明日から使えるかもしれない!宮崎弁講座【北部・高千穂】

その他

宮崎弁講座の動画を作りました。

台本をちょい修正して補足したものを置いておきます。

宮崎弁講座【北部・高千穂】

今回は、明日から使える宮崎弁ということで、宮崎弁をざっくり解説したいと思います。
 
演劇なんかで明日からどうしても必要、っていう人の参考になればなと思います。

宮崎の方言って、地域によってけっこう違うんですけど、今回は僕の出身である高千穂町方面の方言の解説をします。

大分と熊本と宮崎の県境に位置している町です。

なので、熊本とか大分の方言もちょっと混じってるんですよね。

宮崎の中ではマイナーなほうの方言になります。

でも、ドラマの舞台なんかでよく登場したり、観光地として有名な場所なので、耳にする機会は案外あるかもしれないです。

ポイントはイントネーションと語尾

宮崎弁の特徴のほとんどがイントネーションと語尾。

イントネーションと語尾さえクリアすれば8割は宮崎弁ができます。

まず、イントネーションは右肩上がりに高くなっていくイメージ。

沖縄とか韓国とかにも似た感じですね。

例えば、

「明日は雨が振るって言っちょったっちゃけどよー」(明日雨が降るって言ってたけど)

「台風が来るげなき準備せにゃいかんわ」(台風が来るらしいから準備しないといけない)

あと、無アクセントって言われていて、単語のアクセントの区別がないんですよ。

例えば

「こん橋をわたるときは端のほうを渡らんといかん」(この橋を渡るときは端のほうを渡らないといけない)

「飴持って帰ると?雨降りよるがー」(飴持って帰るの?雨が降ってるけど)

こんな感じで同じ読みの単語の発音が同じです。

あと、語尾の種類。

語尾のバリエーションが多くて、ここは一晩だときついかもしれないですね。

肯定

(関東)そうなんですよ
(宮崎)そうなっちゃが

推量

(関東)岩のようだ
(宮崎)岩んごつある

否定

(関東)行かなかった
(宮崎)行かんかった

可能

(関東)それを飲み切ることができるか?(または、飲むこと自体が可能か)
(宮崎)それ飲みきると?

伝聞

(関東)運動会は中止になったらしい
(宮崎)運動会は中止になったげなぞ

省略

(関東)手を洗いなさいよ
(宮崎)手を洗いないよ

疑問形

(関東)なにをしているんですか
(宮崎)なんしちょっと~(け)?

疑問形の「と」は福岡なんかと一緒です。

さらに、「何々をしている」の「ている」とか「て」が「ちょ」になります

(関東)それは知ってる
(宮崎)それは知っちょる(わ)

さらにそのあとに続く「~だけど」も「~ちゃけど」

になります。合わせると

(関東)それは知ってるんですが
(宮崎)それは知っちょ(る)っちゃけど

ただ、同じ状況でも語尾が複数あったり省略する音があったりして曖昧です。

単語

単語自体は今はほとんど標準語で大丈夫です。

よくネットで調べると宮崎の方言が載ってるんですけど、そういうのはだいたい昔の方言で、もうお年寄りしか話さないものが多いです。

単語の方言を使うと、おじいちゃんとかおばあちゃんが話してるみたいなイメージになります。

逆に、若い人がそういうのを使うと、ギャグっぽくなるんですよね。おじいちゃんの真似をして笑いを取ってる若者みたいな。

例えば、

「あん大将はさるちいんだぞ」(あの人は歩いて帰ったよ)

「たがくえちしもた ぼくじゃ のさーん」(田んぼが壊れてしまった。大変だ。つらい。)

「えらーしーが」(愛くるしいな)

「むぞーぎ」(かわいそう)

「あいた!ふみしびったー」(いたい。何か踏んだ)

「おてくだ!」(落ちた)

「小便ばりかぶった」(おしっこもらした)

と、こういうのを使うとお年寄りっぽい。

あと、高千穂のほうでは宮崎弁で一番有名な「てげ(すごく)」を使いません。

これを使っちゃうと宮崎弁北部にわかがバレてしまうので気を付けてください

ついでに、高千穂のほうでは宮崎名産のマンゴーもほとんど食べません

長文の会話例

ある姉弟の会話

弟「ただいまー」

姉「なんしちょったと?」(何をしていたの?)

弟「買い物いっちょったー」(買い物をしていた)

姉「なん買ったと?」(何を買ったの?)

弟「チキン南蛮のタレ。甲斐さんからね鳥もらったからよー今日チキン南蛮にしょうかなと思ってよー」(甲斐さんから鶏肉をもらったから今日のご飯はチキン南蛮にしょうかなと思って)

姉「作りきるとー?」(作ることができるの?)

弟「そんぐらい作りきるわーん。姉ちゃんじゃねえっちゃきよ」(そのくらい作ることができるよ。姉ちゃんでもあるまいし)

姉「はあ?ちゃんと作りないよーあんた」(ちゃんと作りなさいよ、あんた)

おわり 宮崎弁はふにゃふにゃ

宮崎弁って、全体的にふにゃふにゃしてるんですよ。

語尾を伸ばすし、きちんと最後まで言い切らないでもごもごする。

でも関東の言葉って文字一つ一つをきちんと発音して、発音し終わらないといけないみたいな感じ。

宮崎弁だと「なんしちょっと~」が関東だと「なにをしているんですか」みたいな

宮崎出身の人は関東の言葉が硬い感じがしてしゃべるのは難しいと思います。僕も10数年関東に住んでるんですけど、いまだに苦手です。

そういう、宮崎弁のふにゃふにゃなところも意識してみるといいと思います

というわけで、明日から使ってみたらいいっちゃねえと(明日から使ってみたら?)

ではまた!