Mac Studioを買ってみて、音楽制作にはWIndowsのほうがいいと感じた

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Mac Studioを買ってみて、音楽制作にはWIndowsのほうがいいと感じた。

作曲家のこおろぎです。

2022年3月 MacStudioを買いました。

音楽制作のメインマシンとしてWindowsを20年程使用してきたんですが、 ここに来てMacに。

今回は

・移行した理由
・Macにして感じたデメリット
・音楽制作にはWindows Macのどちらがよいと感じたか
・旧WIndowsと新Mac Studioの比較

という点を書いていきます。

スペック

旧Windows

・プロセッサ
Intel(R) Core(TM) i9-9900K CPU @ 3.60GHz

・グラフィックボード
NVIDIA GeForce GTX 1050 Ti

・メモリ
RAM 64GB

・ストレージ
1TB SSD

・価格
2019年12月 15万円程度

新Mac Studio

・プロセッサ
M1 Max
10コアCPU、32コアGPU、16コアNeural Engine搭載Apple

・メモリ
64GBユニファイドメモリ

・ストレージ
1TB SSD

・価格
2022年3月 337,800円

Mac Studioのスペックは最低限のものから一つずつ上乗せしてあるくらいものです。
プロセッサーは上げなくてもよかったかなと感じました。

音楽制作機をWindowsからMacに乗り換えた理由

・Macのほうがコスパがよくなったのでは?
・Windowsは数年単位でMacに追いつけないと感じた
・Mac Studioが使用用途にちょうどよすぎる
・動画や画像の処理が増えた

Macのほうがコスパがよくなったのでは?

僕は買い物は大体コスパ(価格に対してのパフォーマンス)で決めます。

今まではずっとMacよりもWindowsの方がコスパがいい、と感じていたんですが、

MacがM1チップになってからそれがひっくり返ったのでは?と思いました。

WindowsでM1 Macと同じ値段のCPU、GPU、メモリを積んでも性能的に叶わないんじゃないかなと。

単純に比較ができないので、実際はわかんないんですけど。

また、M1 Mac は消費電力が低いので電気代も安い。

同じ性能だとしてもランニングコストはM1 Macの方がかからないんですね。

計算してみると毎月千円から数千円くらい。

性能が高いほど電気代の差も大きくなるだろうし、数年使い続けてたら結構違ってくるはずです。

Windowsは数年単位でMacに追いつけないと感じた

コスパがいいといっても、WinからMacにしたら操作方法や使えるソフトが違ったり、手間が大きいんですが、なぜそこまでしてMacに移行したのかというと、

WindowsだとM1 Macに数年単位で追いつけないと感じたから。

M1 MacはSoCという「CPUとGPUとメモリなどを1つのチップに載せて連携力を上げてパフォーマンスを出す」

ということをしているんですが、

それがデスクトップのWindowsでできるようになるには少なくとも何年かはかかるんじゃないかなと思いました。

ノートのWinだと出てきているし、どうなるかは全然わかんないんですけど。

なので、とりあえずMac Studioを買って、数年後にSoCのWindowsが出てくるまで待とうと思いました。

Mac studioがちょうどよすぎる

今までもM1 Macのモデルはありましたが、全く買おうと思ってなかったんですよね。

それは自分の使用する状況に合っていうものがなかったから。

・MacBook
常に作業をするには画面が小さい。端子が少ない。

・Mac mini
パワーがない。端子が少ない。

・Mac Pro
まだM1が対応していない。オーバースペック。

というふうに自分の環境にちょうどいいものがなかったんですが、

Mac Studioは過不足がなく、価格もちょうどいい。

そして、現在使っているPCの挙動が色々とおかしいので一旦買い替えようかな、というタイミングでもありました。

動画や画像の処理が増えた

音楽制作以外に、動画や画像の処理をすることが増えたのもMacに移行した要因です。

YouTubeを撮ったり、サムネを作ったり、子供の動画や写真も編集したり、3DCGソフトをいじったり。

うちのGTX 1050 Tiだと本当に動画編集が辛く、テロップを入れるだけで限界でした。

Blenderもライトを当てた状態になると重く、書き出しも遅い。

音楽制作だけだったらM1 Macの恩恵ってそんなにはないと思うんですが。

今後動画制作の機会が増えることを見越してMacにしました。

Macにして感じたデメリット

・操作が違うので慣れが必要
・今まで使えていたソフトやハードが使えない
・ソフトのバージョンを気にしないといけなくなった

操作が違うので慣れが必要

これは当然なんですがWindowsとMacでは操作が違います。

キーボードの操作、ショートカット、細かいところではタブの閉じる位置が逆とか。

と言っても僕は以前MacBookを持っていたんですよね。

今もiPadを持っていたりするし。 だから、全くゼロから触るわけではなかった。

とは言ってもやっぱり操作が違うのは戸惑います。メインPCとして使うとなると、以前使っていたときよりも複雑な操作も入るので。

人によっては慣れるまでしんどく感じるんじゃないかな。

今まで使えていたソフト(アプリ)やハードが使えない

Windowsでは使えてMacでは使えないソフトが予想以上にありました。

音楽制作に関して致命的だったのは、

DAWのプラグインがVSTで立ち上がらないものが多く、今までWinで制作したプロジェクトのリカバリが大変になったこと。

大手であるNative Instrumentsも対応していません。

WavesのプラグインもmacOS MontereyだとV13しか対応しておらず、使うものは全部アップデートしました。

ハードも使えないものが色々あります。

AKAI LPD8

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ソフトが対応していません。

Windowsで本体にプログラムを書き込めば使用することができます。

文字キーボード

HyperX Alloy Origins Core RGB

使用できますが、ソフトが対応していないのでライトの色は変えることができません。

ゲームパッド

ゲームパッドの多くもMacに対応していません。

あとはGoogle Photoの自動アップロードができない、Sony ZV-1の取り込みソフトが動かないなど、できないことが想定以上に多いです。

最新OSはもちろん、M1チップが発表されてから1年以上経っているのにM1対応されていないものも多い。

OSのバージョンを前に戻せば使えるソフトがあったりするんですが、

Mac Studioは最新のmacOS Monterey以前には戻れないんですよね。
OSやソフトのバージョンを気にしないといけなくなった

Macだと、OSを最新版にしたら使えなくなるソフトがあったり、逆に古いソフトが動かないといったことが多いです。

DTMだと音源、エフェクトのソフトを何十個、何百使うので、それらを同時に対応しているかどうかを考えないといけないのがめんどくさい。

Windowsはそういった部分は雑でよく、大きなアップデートに対しても動かないソフトがなかったり、古いソフトでも普通に動いたりします。

32bitでしか動かないものなど、その程度まで遡らないと動かないものはない。

OSもソフトウェアも、適当にアップデートして動かなくなるという事はあまりないです。

音楽制作(DTM)だけをやっている人はWindowsの方がいい

今回、WindowsとMac両方を触ってみて、それぞれのメリットとデメリットを総合的に考えると、

「音楽制作(DTM)だけをやっている人はWindowsのほうがいい」

DTMは使うソフトの数が多いから。これが最も大きな理由です。

MacはOSやソフトのバージョンの管理に手間や時間がかかり、それがストレスになります。

古いものを切り捨てて、新しい機能をすぐ取り入れるのというのがApple製品の利点だと思うんですが、

「古いバージョンじゃないとソフトが動かないから新しいバージョンにできない」みたいなことが常だと、その恩恵を全然受けられません。

OSやソフトを管理するストレスを排除できるなら、多少パフォーマンスが落ちても問題ないかなと思います。

パフォーマンスが落ちるよりも全く使えないほうが問題なので。

ちなみに、オーディオインターフェイスなどの条件は同じにして聴き比べたところ、サウンドは明らかにMacのほうがよいです。

解像感が高く、特にドラムのアタックのエッジが聴こえてくるのが気持ちいい。

初心者の方はMacもアリかもしれない。以前のプロジェクトとの互換性を考えなくていいし、持っているソフトもまだ少ない。そしてMacからWinに移行するのは簡単なので。

長期的に使うのであればWinのほうがいいと感じますが。

Macを導入してみて見えた理想形

Windowsはソフトの管理が簡単、しかし動画制作のパフォーマンスは低い。

Macはソフトの管理が大変だけれども、動画制作のパフォーマンスはバカ高い。

結論としては、

音楽制作はWindows、動画制作はMac。2台で作業をするのがいいのではないかということになりました。

それぞれ得意なものと不得意なものがはっきり分かれてるんですよね。

1つのパソコンで全部をやろうとしないほうがいいという結論です。

というわけで音楽制作用のパソコンはWindowsに戻ります。

Macも実はノートのMacBookの方がいいんじゃないかなと思いました。

Airでも動画制作のパフォーマンスは十分だし、リビングなどに持ち運べるのもいい。

今メインがMac Studioで、サブをWindowsのノートPCを使っているんですが、

これを逆にしてメインがWindowsでサブがMacBook いう構成の方が、僕の場合はいい気がします。

余裕がある時に構成を入れ替えようかなと思います。

比較

ここからは今まで使っていた Windows PC と Mac スタジオの比較をしていきたいと思います

旧Windows

・プロセッサ
Intel(R) Core(TM) i9-9900K CPU @ 3.60GHz

・グラフィックボード
NVIDIA GeForce GTX 1050 Ti

・メモリ
RAM 64GB

・ストレージ
1TB SSD

・価格
2019年12月 15万円程度

新Mac Studio

・プロセッサ
M1 Max
10コアCPU、32コアGPU、16コアNeural Engine搭載Apple

・メモリ
64GBユニファイドメモリ

・ストレージ
1TB SSD

・価格
2022年3月 337,800円

ファンノイズ

まず一番びっくりしたのがファンノイズ

Mac Studioはめちゃくちゃ静かです。

Mac Studioに結構な負荷をかけたんですけれども、全くファンが回らなくて音が大きくならない。

ただ、Macへの外付けストレージケースはファンノイズが大きい。

そして、それよりも断然Windowsの平常時の方が音が大きいし、負荷がかかったときはさらにファンノイズが大きくなります。

測定しました。場所は音源の真横です。

Windows平常時 約25dB

Windows 高負荷時 約30dB

Mac Studio 約16dB

外付けストレージケース OWC ThunderBay 4 mini 約24dB

音楽制作でのマシンパワー(CPU)

DAW上で、WavesのElementというシンセにCPU Killerという、かなり負荷がかかるプリセットがあるので、それで比較しています。

単体 8ボイス

旧Windows 全体 CPU使用率47% 単体46%

Mac Studio 全体 51% 単体50%

意外なことに、単体のパフォーマンスだとWinのほうが負荷が低く見えます。

6つ 8ボイス

旧Windows 全体 80~100% 単体85%

Mac Studio 全体 60% 単体53%

Winのほうは複数立ち上げると単体のCPU使用率も上がる。

Macは全体も上がっていない。複数の負荷がかかったときに強いようです。

動画の書き出し

15分程度で、ほぼテロップと画像を付け足しただけの動画を書き出し。

旧Windows 4分
Mac Studio 1分40秒

半分以下の書き出し時間になりました。動画はわかりやすいですね。

おわりに

次回はWindows からMacにした時に購入したもののお話をしたいと思います。

ではまた。

・Mac Studio
https://www.apple.com/jp/mac-studio/

動画