この「編曲の本」はきちんとした理論書ではありません。編曲マニアがニヤニヤするための本です。
JCAA・日本作編曲家協会という、かなりちゃんとした所が出してます。そして専門学校時代、僕の先生だった青木望さんが編纂しています。
とにかく、参加してる面子が半端じゃない。
すぎやまこういち、笹路正徳、菅野よう子、服部隆之・・・(敬称略)
など、他にもこれでもかと言うほどの大物が名を連ねております。
JCAA・日本作編曲家協会 HPにもっと詳しく載っていますので参考にしてください。
さて、内容ですが
理論編
理論がちゃんと書いてあるわけではないという。
現役で活躍する編曲家に質問をして、(例えば「アレンジャーとは」「コラージュ手法の問題点」など)それに対して各々の考えを言っていくという内容です。僕は菅野よう子さんの言葉が素敵だと思いました。
サラッと大島ミチルさんの「ショムニ」、笹路正徳さんの「バードランド」のスコアも載ってたりして勉強になります。
技術編
「ディズニーランド内の音楽」「クインテッド」などの宮川彬良さんによるオーケストラ全般、「ミュージックフェア」、「ザ・ベストテン」、「クイズ100人に聞きました」の服部克久さんによるストリングスなど。
書いてあることは対した事ないんですが、「宮川彬良、服部克久が俺の師匠!」っていう気分になります。技術的なことよりも考え方に触れるという意味の方がでかい気がします。
この本、管弦楽法は充実してるんですが、和声、対位法の事についてはあんまり触れてないので、読む前にちょっとは勉強しておいた方がいいですね。
今までポップスはやってたんだけど、オーケストラは作ったことないっていう人にオススメです。
どちらかというと初心者用の内容ですが、完全に価格が初心者用ではありません。コンセプトが中途半端かもしれないです。
でも編曲マニアなら持っておきたいところ。ニヤニヤするために。