作曲家のこおろぎです。
僕は「こおろぎ」という芸名で活動していますが、
この名前は僕の本名の名字である「興梠」(こうろき)から来ているんです。
こうろきという漢字は
「興味の興に、木へんに、お風呂の呂、2文字で興梠」
だというふうに口頭では説明するようにしてます。
本名がこうろきと伝えると、未だに驚かれる方って結構いるんですよね。
なので今回は興梠という名字について掘り下げてお話ししたいと思います。
興梠は珍しくない
まず、興梠ってめずらしい名字のように思われるんですが、人口としては多いです。
苗字由来netさんによりますと、2020年11月現在
・全国順位 約30万中 2,487位
・全国人数 約5,700人
そのうち、宮崎県におよそ2,400人、熊本県におよそ840人。
興梠さんのうち半分以上は宮崎と熊本にいるという事ですね。
さらに、僕の地元である宮崎県の高千穂町では、この宮崎県全体の半分近い、1100人
がいます。
人口の比率で言うと、高千穂町ではなんと人口の10%近くが興梠さん。10人に一人。めちゃくちゃ集中してる。
僕は子供のころに高千穂町に住んでたんですが、その時に名字で呼ばれたことがほとんどないんですよね。
なぜなら興梠が多すぎるから。
例えば、学校だったらひとクラス40人中2人以上は絶対に興梠がいました。
呼ばれる時は全部下の名前です。僕は俊一という名前なのでだいたい「しゅんちゃん」と呼ばれてました。
高千穂には「甲斐、興梠、犬のくそ」ということわざがあるんですけども、
それほどまでに甲斐と興梠という名字が多くどこにでもある、どこにでも落ちているということなんですね。
興梠の由来
ここからは興梠の由来について。
色々な説があるみたいなので、いくつかお話します。
その前に、どの説にも共通のことが2つあります。
1つめは、土地由来の名字ということ。
宮崎県の高千穂町由来の名字です。
高千穂といいますと、日本神話の神、ニニギ(瓊瓊杵尊)が降り立った、天孫降臨の地とされています。
また、同じ日本神話の神、アマテラス(天照大神)がこもったとされる天岩戸も高千穂にあります。
神話の里なんですよね。
なので、興梠の発祥にはどの説もほとんど神話が絡んできます。
2つめは、昔、漢字で「神呂木(かむろぎ)」と書いていた、ということです。
その後、自らの苗字に「神」という漢字を入れるというのは良くないのではないか、ということで今では神が興すという字になり、 呂木も合わさって1文字になった。
その二つはだいたいどの説にも共通しています。
説1 神の家の軒
当時、軒のある家は位の高い家、要するに神様の家だった
その神様を守っていた一族を「神呂木」といった。
説2 大豪族の家の軒
説1とは逆に、位の高い家を守っていたのではなく、位の高い家に住んでいた大豪族が興梠だったのではないか。
説3 原初の神「カムロギ」
イザナギ・イザナミより先に存在した、原初の神「カムロギ カムロミ」
そのカムロギから由来しているのではないか。
説4 神の依代の木
神霊の宿る清い木の意味。神の依代の木。というところからきている。
説5 アイヌ語
有名人の興梠さん
芸能人の方でも何人かいらっしゃいますね。
例えば、こおろぎさとみさんは僕と同じでこうろきをこおろぎにしてるというパターンなんですよね。
そのほかにも
・サッカー選手の興梠慎三さん
・音楽家の興梠マリさん
・評論家の興梠一郎さん
・プロボクサーの興梠貴之さん
・演歌歌手の興梠照代さん
漢字、読み方の違う興梠
漢字や読み方が少し違うかたも多いです。
「興呂木」「神路祇」「興梠木」「奥呂木」「高梠」「趣梠」「奐梠」など。
読み方もバリエーションがあり、
「こうろぎ」、「こうろき」、「こおろぎ」、「こおろき」「こうろ」など。
僕自身の苗字はこうろきなんですけど、こおろぎと読む家もあると。紛らわしいです。
僕自身も、ずっと「こうろぎ」だと思ってたんです。でもある時に「こうろき」だったってことに気がついて、
銀行の名前やクレジットカードなどを全部こうろきに直したというエピソードもあります 。
未だにいくつかは「こうろぎ」になってます。
おわり
昆虫のコオロギとコウロキは全く別だということはわかっていただけたかと思います。
僕が昆虫のほうのアイコンにしてるので混乱させてるんですが…
改めて自分の名字について調べてみたんですが、知らないことやエピソードが多くておもしろかったです。
ではまた。
動画
■引用 苗字由来net