でも聴けるレベルで、特に低音の迫力がヤバい。Diminuendoのパッチもお気に入りです。軽いので複数立ち上げるのも楽ですし。

01 KEY
Sustain、Marcato Long、Marcato short、Staccato、Staccatissimo、Crescendo、Diminuendoがキースイッチで切り替わります。結構細かくて助かる。Legatoなどは音色別に設定できるみたいです。

02 sustain
ppからffまで出て、生々しくていい音です。ffでもアタックはあまりないですが、ぶおおおおおってなる感じがいい。レガートにも出来ますけど、音色を繋いでるだけっぽいのであんまり意味はないかもです。

03 sustain DYN
モジュレーション・ホイールでダイナミクスの調整が可能なパッチ。任意のタイミングででクレッシェンドさせたい時に便利ですね。音色もリアルタイムで切り替わるっぽいので、ちゃんとグワーって鳴ります。

04 Diminuendo
「次第に弱く」ですね。この音色はアタックが強くていい感じです。かなり使いそう。

05 espressivo
「表情豊かに」という事ですが、pでクレッシェンドからデクレッシェンドするパッチですね。静かな曲調でのロングトーンで使うといい感じだと思います。KEYに入ってない音色。

06 Marcato long
「はっきりと」。ぼやっとしたDiminuendoっていう感じですね。余韻も同じくらいです。

07 Marcato short
ショートバージョン。ffの時の金属感がなかなかいい。

08 Staccato
「音を切る」Marcato shortより短く、柔らかい音。

09 Staccatissimo
「極めて短く切る」Staccatoよりも音は強い感じですが、fffの時はちょっと弱いかも。

10 Soro Phrase KEY
フレーズといっても2種類しかなくて、8分三連のスタッカートによるファンファーレ風の音と、16分でのrepetitions(繰り返し?)トレモロのような効果の音。春の祭典第3楽章で出てくる感じの。

11 cresc fasts
短いクレッシェンド(だんだん強く)ですね。グワーって感じの。かなりいい感じです。長さが決まってるので、長くしたければsustain DYNを使うしかないですね。

French Horn section

セクションでのホルンですね。ソロの時より音の立ち上がりが遅くぼやけた感じになりますね。エフェクトのパッチもあります。

Articulations

01 KEY
キースイッチでSustain、Marcato Long、Marcato mid、Marcato short、Staccato、Crescendo、Espressivo、Stopped、Glissandoが切り替わります。soloの時とは結構違います。複数の時に効果的な音色が入ってる感じですね。

02 sustain
柔らかくて遠いです。ffの時にアタック感が物足りないかもしれない。メロディを吹く時にLegatoにした方がいいかなと思ったんですけど、そのまま繋げてあるだけっぽいので速いフレーズだとレガートさせても立ち上がりが遅いです。

03 sustain DYN
モジュレーション・ホイールでダイナミクスの調整が可能なパッチ。クレッシェンドさせた時の音色の変わり目がちょっと不自然かもしれない。あと金属感というかエッジ感がちょっと足りないかも。

04 stopped
「手をさらに深く挿入し、開口部をぴったりと塞ぐようにする奏法」これは欲しかった。金属っぽい倍音。キーはもちろんコンサートキーでピッチも正確(この奏法だと音程が変わるので)低音がちょっと出てるのはもともとなのかな。強弱による音色変化は少ない

05 espressivo
「表情豊かに」柔らかい音で音量は一定。強弱もある程度つきます。soloの方とはちょっと違う。

06 Marcato long
「はっきりと」。アタック感もあり、強弱にも表情がついていてなかなかいいです。

07 Marcato mid
sectionの音色のみmidがあります。アタック感といいなかなか良好です。

08 Marcato short
midよりほんの少し短くなったかなという感じ。soloの時よりは長い気が。

09 staccato
なかなか歯切れがよくていい感じ。ffの時にビャっていうのがいいすね。

10 hard sustain
頭にアクセントがついたsustain音色。KEYにはない。なかなか使い勝手がよさそう。

11 cresc MOD
モジュレーション・ホイールで音色が切り替わるクレッシェンド。普通のクレッシェンドとフラッター音色が切り替えられます。クレッシェンドを途中でキャンセルした時は不自然に切れます。

12 gliss MOD
「駆け上がり」ですね。強い音でワイルド感あります。短く切る音とそのまま伸ばす音を切り替えられます。これすっごく音がいいのでかなり使うはず。

13 intervals KEY
これは・・・なんだろ?w 4度、5度、8度へレガートしたフレーズですが、テンポが変えられないので使うのは難しそう。ここぞという時に波形編集して使う感じになりそう。音自体はいい感じ。

Effects

01 all effects
下記の音色が抜粋して入ってる感じですね。

02 cluster
「極端な密集位置で不安定な音を出す」。映画の怖いシーンに使われるアレですね。クレッシェンドはしてないです。僕もよくつかいます。別にソロ音色で自分で作ってもいいんですけど、こっちの方がお手軽ですね。

03 glissandi fx
複数のブラスがそれぞれグリッサンドして音がどんどん上がってくる。これも不安を煽る感じでいいですね。

04 trills fx
トリルですね。fxですけど曲中でも使えそう。

05 textures
それぞれバラバラにフレーズを吹いてる感じ。なかなか面白いすね。

06 shrt textures
short?こっちの方が短いですね。激しいのもこっちが多い。

3 Trumpet solo

[Portrait of Louis Armstrong, Aquarium, New York, N.Y., ca. July 1946] (LOC)

トランペットのソロ音色。歌わせるのにはちょっと辛い。ピッコロトランペットを発見した時にちょっと得した気分になりました

B flat trumpet
マイルドで野太い音ですね。ちょっとカサっとしてるのが気になる所。

01 KEY
sustain vibrato、non-vibrato、soft、highblow only、Marcato long、Marcato short、Staccato、Staccatissimo、Crescendo slow、Crescendo shortがキーで切り替わります。

02 sustain vib
ゆったり目の曲に合いそうなビブラート音色。金属っぽさやアタック感はない。

03 sustain nonvib
vibよりはっきりした音色。早いフレーズはこっちかな。といってもffでも音色の立ち上がりがはやくないです。

04 sustain soft
うん、柔らかい、遠い。なかなかこれはこれで好き

05 sustain high
高い音のみのパッチ。苦しそうな感じがいいすね。金属っぽい響きもあって音が通りそう。

06 sustain DYN
モジュレーション・ホイールを使って音量を変えられるアレ。一番強い所でもちょっとやさしい感じ。

07 diminuendo
「次第に弱く」。sustain nonvibがちょっとはっきりした程度かな。そこまで強さはない。

08 marcato long
「はっきりと」。アタックもはっきりしてて強弱もあるので使いやすそう。

09 marcato short
ffの時の音が気持ちいい。

10 staccato
歯切れがよくて連続で鳴らしても大丈夫そう。上の音は気持ちいいけど下の音は苦しそう。

11 stacctissimo
staccatoよりさらに強く短い感じ。鋭さはないけど。

12 cresc slow
「だんだん強く」。なかなか気持ちいい。短く切ると不自然になるので場所を選びそう。

13 cresc fast
そこまで短くない。強弱の差が激しいので気持ちいい。

14 oct run MOD
オクターブ上に駆け上がるやつ。これ好き。MODホイールで短く切るか伸ばすか変えられる。

15 phrase KEY
8分3連のフレーズ、16分でのタッタターっていうフレーズ、repetitionsはタンギングのような感じですかね。

16 interv KEY MOD
短3度、長3度、4度、5度、8度へレガートしたフレーズ。キースイッチで音程、MODホイールで上下を変えられる。しかし使いどころは難しそう

Piccolo trumpet

鋭い音を期待していたんですけど、わりと丸い音ですね。んで太い、というか重心が低い。

01 KEY
sustain hard、sustain soft、highblow only、Marcato long、Marcato short、Staccato、Staccatissimo、Crescendo slow、Crescendo fastがキーで切り替わります。B♭のトランペットの違いはビブラートの有無。

02 sustain hard
ハードと書いてあるんですが、荒っぽさや金属っぽさ、アタック感はないです。

03 sustain soft
ソフトですね。遠いです。

04 highblow
F5まで出ます。苦しそうな感じで、強くて通りそうな音です。

05 marcato long
「はっきりと」。若干はっきりしてる感じですが、ffでも荒さは出ないですね。

06 marcato short
アタックも強く、なかなか荒い表情でいい感じです。

07 staccato
若干丸いかな。鋭くはなく、「プッ」って音。

08 stacctissimo
短い。「パッ」って感じ。

09 cresc slow
「だんだん強く」。なかなか気持ちいい。

10 cresc fast
そこまで短くない。強弱の差が激しいので気持ちいい。

11 oct run MOD
オクターブ上に駆け上がるやつ。MODホイールで短く切るか伸ばすか変えられる。

12 phrase KEY
8分3連のフレーズ、16分でのタッタターっていうフレーズ、repetitionsはタンギングのような感じ。B♭のトランペットよりキレがある

13 interv KEY MOD
1度、短3度、長3度、4度、5度、長6度、短7度、8度へレガートしたフレーズ。キースイッチで音程、MODホイールで上下を変えられる。

4 Trumpet section

思ったより柔らかいので、キレがいいフレーズが難しそう。ミュートのキースイッチもあればよかったなあ。

Articulation

01 KEY
sustain vibrato、Marcato long、Marcato mid、Marcato short、Staccato、Staccatissimo、Crescendo slow、Crescendo fast、Diminuendo、Espressivo、Falls、Stabsがキーで切り替わります。多い。

02 sustain
遠くて丸くてカサカサしてます。トランペットってこういう楽器だったかなっていうw 他の楽器と混ぜるのは楽そうです。ffの時は若干鋭く、金属っぽくなっていいですね。

03 sustain DYN
MODホイールで音量操作するアレ。ffに到達する時が気持ちいいです。

04 hard sustain
アタックが強いんですが、鋭くなく野太い感じ。特に低音で鳴らすと気持ちいい。

05 diminuendo MOD
「次第に弱く」。今までの音色に比べて長いです。音色もいい感じ。MODホイールで切り替わりますが、正直違いが分からない・・・

06 espressivo
「表情豊かに」。柔らかい音での長いクレッシェンド。

07 marcato long
「はっきりと」。まあまあはっきりとしてます。高音がちょっと鋭いのがいい感じ。

08 marcato mid
かなり好きな音です。はっきりしてアタックが強い。

09 marcato short
これもいですね。鋭さより太さの方が上ですけど。

10 staccato
まあまあですかね。無難というか

11 staccatissimo
低音から高音までキレがよくて使いやすそう。

12 cresc slow MOD
MODホイールでお尻が柔らかく終わるか鋭く終わるか変えられる。少しの違いだけど。長さが変えられないのが辛いけど、これはかなりいい。

13 cresc fast MOD
短いバージョン。これもMODホイールで変えられる。これで和音押さえるだけでやばたん。

14 falls MOD
クラシック系のライブラリだと珍しい気がする。結構長い。MODホイールでの違いがわからない・・・

15 stabs MOD
これは・・・何だろう(困惑)短いノートのお尻にちょっとフィルみたいな。使うのかなこれ。ちなみにMODホイールでの違いもわからない・・・・

16 smute sustain
ストレートミュートですね。柔らかくて、倍音が出てる感じが好きです。

17 smute sustain DYN
MODホイールで音量をコントロール。音色はほとんど変わらないすね。

18 staccato
スタッカートも軽くていい感じ。

19 staccatis
こっちの方が詰まったような音。なにこれ。

20 smute cresc
このクレッシェンドはかなり思い切りがよくてかっこいい。かなりダイナミクスがある。

21 hmute sustain
ハーマンミュートでいいのかな?独特のかすれたような音です。金属っぽいのと、ちょっとジャズっぽい。

22 hmute sustain DYN
MODホイールで音量をコントロール。音色の変化はほとんどないです。

23 hmute staccato
スタッカート、独特です

24 hmute staccatis
こっちのほうが詰まったような、響きを押さえた感じ。

25 hmute cresc
耳が痛くなるような感じの鋭い音。クラスター和音で使うといいかも

26 intervals KEY MOD
1度、短2度、長2度、短3度、長3度、4度、5度、短6度、長6度、短7度、長7度、8度へレガートしたフレーズ。キースイッチで音程、MODホイールで上下を変えられる。

Effects

01 fx wild phrases
複数で上下に移動してる感じの音

02 fx accell 1
1パートでタンギングするフレーズ。速い

03 fx accell 2
1パートでタンギングするフレーズ。ちょっと遅い

04 fx accell 3
1パートでタンギングするフレーズ。速くなって遅くなる

05 cluster sus KEY
クラスター(極端な密集位置でぶつける和音)なぜかキースイッチで和音が切り替わる。どうしてこのパッチ作ったん・・・

06 cluster sus
すごくクラスター。わりとバリエーションは少ない

07 cluster stac
短いクラスター。白鍵しか音色がない。

08 cluster slow
これめっちゃ使うから。グワーってくるから。恐怖感を煽る音色。

09 cluster fast
短いバージョン。

10 phrase 112 KEY
もしかしてBPM112オンリーのフレーズなのだろうか・・・8分、8分スイング、16分のタンギング。

11 phrase 176 KEY
こっちは176。8分、8分スイング、16分のタンギング。

リンク

■Orchestral Brass Classic

その2に続く!

【ソフト音源】ProjectSAM ORCHSTRAL BRASS CLASSIC のレビューと全音色解説やるよ その2【デモあり】