第一回に続き、アルバム「近視のサエ子」に収録の楽曲「アレ」の『編曲』が中心のお話。
ひきつづき、作曲者の金延さえと、編曲者のこおろぎのやりとりをほとんどすべて公開していきます。
第一回では、最初のやりとりからフルコーラスのラフまで制作し、曲の大まかな雰囲気が決まりました。
今回は「細部の詰め→レコーディング→ミックスダウンをして完了」までです。
テンポを上げてみる
■全体のラフ(BPM195)
もしお手数でないのなら、200で聴いてみたいです。
(早すぎて歌えるのだろうか>_<)
テンポは200でお願いします!
仮ギターソロ
ソロのフレーズに呼応して他の音を入れていきたいので。
仮のソロを、エレキやナイロン弦も合わせて4パターン録ってみました。
・アコースティックギター
・エレキギター1
・エレキギター2
・ナイロン弦ギター
やはり、アコースティックギターが一番合っているように感じたのですが、いかがでしょうか。
全体的にいい感じでしたら、楽譜を作成してレコーディングの準備に入りたいと思います。
アコーディオンの音色について
※サビや間奏の右側に入っています
差し替えてみたのですがしっくりこなかったので、現在は前から使っている音色に新しい音色を混ぜた音にしています。
4 レコーディング
ここから歌と楽器のレコーディング(録音)に入っていきます。
録音スタジオが遠いということで、僕は立ち会わないことになりました。
音のズレやリズムのズレはどこまで許容範囲(修正範囲)でしょう?
何か気をつけたほうがいいことはありますか?
具体的には、音程は半音以上ズレるとつらくなります。
あと、極端に音程をしゃくりあげたり、音程がゆらゆらと不安定になっている部分や、ビブラートの揺れ方も修正するのは難しいですね。
堂々と音を外しているものは修正しやすいです。リズムも多少は問題ないです。ギターも和音を修正できます。
コーラスのおわりの長さを揃える、という部分も録るときに気をつけていただけたらなと。
あとは言葉の聴こえ方やニュアンスを気にしてもらえれば、という感じですね。そういった部分は修正できないので。
提案としては、デモよりも、アバズレ感というか…w 声にルーズさというか、投げやりな感じがあるとよいなと思いました。
デモは余裕がなさそうな感じなので、もっと余裕を出して大人っぽく、エロくしたいですね。特にAの部分。息の成分を多めにしてもよさそうです。
レコーディングだけ2本ぶんやっておいて、あとでバランスを調整しましょうか。
5 ミックスダウン
今回はこおろぎがミックスダウンまで担当することになりました。
実は、ある程度音を作りながら編曲をしているので、ミックスダウンの手間はミキシングエンジニアさん向けのデータを作る場合とあまり変わらなかったりします。
やりとりには出てきませんが、この工程の前に各楽器のフレーズも詰めています。リズムがきっちり3連でハネすぎていたので、ハネ具合をゆるくしてグルーヴを調整したりもしています。
ギターはダブリングにもできるように2パターンとっています。ボーカルも2パターン
最後のアウトロを軽く(ささやいて)うたったパターンと、強くうたったパターンです。それぞれにあうようにうたったコーラスも2パターン。
そして…
最後の最後の「ああいやダダダダ」だけのファイルが入っています。
軽くうたっているアウトロの最後だけハッキリ演技っぽく終わったら面白いのでは!?
という思いつきです。
というか、エロさを追求していたら偶然にも録れたので、せっかくだからお渡ししよう…という感じです。
・アウトロを強く歌っているほう
・アウトロをささやいて歌っているほう
レコーディング中はスタジオスタッフもギターの卓郎もみんなささやいたほうがいいという意見でした。でも、ミックスしたらイメージが変わりますね!
歌の修正
▶︎音程
00:50 あたりの
「ねえ、ねえ、ねえ」の最後の伸ばすところが、
頭が下がっていて、うぃーんと音程を上げている感じになっています。
そこを、最初から音が上がっているようにできるでしょうか。
▶︎発音
各歌い出し「アレ」の「あ」を少し上げることってできるでしょうか。
変だったらなしで大丈夫です。
▶︎バランス
ボーカルが浮いているように感じます。
イコライズの問題なのか、ボリュームの感じなのか、リバーブの感じなのかは分からないのですが…
※参考までに、全体の修正前の歌と修正後の歌です。
・修正前
・修正後
ピッチは注意深く聴かないとわからないかもしれませんが、特に最初のAメロのリズムは突っ込んでいたのが大幅に直っていると思います。
他にもハネ具合の調整など、リズムを中心に修正を入れています。
希望どおりで嬉しいです!!!!
これがマスタリング前のミックスになります。
※エンコードが入っているのでオリジナルの音質ではないです。
6 編曲&ミックスダウン終了
このあとは、僕の手を離れ、他のアルバム曲と一緒に、最終の仕上げである「マスタリング」をして楽曲は完成しました。
『編曲』と、おまけに『ミックスダウン』のやりとりはこれですべてです。
ほんの少しだけでも、編曲でやっていることがわかっていただけたら嬉しいです。
今回のエントリで編曲した「アレ」が収録されているアルバム「近視のサエ子」はiTunes、LINE等で配信、AmazonでCDを販売しています。
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