動画の音響編集は、まず「音量」に気を配ろう!基本まとめ。

ゲーム、動画製作者向け

バーチャルYoutuberのおかげもあって、個人製作の動画を見る機会が多くなりました。しかし、動画の音の処理について、一応音楽のプロとしては気になることが多すぎる。

動画の音響編集、いわゆる「MA」や「整音」は専門分野ではないのですが、自分の勉強がてら、動画の音響編集についての基本をまとめてみました。

基本、動画編集ソフトだけで処理が完結できるように書いていますので、動画製作者の方が参考にしていただけたら嬉しい。

とにかく「音量」に気を配る!

動画の音響を作るうえで、一番気にかけるべきなのが音量です。

・素材ごとの音量バランス
・全体の音量

という、2種類の音量にわけて処理します。

素材ごとの音量バランス

上記のようなピークメーターはどの編集ソフトにもついていると思うので、それを見ながらざっくり

・声は-5dB
・BGMは-24dB、音楽を聴かせたい演出のときは-15dB
・SEは-5dB

付近になるようにすると、大体-16LUFS/LKFSのYoutube標準のラウドネスになります。

通常よりも高めの数値ですが、あとから全体を上げるのは難しいと思うので、ここで上げておくほうがいいと考えました。

マスターの音量が0dBを一瞬でも超えると音が割れてしまうので、意図しないときは超えないように気を付けましょう。

波形とメーター

モニター環境が整っていない方も多いと思うので、波形の大きさやメーターを確認しながら作業するのが大事です。

大体のピークメーターは縦だと思いますが、デザインの都合上、横方向のものを使っています。

BGM

SE

声の音量処理

自動で音量を圧縮できる「コンプレッサー」が使えるといいんですが、動画編集ソフトのコンプレッサーは使いづらかったりするので、諦めて、

手動で声が小さい部分を大きくしたり、大きな部分を小さくするだけでもかなり聴きやすくなります。

見た目上で揃えれば早い。

これをやりすぎるとのっぺりしたり、違和感が出てきたりするので、展開にあわせたりして、適度に音量差があるのがよいです。

イコライザーは、80Hz以下の低音は基本ざっくり切ります。

図 Wondershare「Filmora」

100Hz前後はアタック感や重さなどにも関わってくるので、気を付けながら少し減らす。

あと、飛び出している帯域を削ることができれば、聴きやすくなり、音量も稼げます。

BGM、SEの音量処理

BGMは気持ち小さめでいいです。逆に大きすぎて内容が聴き取れないのは絶対にNG。

BGMもSEも大きすぎる動画が多い印象があります。

なんでそういったクソデカBGM、SEになってしまうのかというと、音声はレベルにかなり余裕がある状態で収録されるのに対して、音楽とSEは基本的にMAXの音量ギリギリに作ってあるので、デフォルトのバランスがそうなってるんですよね。

デフォルトのバランス

理想のバランス

声が入らないOPは本編の声と同じくらいの大きさにしたり、盛り上がる部分は大きめにしたり、音を切る直前に大きくしたり、フェードアウトさせたりなど、音量を変えるだけでも演出を入れることができます。

素材ごとに音量を整え、動画ができたら、一旦音とメーターに集中して全体を聴いてみてほしいです。

平均音量=ラウドネス値

作品を通しての全体の平均音量は「ラウドネス値」という数値で表されます。

テレビ等の放送基準は-24.0LUFS/LKFSですが、Youtubeは-16LUFS/LKFS。

小さいものはそのままで、大きなラウドネスのものは小さくされます。

ということで、ラウドネスの意味が把握できない人は、割れないようにしながら、全体を通してできるかぎり大きな音量にしておけば問題ないです。

ラウドネス測定には「Orban Loudness Meter」を使います。

■Orban Loudness Meter

Analysisのタブに動画ファイルごと突っ込めば測定してくれます。

右下の「BS.1770 Integrated Loudness」のところがラウドネス値です。

ちなみに、Adobe「Premiere」ではラウドネス値を整えるエフェクトがあったり、書き出しの際に自動でラウドネスを調節できる機能がついています。

その際は「ITU BS/1770-3」にして-16 LUFS、一応トゥルーピークリミッターもオンにしておきます。

音は最後に編集する

先に映像をできる限り詰めて、なるべく最後にまとめて音を編集します。
そうすると、尺、演出の変更や追加のSEなど、試行する時間が減ります。

DAWで編集する際にも、尺を決定した映像を一旦書き出し(いわゆるオフライン)
それに合わせていく形にすると、何度も作業を行き来せずに済みます。

テクニック

細かいテクニックも書いておきます。凝った音声処理は手間がかかるのもあり、Youtubeでやっている人はあまりいない印象はあります。

声のリバーブ(エコー)

反響を加えるエフェクト。

強調する場面で声に強くかける。途中でカットするとコミカルに。

また、部屋などの場面のときに、その部屋の反響と同じものを音声にさりげなくつけることにより実在感が増す。コンボリューションリバーブが望ましい。

特に、映像作品のようにしたい場合は有効。

BGMのリバーブ(エコー)

場面の終わりにBGMにリバーブをかけて、余韻を持たせることもできる。

シリアスな演出で使われることが多い。

ドラムなど、アタックが強い部分で終わらせるとうまくいく。

ダッキング

声が入るときだけBGMの音量を下げる。

BGMを主張させたまま声が聴き取りやすくなる。

演出、選曲

話の流れでBGMをカットしたり、音量を変えたり、曲の選び方を工夫してアクセントをつけていく。

バラエティ、ドラマ、アニメ、映画などの映像作品が参考になる。

BGMのタイミング

BGMは映像よりも遅く再生がはじまり、遅く終わると違和感がない事が多い。

音声処理

余裕があればディエッサーで歯擦音をとったり、リップノイズをとったりしてもいい。

スタンドアロンで動くものだとiZotope「RX」がおすすめ。

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おまけ モニター環境

一番お金がかかるので、あまり積極的には言えないですが、なるべくなら聴く環境をそろえたいです。

モニター環境がきちんとしていると、作業がしやすく、色々な視聴環境に耐えられる質になりやすい。

オーディオインターフェイスを使用し、なるべくフラットなバランスで周波数レンジが広いスピーカー、ヘッドフォンを使いたいところ。

一応、機材の例を置いておきます。

インターフェイス「YAMAHA AG03」

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ヘッドフォン「CLASSIC PRO CPH 7000」

CLASSIC PRO CPH 7000

パワードスピーカー「TASCAM VL-S3」

おわりに – 音は映像の見え方を変える

僕自身もバーチャルYouberをやりはじめたことで、実際にMAをする機会があるので、これからまだまだ研究していきたいと思っています。

録音から音響編集まで「ビデオグラファーのための音声収録&整音ハンドブック」が役立ちました。

この本は個人で撮影、編集するためのノウハウが多く書いてあり、実用的です。

動画編集はAdobe「Premiere」でやっています。

音量を自動で整えてくれるWaves「MV2」などがプラグインとして使えたりする。

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音声編集はDAWの「Studio One」でやっています。

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