最近なんとなくギター熱が高まってきてたんですが、
Line6から新しいギター「Variax Standard(バリアックス スタンダード)」
が出たということで買ってみました。サンバーストばっかり持ってるので、たまには白で。
Variaxシリーズは、スイッチを切り替えるだけで様々なモデルの音が出せるギターです。ストラトキャスターやレスポール、アコースティック・ギター、バンジョーやシタールまで。
この「Standard」はLine6とヤマハ共同開発のモデル。Variaxシリーズの中で最も安く、価格は10万円前後。
ざっくり ★★★★★
・色々なジャンルを弾く人に最高
・なんちゃってギタリストに最高
・音質は問題ない、つくりもしっかりしている
・コストパフォーマンスがめちゃくちゃいい
・ブリッジミュートはちょっと注意
・レイテンシーはない
まずは、23モデルのギターの音が出るので、色々なジャンルを作っている人におすすめ。
BGMとか劇伴とか、少しギターを入れたい、とかこの音を試したいな、という場面に便利。
メンテナンスも楽です。1本だけきちんと管理すればいい。何本もギターを持っていると弦を張り替えたり、調整したりがめんどくさいんですよね。あまり触らないギターをたまに使おうとすると弦がサビてたり、ネックが反ってたり、オクターブが狂ってたりして。
逆に、バンドや特定ジャンルのギタリストだったら方向性が大きく変わることがないので、そこまで色々なギターの音は使わないとは思います。
また、そういった方は自分のトーンを突き詰めたものを好むと思うので、90点の色々な音が出せるVariaxよりも100点の音が出る1本を買ったほうがいいのかな、という気はします。ビジュアル的にも。
自分の音の方向性が定まってない人が次のギターを決めるための足がかり的に買ってみる、というのは面白そうですが。
一番すごいのは値段なんですよね。このスペックで10万円前後。
アクティブピックアップだし、色々な音が出せるし、つくりもしっかりしてるし、それでこの値段は安すぎる。
「初代Variaxはギターとして色々ひどい」という噂があったんですが、このVariax Standardは品質に全く問題を感じません。いい仕事をしすぎている。
弾きやすいし、ノブも適度に重いし、ジャックも抜き差ししやすい。
業務で使えるレベルのギターって20万円くらいというイメージがあるので、かなりびっくりです。実際、自分が持ってる20万円近いギターよりもいい音がします。
Variaxの仕組み的に木の鳴りなどはあまりサウンドに関係ないですし、そういった部分でコストを落としつつ質を上げられてる部分もあるのかな。仕組み的に個体差も少なそう。
ブリッジミュートが苦手だという話があったんですが、最近はかなり改善されてるようで、違和感はなかったです。
確かにそこまで低音がズンズンとは鳴らないかも…気のせいかも…とりあえず中音域は問題ないと思います。ブリッジミュートがキモなジャンルを作っている方は一度試奏して確かめたほうがよさそうです。
あと、弾いた音が遅れて聴こえてくるという、レイテンシーもないです。チューニングを変えたとにきにレイテンシーがあるというのもどこかで見ましたが、それもないです。
やはり最新モデルという事で、色々と欠点が改善されているのかな、と。完成度が高いギターだと思います。
普通のギターと比べてVariaxのいいところ
大きく3つ。
・色々なギターの音が鳴らせる
・チューニングをすぐ変更できる
・ノイズがない
色々なギターの音が鳴らせる、というところは上に書きました。普通のギターだとその1本の音だけですもんね。
次に、ノブを回すだけでチューニングを変更できます。凄すぎないですか。
半音下げ、1音下げをすぐ試せるのが嬉しい。
「ちょっと半音下げ試してみようかなー……めんどくせえ…」ってなることが多いですもんね。曲の1箇所だけDが出てきて、そこをローDで弾きたい時とかも。
聴いた感じ違和感がないです。どうなってるんだ…
あとはノイズがない。普通のストラトモデルを持ってるんですが、それはとにかくノイズがひどい。PCの前で弾くせいもあるんでしょうが。
曲の最後で音を伸ばしていると「ジー」っと聴こえてきたり。Variaxだと全くノイズがないです。うれしい。
収録モデルとその音質
ここが一番気になる部分でしょう。
収録モデル
・フェンダー テレキャスター
・フェンダー ストラトキャスター
・ギブソン レスポール
・ギブソン レスポール・スペシャル
・ギブソン ファイアーバード V
・グレッチ 6120
・グレッチ・デュオジェット
・リッケンバッカー370
・12弦リッケンバッカー360-12
・ギブソン ES-335
・エピフォン カジノ
・ギブソン ES-175
・ギブソン スーパー400
・マーチン D-28
・マーチン D12-28
・マーチン O-18
・ギルド F212
・ギブソン J-200
・ドブロ モデル32
・コーラル シタール
・ジェリー・ジョーンズ・ショートホーン
・ギブソン バンジョー
・ナショナル トライコーン
23モデルですね。音は公式サイトで全モデル確認できます。
http://jp.line6.com/variax-modeling-guitars/sound/
エレキの各モデリングはオリジナルにかなり近い音だと思います。少なくとも僕には判別できないレベル。
ジャズマスターやムスタングがないなど、フェンダー系が少ない気がしますが、バリエーションを広げる方向だとこのセレクトになっちゃうのかな。
アコースティックギターは若干ピエゾっぽいですが、シャラシャラしておらず音楽的なトーンに仕上がっていて、エフェクターのノリもよく、使える音だなと思います。
エレキシタールについては、レプリカを持っているんですがVariaxのほうが断然音がいいです。
エレキシタールはブリッジとバズ音を調整するところが一緒なのでめちゃくちゃ調整が難しく、弦にブリッジを当ててバズ音を出すという仕様上、サステインもあまりないんですけど、これなら調整も楽でサステインもある。値段を考えるとエレキシタール専用ギターとして買ってもいいくらい。
各パーツ
1つずつ見ていきましょう
ピックアップ
表のピックアップは、パッシブのピックアップです。
Variaxはブリッジのピエゾピックアップから音を拾っているので、ここはモデリングとは関係ない部分。おまけです。
というわけで、Variaxとして使わなくてもパッシブピックアップのストラトとして使えます。しかもわりと音がいいです。
ジャック
アナログ出力のシールドジャックとデジタル出力のVDI(LANケーブル)2つがあります。
ジャックのほうにシールドを挿すとアクティブで動作します。
ノブ
ノブは「ボリューム」「トーン」「ギター・モデルセレクター」「オルタネート・チューニングノブ」です。
安っぽさがまったくなく、頑丈そう。
「ボリューム」はどのモードでも変わらずボリュームとして使えます。
「トーン」は、アコースティックギターのモデルだとマイク位置を変える、エレキシタールだと副弦の鳴りを変えるノブになります。
「ギター・モデルセレクター」は、ギターのモデルを変えるノブ。
選んだところが光るようになっています。暗い所でもでもわかりやすい。
「オルタネート・チューニングノブ」はチューニングを変えるノブ。ここも光ります。
電池ケース
4つのLEDで電池残量がわかる。
充電されたバッテリーは最短でも12時間使用可能だということです。
VDIデジタル出力でハードウェアに繋いでいればそこから電気が供給されます。僕はAMPLIFi TTで給電しています。
ブリッジ
見たことがない形状のブリッジ。フェンダーのストラトよりも手に優しそう。
ヘッド
独特な形状のヘッド。
ブリッジもそうでしたけど、ヤマハ製独自のパーツや形状があって面白い。
ギターモデルをカスタムできるWORKBENCH HD
付属ソフト「VARIAX WORKBENCH HD」でボディやピックアップ、チューニングなどを自由にカスタマイズできます。
面白い音も出せそうだし、プリセットの音が気に入らない人はカスタマイズして理想に近づけることもできそう。
おしまい
僕は、元々ギターから音楽をはじめたんですよね。
なんだかめんどくさくなっちゃった上に、自分のギターの音が気に入らなかったのでしばらく離れてたんですが、Variaxの満足度が高くてテンションが上がったので、またギターを入れた曲を作っていこうと思います。
モニターしながらDAWに録音するためにハードのアンプシミュレーター「AMPLIFi TT」も買いました。これで給電すればバッテリーも必要ないです。