バーチャルYoutuberが動画やライブ配信で使うオリジナルの音楽(BGM、ジングル)を用意するメリット、デメリットについて、少し前に考えたメモが出てきたのでシェアしておきます。
情報としてちょっと古いものもありますが、そのうち更新します。
オリジナルの音楽を用意するメリット
独自の世界観を作ることができる
一番大きなことは、独自の世界観を作ることができるということ。
サウンドを特化させ、あえて汎用性を持たせないことによって、そのVにしか使えない音楽にすることができる。
和風+未来や、魔王+かわいい。など、離れたジャンルを掛け合わせた世界観のキャラクターの場合、特に効果的になる。
こういった世界観の作り方は、人間以外のものになれるバーチャルYoutuberだけにできる音楽表現の可能性を持っています。
例
「〜旅するバーチャルyoutuber〜動く城のフィオ」さん専用の音楽を作ってみました。話のテンポ感、トーンに合わせ、スチームパンク+かわいいをテーマに、蒸気のSEを入れたりして遊んでいます。
声に雰囲気を合わせた曲を作ることができる
オーダーメイドで制作することにより、個人のテンポ感や声の張り具合、声質にフィットした曲を作ることができます。
特にライブ配信では、そこまで張って話さない配信者も多いので、音数が多い音楽ではBGMのほうが声よりも主張してしまい、内容が聴こえにくくなってしまう。
グループのまとまりを出すことができる
現在、会社でVtuberを運営する場合、複数人同時に展開するのが通常ですが、共通したOP、ED、BGM、ジングルなどを使うことによって、まとまりを出すことができます。
同じ所属のVtuberを箱推しして、相互に視聴者が伸びるという文化もあるので、アイドルグループのような世界感だと特に有効です。
BGMも、同じモチーフでアレンジ違いのものがそれぞれのVに用意されていたりすると、遊びとしては面白いと思う。
演出に効果的に使える
決まった使い方をされているオリジナルの音楽があることによって、演出も効果的にできます。
例
0:05からはじまって、0:54で一旦エンディングの音楽と映像でオトしています。
これは、毎回使っているミライアカリ専用のEDだから機能していて、他の人も使っている音楽だと他の場所にも使われているので、「終わった感、それによってオチた感」が少なくなる。
編集の幅を持たせることができる
フリーBGMは構成が単純で、キメなどもほとんどなく、ループ処理がなされていないこともある。
劇伴の溜め録りのような作り方のバージョンもつくっておけば、テレビ番組のように、音を映像に合わせたりということもしやすい。
オリジナルの音楽を用意しない(フリーBGMを使う)デメリット
音楽が被る
他の人が使ってないものを選んでも、使い始めた人が有名になれば、真似して使われるようになります。そもそも、無料のものからカブっていないものを探すのはほとんど無理です。
また、フリーBGM、ジングルは無限に配布されているように思えますが、使いやすいものは限られているので、なおさら被りやすい。
有名な人が使っているものを使ったうえで、似た方向性のキャラだったりすると、二番煎じのような印象をもたれやすい。
また、炎上したもの、汚いネタ、アダルトなものにも使われていて、それが定番になっている可能性もあり、自分の知らないうちにそういったイメージがついていることもある。
選ぶ手間がかかる
フリーBGM、ジングルは膨大なので、選ぶために聴く時間を消費する。
なので、自分で探さずに、他の人が使っているよさげなBGMをそのまま使う、というVtuberも多い。
そうして、より音楽が被っていきている状況なので、逆に、オーダーメイドの音楽は独自の世界観を作りやすくなっている。
効果的な音楽を作っているバーチャルYoutuberの例
はちこ
ロック系のBGM。
フリーBGMはロック系のものが少ないので、独自の雰囲気を出せている
サークルの音楽の宣伝にもなっている。
田中ヒメ&鈴木ヒナ
最後に二人の名前が入ったメロディを歌っており、チャンネル登録が頭に残りやすい。
ミライアカリ
僕が作りました。OPがあると番組感が強くなりますね。
最初の掴みの映像の後にOPが入ると一旦リセットされるので、構成がわかりやすくなります。
EDは前述のとおり。
おわりに
オリジナルの音楽を作るとしたら、優先するのは
・ED
・中間のジングル
・OPジングル
・通常BGM
・早送りなどの特殊BGM
の順番がいいかなと思います。
オリジナルの歌を作って、そこからOP、EDを派生させるのも一貫性がありつつエコなのでよいかなと。
最後に、音全体に関して言えば、オリジナルの音楽よりも、音声の配信・収録環境やMAでの処理や演出のほうが100倍くらい大事なので、さらにそちらを優先してもらいたいです!
以上、セールス文でした。